★ このプロジェクトへの寄付には税の優遇措置が適用されます。
「やる」──やりつづけることでさらに動かす
「やる」は、これまでも多様な活動家や表現者と共に、空間の中で熱と衝動を爆発させてきました。そこでは「やる・見る・やる」の無限ループが生まれ、誰かの動きが誰かを刺激し、空間全体がひとつの生きもののように呼吸しはじめます。やる人の身体が動くたびに、その熱が他者へと伝わり、会場全体が一つの拍動のように脈打ちはじめるのです。
「やる」パフォーマンスには説明や文脈がありません。パフォーマーはただ“やりつづける”だけ。例えば、野菜を切る、服を畳む、花を植える──どれも日常では数秒で終わる行為ですが、これを何時間も繰り返したとき、行為は少しずつ変質します。手は痛み、体は疲れ、呼吸は乱れ、それでもなお“やりつづける”ことで、行為そのものが祈りや抵抗のような力を帯びていきます。普段見過ごされている「人が動くこと」そのものの強度が、目の前で立ち上がっていくのです。
やりつづける体温は周囲の身体を巻き込み、鼓舞し、空気を震わせます。観客との距離はほとんどなく、見ることとやることの境界がゆるやかに溶けていく。ただ見ているだけのはずの人も、いつのまにか「自分もなにかをやれるのでは」と感じはじめる。その瞬間、観客もまた「やる」の一部になるのです。誰かが動き、その動きが他の誰かを動かす。空間が呼吸をはじめ、世界が少しだけ変わっていく。私たちは、そんな“やる”の現場をこれからも育てていきます。
ここで行われる「やる」は、単なるパフォーマンスではありません。時間とともに風化していく建物と人間の関係を、身体を媒介に再構築する実験であり、また「共に在ること」そのものを守り直す行為です。やる人と見る人、空間と都市、過去と現在。そのすべての境界を一度溶かしながら、呼吸し続ける関係の場を立ち上げていきます。

このパフォーマンスは、アートプロジェクトMOTOKOLOGY 2025の一環として行われます。神戸・元町高架下という終わりへ向かう場所を舞台に、建築・身体・言葉・音を通して「生き続けるとはなにか」を問い直します。
未知の空間での長期的なリサーチと実験的な上演の実現には、皆さまからのお力添えが欠かせません。「やる」は、日々の動作や営みそのものを創造行為と捉え、空間と人とを結び直すために、研究・制作・リハーサル・記録・交流といった多角的な活動を展開しています。
私たちはこのプロジェクトを、創造面でも資金面でも限界への挑戦と位置づけています。
どうか、あなたの視線と支援のひとつひとつで、この“やる”の動きを共に支えてください。あなたの応援が、空間に新たな呼吸を吹き込む力になります。何卒、皆様からのご支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

今回「やる」がやるパフォーマンス『アジール!』とは
今回の「やる」のパフォーマンスは、神戸・元町高架下(通称モトコー)で行われます。
モトコロジープロジェクトの一環として、構成メンバーの鳴瀧が所属し、前川友萌香が暮らす合同会社廃屋/Bison Art Galleryの枠を拝借し、長期間にわたるパフォーマンスと展示のプロジェクトを展開します。
プロジェクトの名前に掲げる「アジール(Asyl)」とは、ドイツ語で聖域・自由領域・避難所・無縁所を意味する言葉です。創作にあたりリサーチで明らかになったのは、モトコーがまさにそのような「アジール」として、戦後の神戸において機能してきたという事実でした。
戦争によって共同体が崩壊し、物資の補給や法の整備が追いつかない中、人々は時には違法な手段を取りながらも主体的に生活を編み直していく必要がありました。そうして形成された闇市は人々の活気や競争、社会的弱者の保護の場としての役割を担い、「モトコー」として親しまれるようになりました。現在、モトコーは再開発により多くの店舗が閉じられ、「怖い場所」「暗い場所」として認識されつつありますが、彼らの生へのしなやかさと強かさは、港町神戸が持つ気品のある風景と地続きであることは間違いありません。

