第63回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・松原俊太郎氏と、これからの演劇界を担う若手として注目される舞台作家・小野彩加と中澤陽の二人によるスペースノットブランクが京都に集まり、コミュニケーションを主軸とした新しい舞台芸術創造の価値を探究します。
これまでも、それぞれ大きく異なる形態を実践しながら、戯曲と上演の関係性を探究し続けてきた両者。今回は「戯曲の執筆」と「上演の構築」の二つの創造行為を同時進行させることを試みます。舞台芸術創造に於ける「劇作家」「演出家」「出演者」という、それぞれの「関係性」の再構築に挑戦する今回のプロジェクトの果ての上演は、観客の皆様の既知と、誰も見たことのない未知との間を、軽やかに往還するような公演となるでしょう。
この度、その実現に向けてクラウドファンディングにチャンレジさせていただくこととなりました。何卒、皆様からご支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。
2023-10-25 12:50
劇作家・演出家・俳優の松井周さんより応援メッセージをいただきました。

クラウドファンディングの実施にあたり、これまでにスペースノットブランクの上演をご覧いただいたことのある、サンプル/劇作家・演出家・俳優の松井周さんより応援メッセージをいただきました。
スペースノットブランク(小野彩加 中澤陽)の作品を観ていると、身体が楽になる。「あ、まだまだやりようがあるんだ」という気付きがある。好奇心を丹念に形にしていけば表現がうまれると信じられる。素材を過度に盛ったり削ったりすることもなく、方法を吟味し、運動が起き、熱と形が生じてくる。
そんなプロセスを経ているのかなと想像した。なんというか、作品を観るのと同時にメイキングを味わっているようで得した気分になる。題材や上演場所が違ってもそれは同じで、終演後にまた振り返りたくなる、今自分は何を体験したのかと。
こういう贅沢を保証してくれるスペースノットブランクを応援しています。
このユニット名こそまさに、口にした後にメイキングを思い浮かべるわけで、本当に一貫しているなと驚きます。
サンプル/劇作家・演出家・俳優
松井周 Shu Matsui
劇作家・演出家・俳優。1972年東京都出身。明治学院大学演劇研究会で寺山修司や唐十郎のアングラ演劇に影響を受けたが、平田オリザの現代口語演劇と出会ったことをきっかけに、1996年に劇団青年団入団。2007年に劇団[サンプル]を結成、青年団から独立。2010年にニューヨークタイムズで「日本における最も重要な演出家の一人」と紹介された。2011年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。伊、仏、米、台湾に続き韓国では2020年から3戯曲が翻訳上演されるなど、国内外から評価を受けている。