はじめに
NPO法人ASHAで活動しているゆかりです。
私ごとですが、今日6/16は、私の誕生日です。途上国の人々の健康に関わりたい——そんな思いから、昨年NPO法人ASHAの一員として活動を始めました。
現在はネパールの山あいの村で、コミュニティ・ヘルス・ワーカー(CHW)プロジェクトと新生児蘇生トレーニングプロジェクトの2つに携わっています。
ASHAとは
ASHAは、ネパールのへき地に暮らす人々が医療にアクセスできる社会を目指し、地域の力とデジタル技術を活かして、持続可能な保健医療体制の構築に取り組むNPO法人です。
活動の柱の一つが、地域住民から雇用した「コミュニティ・ヘルス・ワーカー(CHW)」の育成です。CHWは、体調のすぐれない住民に寄り添いながら定期的に訪問し、必要な医療につなぐ役割を担います。彼女たちは「健康」という目には見えないインフラを、地域のなかで静かに、そして着実に支えています。
さらに、医療機関への電子カルテ導入支援(NepalEHR)、赤ちゃんの命を守るための新生児蘇生トレーニング、応急処置教育など、多角的なアプローチで地域に根ざした健康づくりを進めています。
近年は、日本国内でもネパールでの仕組みを応用した地域見守り活動を開始。ASHAは「すべての人に健康を」という願いのもと、国や地域を越えて支援の輪を広げています。
命と向き合う原点
10年前、私はカンボジアでのボランティアを通じて、「幸せの形は人それぞれでも、命がなければ何も始まらない」と気づきました。その思いから看護師になり、今は日本で訪問看護の仕事をしながら、ASHAの活動に関わっています。
先日、訪問看護の仕事で患者さんのご自宅を訪れた際、ご本人はすでに息を引き取られていました。数日前から体調不良が明らかで、何度も受診をお勧めし、ご家族も病院に連れて行かれたものの、結果的に自宅でひっそりと息を引き取られました。ちょうど介護保険の制度が見直され、看護師の訪問頻度が減った直後の出来事でもあり、悔しさと無力感が強く残りました。
「自分ごと」としての国際協力
この出来事を通じて、私は日本でも「必要な人に支援が届かない現実」が確かに存在していることを突きつけられました。本来ならケアを受けられるはずの人が、制度のはざまで支援を受けられず、静かに命を落としてしまう。「誰かがきっと守ってくれるはず」という安心感が、もう当たり前ではないことを痛感しました。
この患者さんの死は、私にとって大きなショックでした。
心が折れそうになったとき、もう一度前を向くきっかけをくれたのが、ASHAでの活動でした。
ネパールのへき地で、CHWたちが誰かの命や暮らしを守ろうと懸命に活動する姿に触れるたびに、それは「遠くの誰か」ではなく、私たちが共有する社会のひと場面のように感じられるようになってきました。だからこそ、私はただ願うだけではなく、ネパールの人々の事を思い、手を動かし、できることを続けていきたいと思っています。
一見すると「他国のこと」と思われがちな国際協力ですが、それは決して無関係な話ではありません。医療や福祉の仕組みがすべての人に届く社会を目指すことは、ネパールの未来にも、日本の未来にもつながっている——私はそう信じています。
バースデードネーションを始めます
「誕生日を、誰かのための一日にできたらいいな」
そんな思いから、今年の誕生日にバースデードネーションを始めることにしました。いただいたご寄付は、CHWの活動支援や、新生児蘇生トレーニングに必要な教材・物資の整備、医療支援などに大切に活用させていただきます。あなたの“おめでとう”が誰かの笑顔に
プレゼントやお祝いの言葉の代わりに、
「誰かの健康を支える力」になっていただけたら嬉しいです。たった一人の行動でも、未来を変えるきっかけになると信じています。
どうか、あなたの“おめでとう”が、ネパールの誰かの笑顔につながりますように。