abtの事業内容
公益社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(abt)は、「オーガニックシフト」「エネルギーシフト」「東アジア エコ&ピースシフト」「フェーズシフト」の4部門を柱に、自然環境と人間生活の調和をめざした市民活動を支援する独立の民間基金です。
環境破壊や気候変動の影響はだれにも平等に及ぶわけではありません。弱い立場の人々や環境に適応できない生物ほど、より深刻な影響を受けます。この社会では、危険な施設や過度な環境負荷は、いつも声をあげにくい人々や生き物に押しつけられてきました。
私たちアクト・ビヨンド・トラストは、そうした現状を変えようとする市民団体・研究者などに資金や新しいつながりを提供することで、社会的に不利な立場に置かれた人びとが再び選択肢を取り戻す社会を創っていきす。
最近、「環境正義*」という言葉を耳にする機会が増えています。これは、abtがこれまで取り組んできた問題意識とも重なるものです。こうした視点が社会に広がりつつあることを心強く感じています。
(*)環境破壊や気候変動などの影響が、経済的・社会的に弱い立場の人びとや過疎地域、あるいは声を上げられない野生生物に集中してしまう状況を見直し、公正で持続可能な社会をめざす考え方
abtの事業は、みなさまからのご寄付で支えられています
小粒ながらエッジの効いた民間助成基金として、政府や企業の支援が届きにくい分野で活動する市民団体や研究者の支援を心がけてきました。2010年末の立ち上げから現在までの助成総額は2億7500万円を超えています。これまでの活動を支えてくださった皆さまに心から感謝いたします。

寄付金の使い道について
abtの実施する助成事業、広報啓発事業、調査研究事業等の事業(公益目的事業)に70%、当法人の団体運営費に30%を活用させていただきます。
2025年度助成事業について
abtの助成は、特定の地域に限定せず、日本全国および東アジアで行なう企画を対象にしています。
下図は、2025年度助成先の日本国内における活動場所や所在地を地図上に示したものです。

助成先一覧については、活動報告に掲載しています。
これまでの助成事業の実績、成果について
2024年度までの助成事業から、いくつかご紹介します。
助成先:神戸大学大学院農学研究科・星研究室
(オーガニックシフト 2020~2024)
ネオニコチノイド系農薬に関するマウスを用いた研究で、これまで安全と考えられてきた低い濃度(無毒性量)でも胎子や生後まもない期間に曝露すると、その影響が子や孫など複数世代に及ぶ可能性が示されました。さらに、行動や不安反応、神経発達に関わる変化が観察され、低用量曝露が長期的な影響を及ぼす可能性が示唆されました。

※「ネオニコ系農薬人への影響は」(TBSテレビ「報道特集」2021年11月6日放送)より
https://www.youtube.com/watch?...
助成先:羽山伸一〈日本獣医生命科学大学野生動物学研究室・教授〉
(エネルギーシフト 2020~2023)
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質により、福島市周辺に生息するニホンザルは、野生霊長類として初めて原発事故による被ばくを経験した動物とされています。本研究では、被ばく後10年間における筋肉中セシウム137蓄積量の推移を明らかにするとともに、胎子成長の経時的変化を解析し、胎子成長と母ザルの相対的内部被ばく量との関連が示唆されました。
さらに、被ばくのタイミングや累積被ばく量が繁殖に与える影響を検討するため、被ばく前の2008年から2020年までの受胎率の推移を分析した結果、全体では大きな変化は見られなかったものの、8歳以上のメスでは被ばく前と比べて受胎率の有意な低下が確認されました。

助成先:鈴木治夫〈雅楽協議会世話人〉
(フェーズシフト 2020~2023)
雅楽の管楽器である篳篥(ひちりき)のリードの材料とされる「上牧・鵜殿のヨシ」が、ダムや河川工事、他の需要が減ったことが原因で全滅に瀕しました。さらにコロナ禍の影響で、ボランティア動員の「ヨシ原焼き(毎年2月に実施)」や「つる草抜き活動」も中止となり絶滅危機が高まることになりました。
そこで本助成で、これまで淀川の自然環境や本問題に関心のなかった市民をつる草抜きのボランティアとして集め、鵜殿のヨシ再生活動を継続発展させる体制整備に取り組みました。その結果、2023年度に本活動を継続運営していく協議会組織が設立され、寄付集めも積極的に行なわれるようになりました。

