2021年2月に発生した軍事クーデターから4年が経過したミャンマー。国民を暴力で支配しようとする軍政と民主化を求める各地の民族武装組織との戦闘は現在も続いています。
追い打ちをかけるように、今年3月にはマンダレイを震源地とした大地震が発生し、多数の犠牲者が出ました。
国際社会からの支援が集まる中、停戦が合意されましたが、この間も国軍による空爆は続き、サガイン州では5月、小学校にクラスター爆弾が投下され、20名を超える児童が亡くなりました。
また、戦闘で使用される地雷の数も増加し、一昨年は年間の犠牲者数が1000人を超えました。そのうちの約4割は幼い子どもたちです。
地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)は、 2017年から、東部カヤー州の州都ロイコーにおいて、地雷の被害に遭った人々に対して、身体にあった義肢を提供する工房を支援してまいりましたが、クーデター後の治安の悪化により、工房を閉鎖せざるを得なくなりました。
そこで2022年からは現地NGO、DoveK.K.と協力し、山間地での避難生活を強いられている人々への医療支援や地雷犠牲者への生計支援、地雷の危険性を啓発する教育活動を続けています。
2025-10-21 13:00
地雷回避教育教材が完成しました。

ご支援いただいたみなさま
ミャンマーでは雨季が終わり、これから乾期が始まります。
乾期に入って心配されるのが、戦闘の激化です。軍政の空爆は今も続き、それに対抗する民族軍の活動も活発になります。移動を妨害したり拠点を守るために多くの地雷が使用されることで、地雷による事故も増えていきます。
特に動きが活発で好奇心旺盛な子どもたちにとって、大地に潜む罠は致命的な犠牲をもたらします。子どもたちを守るためには、こうした危険を察知するための知識を身に着けてもらうしかありません。
JCBLは現地NGOのDKKと相談し、地雷の危険回避教育の多言語化を行っています。多民族国家であるミャンマーにおいては、ビルマ語よりもそれぞれの民族言語の方が効果的です。
教材のシャン語版とカレンニー語版が完成しました。乾期を前に教材制作が間に合ったことは、潜在的な犠牲者の低減につながります。