こんにちは。私は昨年4月から、一般社団法人ハレルワの理事として活動しています。
私は群馬県高崎市で生まれ育ちました。自分が性的少数者であることに気づいたのは、中学1年生のときに同級生の女子を好きになったときです。でも当時の自分の周りには、自分が同性を好きであることを安心して話せる場も、同じような仲間と出会える場もありませんでした。

中学・高校の6年間、「この人なら話せるかもしれない」と思える同級生や大人を必死に探しましたが、見つけられませんでした。両親、兄弟姉妹、親戚、学校の先生たち、テレビ、ラジオ。聞こえてくるのは、すべて同性愛について否定的な言葉ばかり。18歳で大学進学で上京し、自分で同性愛者の集まる場を探し、仲間と出会うまで、否定せずに受け止めてくれる人に、私はただの一人にも会えなかったのです。
孤独、自己抑圧、嘘で固めることの罪悪感、それらの苦しさの中で、私は摂食障害になりました。当時は、強いストレスや孤立の影響で、心や体に不調が出ることがある、という知識もありませんでした。自分の身に何が起きているのかも分からず、ただ苦しく、この先もつらいことしかないように感じていました。「死にたかった」というより、将来の希望が見えない日々が続くなかで、つらい気持ちしかないのに、これ以上頑張る意味がない、と感じていました。その苦しさは、大人になってからも長く続きます。
東京で、自分のままでいいのだと言ってくれる人達に初めて出会いました。その人達の存在に、励まされ、支えられ、少しずつ自分らしく生きる道を見つけていきました。苦しさが続いていても、私が生き延びることができたのは、LGBTQやアライの先輩たちのおかげです。さまざまな場所で出会った人たちが、「あなたはあなたのままでいい」「LGBTQでも楽しく生きていける」と、言葉や生き方で示してくれました。
一方で、生き延びることができなかった友人たちもいます。だから私は今、苦しさの中にいる人たちに伝えたいのです。LGBTQとして生きることは、決して希望のないことではない。つらい気持ちがわかる人は、ちゃんといる。どうか生き延びてほしい、と。

時代は少しずつ変わり、生きやすくなったと感じる場面も増えました。それでもなお、孤独や不安の中で、自分の未来に希望を持てずにいるLGBTQの人たちは今もたくさんいます。特に公共交通が不便な群馬県では、出会える仲間の数も、情報も、安心して立ち寄れる場所も限られています。だからこそ、「群馬にも仲間がいる」「ここでも楽しく生きていける」と感じられる場所が必要だと、私は強く思っています。
数年前、群馬でLGBTQの活動を続けているハレルワの存在を知ったとき、とても心強く、うれしく感じました。何十年もの間、レズビアンとして生きるなら、東京のような都会で暮らすしかないと思って生きてきたからです。けれども、さまざまな経験を重ね、パートナーと長く暮らす中で、高齢の親と過ごす時間を大切にしたいと思うようになり、一昨年、群馬に戻ってきました。そしてハレルワで活動するようになりました。
私は会社員として働いた後、2021年からプライドハウス東京というLGBTQの総合情報センターで働いています。毎年何千人もの国内外のLGBTQやアライの方々と出会い、話を聞き、交流する中で、多くのことを学びます。そして今、その経験を地元群馬で生かし、地域の人たちと関わり活動できること、尊敬できる仲間たちと一緒に歩めることを、本当にうれしく思っています。
調査では、自殺未遂や自殺の準備をした経験は、異性愛者に比べてそれ以外の性的指向の人は2.3倍高い。トランスジェンダー・ノンバイナリーの人はシスジェンダー男性に比べて2.7倍高いという結果も出ています。厚生労働省の「自殺総合対策大綱」でも、性的マイノリティは「死にたいと思う」割合が高く、その背景の一つに無理解や偏見があること、さらに、いじめや孤独・孤立などの社会的要因が関わっていることが示されています。
孤独や孤立がリスクを高めるなら、つながりは予防になります。だからこそ、安心して集える「居場所」が必要なのです。しかし、それだけでは足りません。性の多様性について正しい知識を広げ、偏見や差別を減らしていくことも大切です。多くのLGBTQは、周りから変な目で見られたくないという思いを抱えながら生きています。そのため、自分のことを隠したり、押し殺したりしながら生きている人が少なくありません。
多数派でなくても「そうなんだね」と受け止められる社会だったらどうでしょうか。偏見や差別の多くは、知識や経験の不足から生まれます。だからこそ、学校や地域、さまざまな場で私たちが直接話し、LGBTQは特別な存在ではなく、どこにでもいて、皆さんと同じように暮らしているのだと伝えていきたいのです。

「まちのほけんしつ」があることで、実際に人とつながることができます。たとえ今すぐ足を運べなくても、群馬にもハレルワのような団体があると知ること自体が、誰かの心の支えになるはずです。私自身、若い頃にそんな場所や人の存在に救われました。だから今度は私が、その力を次の誰かへ手渡していきたいのです。
地域の中で安心して集える場を続けること。孤立している人に情報を届けること。交流会や学びの機会をつくること。学校や地域で啓発活動を続けること。そうした活動には、継続的な資金が必要です。しかし多くの学校や機関で「予算がない」と言われます。必要性があっても、予算がないために学ぶ機会が失われてしまうのは、本当に残念なことです。

また、プライドハウス東京でハレルワのことを話すと、「群馬にもあるんですね」と驚かれます。群馬出身・群馬在住の方でさえ、ハレルワの存在を知らないことがほとんどです。おそらく、「群馬県 LGBTQ」で検索しようと考える人自体が少ないのでしょう。
だからこそ、もっと広報活動を進める必要があります。すべての公共施設にハレルワのリーフレットを置いてほしい。すべての自治体の広報紙に「性的少数者の相談はこちら」と載せてほしい。取り組むべきことは、文字通り山のようにあります。そして、それを一つひとつ形にしていくためには、人手と時間、そして資金が必要です。
ご寄付は、こうした活動を支える大切な力になります。一つひとつの積み重ねが、誰かの孤立を減らし、誰もが「ここにいていい」と思える未来につながっていきます。ハレルワが群馬に「ある」ことそのものが、誰かの命を支える力になる。私はそう信じています。
私が先輩たちから受け取った「あなたはあなたのままでいい」というメッセージを、今度は群馬で生きる誰かに手渡していきたい。そのために、どうかハレルワの活動を応援してください。
皆さまのご支援が、群馬で孤立しがちなLGBTQの人たちに、安心と希望を届けます。心より、お願いいたします。


