こんにちは。あわじ寺子屋理事長の大賀喜子です。
私が住んでいる所は、新大阪駅すぐの東淀川区西部です。私は学生時代からこの地域で活動し、結婚を機にこの地で暮らし、地元の中学・高校で教師をしていました。子どもたちの厳しい状況を、どうにかしたいという思いで、夜も地域のこども会活動に参加し、地域の歴史や暮らしを子どもたちに残す仕事をしてきました。
こんにちは。あわじ寺子屋理事長の大賀喜子です。
私が住んでいる所は、新大阪駅すぐの東淀川区西部です。私は学生時代からこの地域で活動し、結婚を機にこの地で暮らし、地元の中学・高校で教師をしていました。子どもたちの厳しい状況を、どうにかしたいという思いで、夜も地域のこども会活動に参加し、地域の歴史や暮らしを子どもたちに残す仕事をしてきました。
あわじ寺子屋で活動していると、学校からはこんな状況が聞こえてきます。
「朝食をとらずに来る子どもが多い」「宿題をしてこない子どもが多い」
「遅刻が多い」「学校に来ない子ども、不登校がちな子どもが増加している」
また、保護者の声も寄せられています。
「宿題を見てやりたくても、私自身が学校行ってへんかったから、お手上げなんです」
「夜勤をして、二つの仕事をしているので、子どもと関わる時間が取れずどうしているか心配です」
「"宿題したんか?"で、毎晩親子喧嘩するのはほんまに疲れます。」
子どもたちは、こんなことをこぼしていきます。
「学校の勉強がちっともわからん。分らんとこから教えて欲しい。そんな場所がほしい。」
「おとうが酒を飲んで暴れ、夫婦喧嘩が始まる。家にいるのは嫌や。でも、行くとこがない。」
「家族が複雑で、なんでこんな家に生まれてきたのかと思う。
朝ご飯なんか食べたことない。まともなご飯は給食だけ。」
「自殺を考えたこともある。今はとにかく疲れてる・・・」
これらは、今あわじ寺子屋に関わっている子ども達、保護者の方々の生の声です。
子ども達は、「心と体の安全が保障される場所」「静かな穏やかな環境」「生まれてきてよかったと思える環境」、そして「勉強もスポーツも友達付き合いもできる居場所」を強く求めています。
日々接していると、「なんて親思いの子ども達だろう」「なんていじらしい子どもだろう」と思います。この子たちに、「居場所と勉強ができる場」を作りたい。何かしなければ。そう決意して、8年前から活動してきた、地域のおばちゃんとおっちゃんと相談して、あわじ寺子屋を立ち上げました。
私たちの地域は、誇ることがあります。今から64年前、高校2年生だった4人の青年たちが、自ら地域の子ども達のために、「日之出少年会」をつくり、後輩の面倒を見てきました。そのよき伝統が切れることなく継承されて来ました。
ところが、2006年3月末、子どもたちの居場所になってきた公共施設が閉館となりました。子ども達は行き場を失いました。どうにか、地域の力で子ども達の居場所を守ろうと奮闘し、立ち上げたのが「あわじ寺子屋」です。
「地域の子どもは地域が育てる」という、私たちのまちの良き伝統を、地域の心ある人々と共に引き継ぎ、子どもたちを支え、育てることが、私の人生最後のライフワークだと思っています。
毎週月曜日~金曜日午後5時~午後9時(小学生は、午後7時まで)の間、元々小学校だった図書室で、「だれでも いつでも ようこそ」が合言葉の「学習支援・居場所事業」を行っています。
中でも力を入れているのは、学習支援事業です。小学生は、「宿題をやりきる」こと、中・高校生は、「分からないところから学習する」ことを目標にしています。「分からないことは恥ずかしくない。わからないから勉強するのだ」という姿勢を大切にしています。
毎日、来たら宿題を、グループでする習慣がついています。お互いに教えあう姿はほほえましいです。勉強しながら、学校のこと、家のこと、友達のことを話しています。夏休みには、地域の高齢者から昔遊びや手作りおもちゃ、工作や手話を教えてもらいました。水彩画も習いました。
宿題が終わったら、子ども達は、遊びの天才です。スリッパを使用して机を合わせての卓球、コマ回し、折紙などです。
野菜づくりや、子どもの発案による熊本地震支援の募金活動も行いました。
また、「なんでも だれでも いつでも」を合言葉に、子どもや保護者への教育・生活相談事業も行っています。毎日何かしらの相談が入り、夏と秋の2回家庭訪問を行っています。毎日の相談の中には、格差社会を象徴するような相談もあります。
・今年の春、虐待を逃れてこの地域に来られた母親の相談から、子どもが3カ月間、学校に行けてないことが分かりました。校長先生の努力もあり、翌日から子どもが学校に通えるようになりました。
・「子どもが家出した。寺子屋に来ていないか。」の電話から、離婚にまつわるDVや生活困難がわかり、福祉事務所とつなげたケースがありました。
・子どもが学校に行けていないとという現実を見据えて、学校と協力し、子どもも入れて家族の話し合いにつなげることができました。
淡路本町商店街振興組合と連携した「子ども食堂」も開設しました。学校、PTA、地域活動協議会や社会福祉協議会、教育団体、行政とも連携をしています。地域と協働するために「あわじ寺子屋・応援団」の組織もあります。他に、民間サイドで、子ども支援を広げるために、区内のこども若者支援団体と月一回情報交流会を開催しています。地域の人々を招いて、7月のバドミントンで遊ぼう!のスポーツ大会、12月の冬のお楽しみ会、3月の卒業と進級を祝う会などのイベントもしました。
