
Ei Arakawa-Nash, Paintings Are Popstars, 2024, PHOTO: Shu Nakagawa
はじめに
こんにちは、ロサンゼルス在住、現代美術家の荒川ナッシュ医(あらかわなっしゅ・えい)です。2024年の新国立美術館の個展のときは多くの皆さんに大変お世話になりました。
思いがけず、2025年の4月に、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表に選出されました。来年の5月に開幕予定のこの国際美術展は、世界約90カ国からのアートを一堂に集め、70万人を超える来場者が訪れるとされています。現代アートの万博、あるいはオリンピックとも称されるヴェネチア・ビエンナーレ。日本国内ではまだ知名度がそれほど高くありませんが、各国のアーティストやキュレーター、美術館長も訪れ、現代美術の今後の動向を占う場としても重要な役割を果たしています。日本館の歴史は古く1895年に遡り、アジア初の日本館は1956年に設立されました。その日本館は、来年記念すべき70周年を迎えます。
でも、実際にヴェネチアまで長い時間と旅費をかけて訪れることができる人は、どうしても限られています。そこで私は、このヴェネチア・ビエンナーレの日本館での私の作品や、会期中の出来事をヴェネチアに来られない人にも届けたい!このクラウドファンディングを通して、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館美術展を舞台とした新作映像作品を実現し、日本での発表を目指します!

UNIQLO Tate Play: Ei Arakawa’s Mega Please Draw Freely, 2021, Photo: Rikard Österlund
自己紹介
私は1977年福島県生まれで、1998年、20歳で渡米し、ニューヨークで21年間、その後はロザンゼルスを拠点に制作活動を続けてきました。クィアで日系アメリカ人のアーティストとしては初の日本館での個展になります。
パフォーマンス・アートと呼ばれる、イベントや行為を美術作品として、日本の国立新美術館、アメリカのMoMA(ニューヨーク近代美術館)、イギリスのテート・モダン、ドイツのミュンスター彫刻プロジェクトなど、世界各地の美術館や芸術祭で発表を重ねてきました。家族の概念、アイデンティティ、制度批判などをテーマに領域横断的な展覧会を制作し、自分ひとり一人ではなく多数のコラボーレーターと作品を作ります。2024年の国立新美術館の個展では、自分の新しい家族の誕生を軸に、ミュージシャン、作家、国内外の現代美術アーティストたちとコラボレーションし、オープンで自由な展覧会を開催し、評価を受けました。
教育者として、ハーバード大学やUCLAなどで教鞭をとり、現在はロサンゼルスのArtCenter College of Design大学院アートプログラムにて教授を務めています。若い世代のアーティストと会話をして、見解を深められる教職が大好きです!


日本館の展覧会「草の赤ちゃん、月の赤ちゃん」とは?
2026年の日本館「草の赤ちゃん、月の赤ちゃん」は、「赤ちゃんの声が聞こえる場所」です。赤ちゃんの声のサウンド・アートが館内に響きます。日本館の建築家が1956年に考えた庭から建物に至る回遊性に注目し、多数の赤ちゃん人形が日本館とその庭を回遊するようなインタラクティブなインスタレーションを発表します。観客が赤ちゃんを抱っこして回る、というような可愛らしいシーンもあるでしょう。これらのパフォーマンスの要素は、現地に行かないとなかなか体験できない、ではそれを映像作品に変えて、日本の皆さんにお届けするのはどうでしょうか?
2024年の終わりに、私と私の夫は、双子を授かったのですが、大体生後4ヶ月くらいの時に、このヴェネチア・ビエンナーレでの個展が決まりました。それ以降、私は日々考えてきました。
・生殖技術の進歩による新しい家族のあり方は?
・AIネイティブである自分の子供の未来は?
・どうやって赤ちゃんたちに多様性を教える?
・海外に住む観点から考える「日本らしさ」とはどういうことか?
自分の毎日の育児体験の中で自然と湧き上がるクィアとしての家族のあり方、日系2世との文化的な関わり方、育児と作家活動の両立の難しさが、展覧会の大事なテーマです。伝統と新しさのはざまで、アイデンティティや、労働の問題に複合的にアプローチしたいと考えています。例えば、乳幼児連れの来場者のための実用的なおむつ替え台が、日本館館内に実際に使用できるコンセプチュアル・アートとして設置されます。
赤ちゃんは、これからの世界を生きる可能性のかたまりです。2026年の日本館はこのような赤ちゃんが「生まれいづる場所」です。この映像作品を通して、皆さんにも感じてもらいたいです!
いま必要なことは?
今回の展示は、特定の場所(ヴェネチアの日本館)のために作られた作品ですが、その現地の状況や、パフォーマンスの様子が伝わるような映像作品を実現させたいです。現地に行けない方にも、ヴェネチアでの日本館の文脈を理解してもらい、「なるほど、こういうことか」と理解してもらいたい!過去に起こった出来事の記録映像に留まらない、新たな発見のある野心的な映像作品を想定しています。
このクラファンの目標金額は日本館70周年に合わせて7のつく700万円。現在交渉中の撮影コラボレーターが二人おり、私が想定している映像作品を作るのには最低限の金額としております。使用用途は以下を予定しております。
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荒川ナッシュ新作映像作品予算案
① プロダクション準備 (構成・リサーチ・コーディネート、現地通訳含む)
¥1,000,000
② 撮影費 (カメラマン・音響・現地スタッフ謝礼、機材レンタル、撮影保険)
¥2,000,000
③ 渡航・滞在費 (日本→ヴェネチア往復航空券×3名、宿泊x10〜12泊、現地交通費)
¥1,000,000
④ ポストプロダクション (編集、カラー、ミックス、字幕、音楽、データ変換)
¥1,500,000
⑤ コラボレーターへの謝金
¥1,000,000
⑥ その他・予備費(保険、グラフィック、通訳追加、輸送費、予備)
¥500,000
合計 ¥7,000,000
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今回の日本館の展示では、共同キュレーターを務める香港拠点の高橋瑞木さん、シンガポール拠点の堀川理沙さんを迎え、現在、毎日のように議論を交わしております。
この映像作品の実現とともに、日本館の未来をあなたと一緒に育てたい!
ぜひクラウドファンディングにご協力ください!


