「やさしいことをすれば花が咲く」という言葉、
皆さんは聞いたことがありますか?
これは、斎藤隆介さんと滝平次郎さんによる絵本『花さき山』に出てくる一節です。
『花さき山』では、
貧しい家庭の「あや」が山菜を取りに行った山で道に迷い、
村人から恐れられている「やまんば」に出会います。
そこには見たことのない美しい花が一面に咲いていました。
やまんばはあやに、その花がなぜそんなにきれいに咲くのか
話して聞かせます。

(絵本:花さき山 出版社:岩崎書店)
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この花は、ふもとの 村のにんげんが
やさしいことを ひとつすると ひとつ さく。
あや、おまえの あしもとにさいている 赤い花、
それは おまえが きのう さかせた 花だ。
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あやは前日、本当は欲しかったものを、
母親と妹のためを思って、「自分はいらない」と
涙を呑んで我慢していました。
他の花もみんな、誰かが自分の事よりも
誰かを優先するときに咲くのだと、やまんばは言います。
あやはその後、やまんばと会った場所を
見つけることは二度とできませんでしたが、
「あ、いま花さき山で、おらの花がさいてるな」と
思うことがあった、と結ばれています。
私は日頃、ADRAで働きながら、
見えないところで、花が咲くのを感じることがあります。
私の花ではなく、皆さんの花です。
ウクライナ危機からまもなく4年。
今でも毎週約1,500件の戦闘や、
ドローンによる爆撃などの暴力にさらされているこの国ですが、
世界ではニュースに取り上げられることも少なくなり、
人々の感覚が慣れてしまいそうなほど、長い時間が経ちました。
けれども、そこに住んでいる人々にとっては
決して慣れることがない現実の中で心がしおれて、
時には折れてしまうことが続いています。
実際、ウクライナでは今、国民の約6割の方が
長引く戦争による影響で、心の健康問題に苦しんでます。
ADRAでは、心のケアの必要性を当初から認識し、
取り組みを続けてきました。
そのような中、皆さまのご支援のおかげで、
「あぁ、花が咲いた。よかった」
――そう思わずにはいられないエピソードが現地から届いています。
2本目からの活動報告でご紹介いたします。
1本目をお読みいただき、ありがとうございました!