モトコーは2024年以降徐々に既存建物の解体が進んでおり、このMOTOKOLOGYプロジェクトが終了した2026年3月以降、再整備工事が本格化していきます。時間とともに風化していく建物があり、建物があることで風化せずにいられる記憶があります。その両方を引き受け、身体を介して過去のアジールの記憶を現在に呼び戻し、この場所にもう一度息を吹き込みます。私たちはこのパフォーマンスを通して、アジールが担ってきた“人が活力を取り戻す場”としての意味を身体・言葉・音・建築によって再構築し、未来へと継承するための「モトコーの往生」を設計します。
アジールは、「自分らしくいられる」ことよりもむしろ、「いつもの自分ではやらないことができる」「闘争心を持てる」「他者に気を配ることができる」ような場所だといえます。
以前、東京から来たあるアーティストが「神戸では、いつもだったらしないけど道のゴミを拾ってしまった」と話してくれました。他人や自分自身に対する偏見を越えて自然と動き出してしまう、そんなフラットな状態が立ち上げる人間的な関係は、とても美しいものです。「やる」は、そのような「初源的な美しさ」を創造しようとする試みでもあります。

今までやったこと
■『アジト蘇生』
2025/7/26 @Bison Ajito(神戸) 俳句|岩田奎
パフォーマンス|芳賀 菜々花
音楽|Hyozo
ダンス|前川友萌香
空間演出|HEART Beat Session
俳句印刷|堀雅紀
映像|日聖翼
プロデュース・音楽|鳴瀧
映像撮影・編集|廣瀬十創
記録|髙橋遥、Shen Jun Han
マスター|神谷勇希
アジトの掃除|西村組のみなさま
企画・制作|前川友萌香 月刊家賃企画
全面協力|バイソン住民
主催|廃屋グループ

■『蘇生:録画』
2025/9/13 @BUoY (東京)
Performance|Nanaha Haga
Music|Hyozo
Dance| Naoto Hatori, Tomoka Maekawa
Scenography|HEART Beat Session
Video|Tsubasa Hijiri, Nagasena
Planning and Production|Tomoka Maekawa, Narthaki
・https://youtu.be/KwvfE-noCm0
・https://youtu.be/mQxDThZrfiY

合同会社廃屋とは
神戸・梅元町にある“廃屋”を創造の場として再生する建築・芸術集団。
建築家・西村周治を中心に2020年に設立され、国内外のアーティストと共に生活し、表現を育むレジデンス「Baison Gallery」を運営しています。合同会社廃屋は、「やる」の構成メンバー鳴瀧が所属し、前川友萌香が住人として暮らす場所でもあります。今回合同会社廃屋/Bison Art Galleryの枠を拝借し、長期間にわたるパフォーマンスと展示のプロジェクトを展開します。

アートプロジェクトMOTOKOLOGYとは
MOTOKOLOGY(モトコロジー)は、神戸・元町高架下(通称モトコー)を舞台に、アートを通してこの場所の記憶と生態を掘り起こすプロジェクトです。
戦後の闇市から自然発生的に生まれ、震災をも生き延びたモトコーは、長い時間を経て再開発の波に直面しています。
その「終わりゆく」時間をただ見送るのではなく、もう一度“生きる”ための試みとして、建築・美術・身体表現など多様なアプローチで空間を再解釈。都市の縁に息づく人やもの、記憶をつなぎ直しながら、新たな文化的循環=モトコロジーを生み出します。
プロジェクトの概要
■アートコレクティブ名:やる  やるHPhttps://scrapbox.io/yr/
■上演作品名:アジール!
■日程:2025年12月6日(土)- 2026年3月20日(金)
■会場:元町高架下
[タイムテーブル]
2025年12月6日(土)15:00
2025年12月28日(日)18:00-19:30
2026年1月12日(月)15:00
2026年1月25日(日)18:00
2026年2月11日(水)18:00
2026年2月23日(土)15:00
2026年3月7日(火)15:00
2026年3月20日(金)15:00
※受付開始及び開場は開演の20分前を予定しております。
※上演時間は各回バラバラで約60分から約180分を想定して制作しております。(2025年10月28日時点)
[チケット]
当日券:2345円(釣銭なし) 全席自由席 
[関連イベント]
■ゲリラアジール!
やるのメンバーがゲリラ的にシャッターを開けてパフォーマンスを行います。
[クレジット]
出演|岩田奎、前川友萌香など
空間演出|Nagasena、日聖翼、鳴瀧
プロデュース|鳴瀧
構成|岩田奎
制作|前川友萌香
助成|アーツサポート関西
協力|合同会社廃屋、MOTOKOLOGY 2025
主催|やる