コレクターズサークルも応援
2026 年の日本館展示「草の赤ちゃん、月の赤ちゃん」を応援するコレクターズサークルを荻野いづみ氏、田中仁氏、福武英明氏、森京子氏、吉野誠一氏が発足しています。発起人代表である荻野いづみ氏は、このクラウドファンディングについて、以下のコメントを寄せています。
『アートには、国や文化を超えて“問い”を投げかける力があります。その力を未来へつなぐために、私たちは今、新たな挑戦をしています。
円安の影響による美術輸送費や渡航費、現地での滞在費の高騰など、さまざまな困難がある中でも、日本館は他国に劣らない表現とプログラムを実現しようとしています。ヴェネチア・ビエンナーレは、1895 年に始まった世界最古の国際美術展であり、“アートのオリンピック”とも称される、世界中の創造の力が集う舞台です。その日本館が、2026 年に設立70 年を迎えます。
今回の代表アーティストには荒川ナッシュ医さんを迎え、その挑戦を支えるキュレーターとして高橋瑞木さん、堀川理沙さんが伴走します。三人の創造の力が響き合うこのプロジェクトを、ぜひ多くの方々と共に育てていきたいと思います。美術の枠を越え、民間企業やアートファン、そしてこの想いに共感してくださる皆さまと共に、クラウドファンディングを通して、日本館の新たな一歩を支えていただけましたら幸いです。』
あたたかい応援ありがとうございます!

Ei Arakawa-Nash, Paintings Are Popstars, 2024, PHOTO: Shu Nakagawa
今後の予定:2026年春には8つのコラボーレーターが発表
来年の春は、開幕に向けて現在進行中の8つのコラボレーションを発表予定です。その中には、この映像作品の新情報も含まれます。
2026年日本館美術展インスタグラム (@japan_pavilion_vb2026) のフォローをお願いします!
それではもうすぐどこかで皆さんにお会いできることを楽しみにしております、ごきげんよう!
荒川ナッシュ医

UNIQLO Tate Play: Ei Arakawa’s Mega Please Draw Freely, 2021, Photo: Rikard Österlund
展覧会概要
【第 61 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館】
会期:2026 年 5 月 9 日(土)~11 月 22 日(日)
会場:日本館(ビエンナーレ会場 ジャルディーニ地区内)
出品作家:荒川ナッシュ医
共同キュレーター:
高橋瑞木(CHAT 香港紡織文化芸術館、館長/チーフ・キュレーター)
堀川理沙(シンガポール国立美術館、シニア・キュレーター/キュレトリアル&コレクション部門部長)主催/コミッショナー:国際交流基金日本館公式ウェブサイト:https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/
【第 61 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展】
会期:2026 年 5 月 9 日(土)〜11 月 22 日(日)
会場:ジャルディーニ地区(Giardini di Castello)、アルセナーレ地区(Arsenale)など
制作:ヴェネチア・ビエンナーレ財団
総合テーマ:In Minor Keys/イン・マイナー・キーズ
なお、ヴェネチア・ビエンナーレ財団は、第 61 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の総合ディレクターとしてコヨ・クオ氏(ツァイツ・アフリカ現代美術館エグゼクティブ・ディレクター/チーフ・キュレーター)を 2024 年 10 月に指名し、同氏は準備を始めておりましたが、2025 年 5 月に急逝されました。同財団はコヨ・クオ氏の遺族の協力のもと、同氏の選んだ総合テーマ、コンセプト、専門家とともに、第 61 回展を開催することを発表しました。詳細は以下のサイトをご参照ください。
https://www.labiennale.org/en/news/biennale-arte-2026-minor-keys
【コミッショナーについて】
第 61 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示の主催者/コミッショナーである「独立行政法人国際交流基金(JF)」は、世界の全地域において、総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関です。1972年に外務省所管の特殊法人として設立され、2003 年 10 月1日に独立行政法人となりました。海外に 25 か国・26 か所の拠点を持ち、「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ」をミッションに掲げ、世界の人々と日本の人々の間でお互いの理解を深めるため、さまざまな企画や情報提供を通じて人と人との交流をつくりだしています。

金額5,000円 | 在庫50 |

金額10,000円 | 在庫30 |

金額30,000円 | 在庫10 |

金額35,000円 | 在庫30 |

金額50,000円 | 在庫50 |

金額1,000,000円 | 在庫1 |

金額3,000円 |

金額5,000円 |

金額10,000円 |

金額100,000円 |

金額200,000円 |

金額300,000円 |

金額500,000円 |

金額800,000円 |

金額5,000円 | 在庫50 |

金額10,000円 | 在庫30 |

金額30,000円 | 在庫10 |

金額35,000円 | 在庫30 |

金額50,000円 | 在庫50 |

金額1,000,000円 | 在庫1 |

金額3,000円 |

金額5,000円 |

金額10,000円 |

金額100,000円 |

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金額500,000円 |

金額800,000円 |