※雅楽協議会Webサイト http://gagaku-kyougikai.com/ より
代表メッセージ

高校生ぐらいまで、読書の中心はSFでした。「未来」という時間軸に強く惹かれながら、遠い未来や星界の彼方から地球を振り返る視点に親しみ、現代の物質文明に危うさを感じ取ったものです。ほかにもきっかけはありましたが、現在、abtのような仕事を手がけているのはSFの影響が少なくないと思います。
その後、SF的な視点はアニメなどとも絡み合って一般化し、地球の人類やその文明を超客観的に見直すスタンスは珍しくなくなりました。しかし、その内容はどんどん暗く悲観的になり、最近はほとんどの作品が世界の終わりや文明崩壊後を描くディストピアものばかりといってもいいくらいです。
一方で、生命(いのち)の根源的な駆動力は、世代をつなぎ、より良い世界や環境を残そうと希求します。もちろん、人間も生命という大きな織物の一部です。ディストピア指向は、脳が作り出す幻影のようなものかもしれません。
未来世代サポート募金は、そんな幻影を超えて、私たち本来の希求どおり、より良い世界を子々孫々につなぐ入り口の一つです。いのちと自然を守る市民活動を後押しし続けているabtに、ぜひ寄付という形でご参加ください!
応援メッセージ
國本 聡子さま(熊本-有機の学校給食を考える会)
作物の品種開発からエネルギー供給まで、原子力を利用する技術や、どんどん新しい人工化学物質の開発を進めることが私たち人間に便利・快適な生活を保障すると言われているが、多様な生命の存立を危うくする危機が日々の暮らしの背後から溢れてこぼれてきている。そう思うと一人一人の力は僅かだけど、今、ブレーキをかけないで何もしないまま、自分の命が終わる時に後ろ髪引かれる後悔などしたくない。
「ネオニコ系農薬、使うのやめよう」「処理できない原子力のゴミをこれ以上増やさないでおこう」「後戻りできない環境汚染物質のバラマキを見直そう」周りの人に知らせること、何かできることがきっとある。誰かと一緒に考え、誰かと繋がって動く。アクト・ビヨンド・トラストと一緒に、自分なりに出来ることを見つけよう。
北国のおやじさま(ご寄付のメッセージより)
最近、古希を迎え人生を振り返ったとき、我々の現役時代には良かれと思っていたことが今となっては重荷になっていたりすることに気づきました。
何かできることはないかと思いを巡らしていたなかで見つけたabtさんの地道な活動には、頭が下がるばかりです。個人としてこれといった活動ができていませんが、その部分はabtさんにお任せしますので、よろしくお願いします。
理事からのメッセージ

abt理事 安田節子より皆さまへ
日本における死亡原因の第一位は「がん」です。近年では、神経性の難病や原因不明の疾患も増加傾向にあり、児童生徒における発達障害の急増など、国民の健康がおびやかされています。こうした背景の一因として、深刻な農薬汚染が指摘されています。
輸入食品からは高濃度の農薬残留が確認されており、国内でも単位面積あたりの農薬使用量は世界トップクラスです。なかでも、神経毒性の強いネオニコチノイド系農薬については世界的に規制の動きが強まるなか、日本はその流れに逆行し、大量に使用しているのが実態です。食品や飲料水を通じて私たちの体内に取り込まれ、赤ちゃんの尿からも検出されるなど、すでに人体への影響が表われています。また、田畑で使用された農薬は河川に流れ込み、水生生物や昆虫、鳥類の減少にもつながっています。このままの状況を放置したまま、滅びを座視するわけにはいきません。
私たちabtが取り組んでいる、ネオニコチノイド農薬問題の解決をめざす活動や地域のオーガニック給食を推進する活動を対象にした助成プログラムが、日本の未来を拓く大きな一助になるはずです。
※ このほかにも、脱原発を含むエネルギー問題の解決を目指す活動や、東アジアの市民同士が手を取り合い、平和で持続可能な世界の実現をめざす活動を対象とした助成プログラムもあります。
abtの助成活動へ未来を託すご寄付支援をお願い致します。

abt理事 美濃部真光より皆さまへ
息子たちにはできる限り不安のない社会を――。
私には6歳の息子がいます。4月からは小学生です。電車は大人よりも詳しいくらいの博識ぶりで、近頃は世界の国名を憶えることに夢中です。彼には毎日いっしょに遊ぶ同い年の親友がいて、わが家の団らんでは、その子の話題がいつも上がります。
ある日、あまり自己主張しないその子が、仲間外れにされることがあったそうです。それに対して自分はどうしたのかと息子に問うと、特に何もせずにその様子を見ていたとのこと。友達なら、仲間外れにせずにいっしょに遊ぼうと誘ったほうが良かったのではないかと言うと、次からはそうすると答えてくれました。
息子には弱い人に手を差し伸べられる大人になってほしいし、弱者を虐げる行為はいけないことだと早い段階で学んでほしい。子どもたちがこれから歩んでいく未来は、人種やジェンダーによって優劣を作らず、多様性(ダイバーシティ)を尊重しあい、貧富の差なくオーガニック給食が提供され、地震が起きるたびに原発立地地域を心配したりせずに済むような社会にしたい。今の日本の状況では、何年、いや何十年かかるかわかりませんが、子どもたちにはできる限り不安のない社会を届けたいーー。
abtは、こうした問題に正面から向き合い、たとえ地道であっても現状を変えるために、政府や企業の支援が届きにくい分野で活動する市民団体や研究者の活動を後押ししてきました。2010年末の立ち上げから現在までの助成総額は2億7500万円となっています。これまでの活動を支えてくださった皆さまに、心からお礼を申し上げます。これからも粘り強く活動を発展させ続けていくつもりですが、助成プログラムや組織運営の費用など、まだまだ資金が不足しています。
「これから誕生する未来世代へ、いのちと自然のバトンをつなぎたい」と考えている皆さま、abtの活動を支える仲間になってください!
アクト・ビヨンド・トラスト(abt)について
活動報告にて、継続発信していきます。
掲載済
- abtが生まれるまで
- 2025年度助成先一覧
掲載予定
- abtの助成事業が継続・拡大することで
- 助成事業以外の活動紹介