2017年7月現在、子どもの登録は約80人。1年間でやってきた子どもたちは述べ4501人に登ります。
地域に必要なことだと直感して始めたのものの、実際のニーズの大きさに改めて驚かされました。
実に多様な背景を持つ子どもが来ているのもあわじ寺子屋の特徴です。
被差別部落にルーツのある子ども、外国にルーツのある子ども(朝鮮半島、中国、フィリピンなど)、知的障害・発達障害のある子ども、ひとり親家庭の子ども、生活保護世帯の子ども・・・これらのことに誇りをもっている子どもの姿も見えてきます。
子どもたちは、時にはもめたり、きわどい発言やしぐさをすることもありましたが、やがてお互いに「多様性」と「違い」を見事に認め合うように変化してきました。ありのままの自分を表現し、共に過ごしています。私たちもこうありたいと学ぶ毎日です。
あわじ寺子屋に来てから、変化していく子どもたちがたくさんいます。その一部をご紹介します。
・小2から不登校となっていた中学3年生の生徒が、学校へ行けるようになりました。この寺子屋で初めて心許せる友達ができたことや、女子大学生とのつながりができたことで、彼女に自分の得意な韓国語を教えるまでになり、今は台湾の語学学校に留学して、現地の高校に通うことを目標にしています。
・発達障害があり落ち着けなかった子どもが、周囲の子ども達の支えの中で、落ち着いて勉強するようになりました。「〇〇がわからないことは、みんなで教えよう」と、言い合う子どもたちの姿があります。
子ども達自身にも、聞いてみました。
「寺子屋に来て、本当の友達ができた。人と話すことに自信が持てるようになった。自分で電話してバイト先を見つけて、今、コンビニのレジの仕事をしてる。自分でも変わったと思う。」
「希望した高校に受かったことが信じられない。その高校はだめだと言われていたのに。大学生やスタッフが丁寧に教えてくれて、やる気が出てきたからやと思う。」
「中学時代は不登校気味だったけど、今は高校は1時間も通学にかかるのに、毎日行けてる自分に驚いてる。何と遅刻もゼロ!」
私たちにも、何もかもできるわけではもちろんありませんが、安心できる「場」があって、関わる「人」がいることによって、育まれているものは確かにある、と感じます。
1年間に運営費が300万円ほどが必要です。設備費、飲食料費、教材や事務費…何よりも、これだけの規模の活動を持続可能なかたちで続けていくためには、人件費と交通費をきちんと支払うことが大切だと考えています。
地域のおっちゃんおばちゃんや、お兄ちゃんお姉ちゃん、外部からの大学生などが「意義」を感じて来てくれているのですが、今の苦しい運営状態では次世代の若手に引き継いでもらうことはできません。
私は現在、76歳です。いつ倒れるか、ドキドキ、ハラハラしながら活動しています。
私や、私たち世代がいなくなっても、子どもたちに必要な居場所は残したいのです。
そのために、若い人たちに、なるべく負担なく関わってもらえるようにしなければと思っています。
安定的な居場所運営のために、あわじ寺子屋では、「月額サポーター(継続寄付)」を募集しています。集まった寄付は、大学生を中心とした若手スタッフの人件費、そして体験学習の講師料、子どもたちの発案を取り上げる子どもの企画応援事業、淡路本町商店街振興組合と連携した「子ども食堂」の開設費用に使わせていただきます。
月額サポーターには、インターネットから、簡単な登録手続きをしていただくだけでなることができます。
コースは以下の中から選んでいただけます。
・月500円コース
・月1000円コース
・月3000円コース
・月10000円コース(※サポート企業を想定しています)
クレジットカードで自動引き落としできるので面倒でなく便利です。どうか、ご協力よろしくお願いいたします。
本当は、あわじ寺子屋のような場所は、東淀川にも大阪にも、もっとたくさん必要だと思います。
厳しい社会・地域状況の中でも、多様な子どもたちが、「自分らしくいられる」「力をつけられる」場所。スタッフ全員が、「寺子屋の取り組みは日本一だ」と言って誇りを持って取り組んでいます。
このような取り組みを広げていくためにも、まずは、自分たちの地域の居場所を守りたい、続けたい。子どもたちを育むことなしには、地域の未来も、国の未来もありません。一緒に子どもたちの未来を育てて行きましょう。
あわじ寺子屋では、現場をお手伝いいただける方、事務や団体運営の面を手伝ってくださる方も歓迎しています。
何らかのかたちで応援・協力いただけたら、本当に心強いです。よろしくお願いいたします。
一年の終わりに、考えたいのは未来のこと。
もっと楽しい未来。もっと優しい未来。
もっと平和な未来。もっと多様性が認められる未来。
そんな未来を手にするために、あなたの気持ちを寄付にしよう。
寄付は意思、寄付は投資、寄付は応援、寄付は願い。
寄付で未来は変えられるのです。
だから、「Giving December」。
一年の終わりに、未来を考え寄付をする。そんな習慣を、はじめたいと思います。
欲しい未来を叶えてくれるさまざまな取り組みに、あなたの想いを託しましょう。
さあ、年の終わりに、新しい「寄付」がはじまります。
寄付月間とは
寄付月間(Giving December)は、NPO、大学、企業、行政などで寄付に係る主な関係者が幅広く集い、寄付が人々の幸せを生み出す社会をつくるために、12月1日から31日の間、協働で行う全国的なキャンペーンです。