
「どうも、はじめましてと、お久しぶりです。仙台を拠点に、ずっと演劇を続けてきました、小濱昭博と申します。
実は私が初めてツアー公演で訪れた場所が、大阪のウィングフィールドでした。
仙台の劇場しか知らなかった私は、街中のしかも繁華街にこのぐらいのサイズの劇場があることに大変驚きました。
こんなアクセスしやすい場所に行劇場があったら、どんなに素敵なことだろうと思いながら、屋上にある楽屋や客席に寝袋を敷いて寝たこと(劇場泊について情報出して良い??)……不思議で楽しい経験の数々を今も鮮明に覚えています。
初めて印刷をしたのもコトリ会議さんの脚本です。
初めて脚本を読んだときにも、大変驚かせていただきました。同世代の作家が、こんな言葉を書いたのかと。どんな脳みそをしてたら、こんな風に言葉が出てくるんだろうと、その当時とても言語化が苦手だった私にとって、はとても衝撃的な思いでした。
どちらも、大阪という土地の懐の深さを感じさせてくれた出来事でした。
「初めてのことには思い出の補正がかかるものですが、それを差し引いても、この経験は特別なものとして残っています。」
今回のオーディションでは、多くの地域の方々に出会えました。
いろんな場所の演劇人の育った環境や、それぞれの現場や演劇との出会いのことを話しながら稽古を重ね、今、刺激的な空気の中創作を進めています。
きっと、良い時間になることでしょう。
本日の稽古では、あたたたかな北上の前半の動きの調整と衣装合わせをしました。
相変わらず一筋縄ではいかない山本ワールドに「ああでもない、あ、でも、こういうことかな?」と、時に迷いながら、時に思い切って冒険のように稽古をしています。
休憩を挟むたびに、「え、もうこんな時間?」とみんなで感想を言い合いながら、過ごした時間を振り返る稽古という時間は、はとても素敵な行為なのだと改めて実感させてもらいました。きっと、本番も、すぐにきてしまうのでしょう。子供の頃の夏休みがすぐ終わってしまったかのように。
ぜひ劇場にお越しください。
そして時間があったら、賑やかな街に繰り出してお話ししましょう。
作品のことはもちろん、この劇場や街の演劇の歴史の中であったこと、あなたの人生と演劇について、いろいろやいのやいの言いながら、お話しできたら、こんなに嬉しいことはありません。」
小濱昭博
