困っているけど、どこに相談したらいいかわからない…
2024年に加賀市が、市内の15歳~25歳の女性を対象とした困りごとアンケート調査を実施し、あくるめは、調査結果の分析を担当しました。(▷加賀市若年女性困りごとアンケート調査報告書)
①加賀市に確実に存在する困りごと/生きづらさ

この調査で、困りごとや悩みがあるを選択した人は全体の4割にものぼることが判明しました。「⑤生活に必要なお金がない」と「⑥独りぼっちだと感じる」を選んだ人が困りごとがある人の7割以上を占めています。また「①身近な人から暴力を受けている」を選んだ人が1人、「②身近な人から心無い言動により心を傷つけられている」を選んだ人が20人おり、暴力や暴言に脅かされている人もいることが分かりました。
「生きづらさ」や「孤独感」から性に関するトラブル、貧困まで多岐にわたる若年女性の困りごとが、加賀市には確実に存在することが明らかになったのです。
②第三者に相談する人が少ない

困りごとがあっても相談しない人が3割もいました。相談先については「⑦スクールカウンセラー」や「⑫市役所や民間団体などの電話相談やSNS相談 」といった公式な相談窓口の場を選択した人はとても少ない状況です。
あくるめが実施した、加賀市で10代、20代を過ごした女性へのヒアリング調査では、当時悩んでいたことを相談できる場所がほしかったという声が複数あり、アンケート調査結果をみてこの状況は現在も変わっていないことが推測されます。

【かがじょ基金】ヒアリング調査 20~30代女性のリアルな声
これは、そもそも相談先があることを知らない、あるいは専門機関にちょっとした悩みや不安を打ち明けていいのかがわからず相談のハードルを高くしていることが主な原因であると考えられます。
地域に“ほけん室“をつくる事業が着実に進む中で見えてきた、若年女性への“アウトリーチ“の課題
①課題をまとめたハンドブックを作成

2022 年にあくるめが実施したかがじょ基金のヒアリング調査と、加賀市の若年女性困りごとアンケート調査をもとに、みんなが息がしやすいまちを考えるハンドブックを2025年5月に発行しました。
ハンドブックの作成には、社会調査の専門家である眞鍋知子教授(金沢大学 融合研究域融合科学系)と、『孤独と居場所の社会学』の著者で居場所の専門家である阿比留久美教授(早稲田大学 文学学術院文化構想学部)の2名の有識者に関わっていただきました。このハンドブックでは、加賀市の若年女性が抱える困りごとを紹介し、地域の大人ができることについて有識者を交えて考えた内容を掲載しています。
②若年女性の周りにいる大人が価値観アップデート

「地域に”ほけん室”をつくる事業」では、若年女性が相談できる場・人を増やすために若年女性の周りにいる大人の価値観をアップデートする研修事業を2年間支援しました。2年目には、研修の参加者と活動に共感した地域の協力者によって任意団体「Happy AXIA」が結成され、市内の美容サロン向けの研修を実施し、研修を受講した美容室に、専門的な相談窓口一覧の配布を行いました。
③加賀市と連携し、相談先カードを配布

あくるめは加賀市の「かが絆・つながりサポート2024」の採択を受け、Happy AXIAに協力いただき、教育施設を中心に約200枚の相談先カードを配布しました。
見えてきた若年女性への“アウトリーチ“の課題

あくるめは上記の事業を通じて、若年女性の身近な相談者を増やすことと相談先の情報を届けることに取り組んできましたが、特に相談先の情報を届けることはまだまだ不十分な状況です。
地域に”ほけん室”をつくる事業3年目の挑戦
①若年女性に”アウトリーチ”する相談支援事業に取り組みます

「地域に”ほけん室”をつくる事業」3年目は、より多くの若年女性が相談先の情報を知り、必要なときに必要な専門機関や相談窓口につながることができる状態を目指します。
実際に若年女性が多く利用する施設やお店での相談先の設置、SNS等を活用した情報発信などによる相談支援事業に助成いたします。
令和7年度に実施予定の助成事業
・30万円程度の助成(半年間)を1件
②ハンドブックを使い、課題啓発を行います。一緒に広めていきましょう!