寄付金のつかいみち
みなさまからお寄せいただいた寄付は、今回の『アジール!』上演にむけて必要となる、スタッフ人件費、機材購入・レンタル費、システム開発費、交通費、印刷費などの費用に充当させてていただきます。
最後に
「やる」の参加者は、それぞれが一つの動作をやり続けることで、モトコーという空間の一部となり、呼吸し、鼓動を共有します。この試みは、コロナ以降にあらためて問われている “共にいること” “共に考えること” に、新たな身体的な実感をもたらします。壊れゆく場所で、それでも「やる」ことを選びつづける。その繰り返しの中で、空間と身体が再び出会い、時間が静かに息を吹き返していきます。
観客もまた、その鼓動を受け取る存在です。見つめ、立ち止まり、ときに一緒に呼吸しながら、きっとなにかを“やりたくてうずうずしてくる”でしょう。
それでいい。
「やる」は、そうして世界のどこかを、もう一度動かしていくための小さな装置なのです。
神戸・元町高架下という、終わりゆく空間に命を吹き込むこのプロジェクトを、どうか見届けてください。あなたの時間や視線、そして支援のひとつひとつが、「やる」の血流を流しつづけます。
この場所で、もう一度、“やる”ことから始めましょう。

このプロジェクトに寄付をすると税の優遇措置が受けられます
アーツサポート関西は公益財団法人関西・大阪21世紀協会が行う取り組みであるため、このプロジェクトに寄付をいただくと税の優遇措置が適用されます。個人と法人のいずれにも適用されます。たとえば個人が3万円を寄付して「税額控除方式」で税金の還付を受ける場合、11,200円が寄付者に戻ってきます。詳しくはこちらをご参照ください。

寄付をしていただく際にご確認いただきたいこと
■このプロジェクトは、アーツサポート関西の2025年度公募助成で選ばれた団体が行う活動です
■いただいた寄付は、公益財団法人関西・大阪21世紀協会への寄付となり、税の優遇措置が受けられます。詳しくはアーツサポート関西ホームぺージ「税の優遇措置について」をご覧ください。
■プロジェクトを行う団体には、いただいた寄付から必要経費10%を控除した金額をアーツサポート関西から助成金として支払います。クレジットカードをご利用の場合はカード手数料分も控除されます。
■プロジェクトが目標額に達しない場合でも集まった寄付金を助成金として支払います。それにより事業規模が縮小されることがありますので、予めご了承ください。
■やむを得ない事情により、プロジェクトが中止となった場合、寄付金は返金せず、アーツサポート関西が行うほかの芸術・文化支援活動に活用します。
■寄付者のご連絡先については、当方の個人情報保護の基本方針に則り、プロジェクトを行う団体からのお礼のお手紙やメール等をお送りするため、当方から団体にお伝えさせていただきます。プロジェクト団体へのご連絡先の開示を希望されない場合は、寄付申込みページの備考欄に「個人情報の共同利用不可」とご記入いただきますようお願いいたします。