若年女性が安心して相談できるには、周囲の大人の理解とまなざしが必要です。
だからまずは、たくさんの人に、加賀市の若年女性をとりまく様々な課題や社会背景を知っていただきたい。そして、若年女性も地域の皆も息がしやすいまちを考えていきたいです。
私たちと一緒に課題について考え、広めていきましょう!
今回有識者を交えて作ったハンドブックは、課題に興味関心がない層や当事者ではない人々にも届くような内容になっております。寄付いただいた方には、このハンドブックを送付させていただきますので、ぜひ読んでいただき、周りの方にも広めていただきたいです。
寄付金の使い道について
集まった寄付金は、加賀市の若年女性をサポートするNPOや団体が実施する「地域に"ほけん室"をつくる事業」の活動資金として、公益財団法人あくるめより助成を行います。支援先の団体は公募し、複数の専門家や有識者で構成された審査委員会で厳正に審査された上で決定されます。
- 寄付金の使い道:令和7年度の助成事業として以下の通りの活動を行います。
30万円程度の助成(半年)を1件
また、若年女性の課題啓発に関する活動資金、基金の運営管理費としても活用させていただきます。
本クラウドファンディングのほか、継続寄付も受け付けております。詳細は KAGA JOJOJO FUND(略称:かがじょ基金)特設サイト (https://akurume.com/kagajo-don...)よりお申し込みください。
税制等の優遇措置について
当財団への寄付は、税制優遇措置を受けることができます。
詳しくは、こちらをご確認ください。
※この寄附金は所得税法上の寄附金控除、法人税法上の特別損金算入限度額、相続税法上の非課税の適用対象です。
※所得税の寄附金控除及び住民税の寄附金税額控除の適用を受ける場合は、所得税の確定申告が必要です。
※この寄附金は石川県の条例指定対象の寄附金です。お住まいの地域によって住民税の寄附金控除を受けることができます。
かがじょ基金とは

石川県加賀市の人口は59,015人。(令和7年4月時点)石川県南加賀で唯一の消滅可能性都市(2040年までに20〜39歳までの若年女性が5割以下になる)に指定されています。若年女性の人口減少が進む中、「いつか戻ってきてほしい」「地域を支えてほしい」とか、大人の私たちは様々な期待を若者に抱きますが、まずはこの地で育つ彼らがどうか健康で孤立せず尊重されて過ごしてほしい。そんな想いから、2022年10月、367件・約210万円のご寄付をいただき設立した石川県加賀市の若年女性のための基金、KAGA JOJOJO FUND(略称:かがじょ基金)です。(▷かがじょ基金特設ページ)
令和5年度「地域に"ほけん室"をつくる事業」
- 合同会社スオ

自分自身について知り、表現することを目的とした第三の居場所「ffirm youth club(ファーム ユース クラブ)をつくり、ジェンダー/人間関係/ルッキズムなどをテーマにしたワークショップを計7回実施、8名の高校生がクラブに参加しました。
Instagram: @ffirm__ @ffirm__youth__club
Web:https://www.ffirmyouthclub.com...
<助成事業終了後の活動>
2年目は、「ほくりくみらい基金」の助成を受け、能登の高校生を対象とした活動を行いました。3年目となる今年は、対象者を石川県全域の高校生に拡大し、ffirm youth clubの継続に向けてクラウドファンディングや企業協賛等の資金調達に挑戦しています。
- (一社)石川県助産師会

若年女性の周りにいる大人の価値観をアップデートさせ、若者の力になれる大人を増やすことを目的とした研修事業を実施。身体の仕組みだけでなく、性の多様性、ジェンダー平等、性に関する権利など幅広い要素を含む包括的性教育の講座を3回実施し、計47人が参加しました。
Web: https://ishikawa-midwife.com/
<助成事業終了後の活動>
研修の参加者や活動に共感した地域の協力者が集まり、「Happy AXIA」が結成されました。
令和6年度「地域に”ほけん室”をつくる事業」
- Happy AXIA(ハッピーアクシア)

美容室やネイルサロンなど若年女性がゆっくりと話す機会がある店舗において、性に知識がある大人を育成し、相談内容によっては専門機関に繋げられるような体制づくりを目的とした研修事業を実施。全3回の講義を修了した14件の美容室と1人の鍼灸師さんに認定ステッカーを贈呈しました。
Instagram: @happy.axia
活動・団体の紹介
公益財団法人あくるめは、石川県加賀市の若者一人ひとりの小さな想いを支援し、持続可能な未来に向かって子ども達の笑顔がいきかう元気な地域をつくるため2017年8月に設立されました。2020年6月には、石川県より公益認定を受け、一般財団法人から公益財団法人となりました。
(▷あくるめ公式サイト)
