コミュニティワーク研究実践センター

学生向けユースサポートハウスサポーター募集~住まいが支える学びの継続~

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学生向けユースサポートハウスでは、家族からのDV、虐待、金銭搾取などを背景に、自宅からの避難が必要な大学生や専門学校生が、学校を辞めることなく学業が継続できることを応援しています。 具体的には、学生向けの緊急避難スペース「ゆるび」と学校卒業まで暮らすことのできる場、シェアハウス「オーブ」を設置し、緊急避難からその後の学校生活を支える住まいを提供しています。  学業を続けるためには、学校までの交通費、食費、衣類、そして新生活の準備など、さまざまな側面からの支援が求められています。これまで、出会った学生は切迫した状況の中、避難をしてくるため、着の身着のまま避難してきました。  今後さらに多くの相談が来ることが予想される中で、新たなスペースの確保や学業を継続しながら生活を安定させるための取り組みは急務と考えています。この取り組みに共感し、力を貸していただける方を募集しています。寄付というかたちで、学生の未来を一緒に支えていきませんか?
2026-04-10 18:50
大学関係者向け座談会
学生向けユースサポートハウスをスタートさせた、2024年度に、中央共同募金会の「居場所を失った人への緊急活動応援助成 第9回助成」の助成を受け、様々な理由で親や家族を頼ることが難しい若者に対し、安心して暮らすことのできる暮らしを提供するとともに、その実践や当事者や関係者のヒアリング通じて、若者期の「親の役割」を具体化し、「親の機能をどう社会化(仕組化)」するべきか提言するための事業を実施しました。その中で、大学の先生にヒアリング(座談会)を実施しました。 どうしてこの活動が必要なのか?学校側からみたリアルがわかると思います。

(インタビュア)こういう学生がいて、学校としてどんな対応をされているか、というところから入っていきたいと思いま。学生対応の事例の話をお願いできますか。

(B)一番対応に困ったのが、父親が手を上げる家。家に帰りたくないという学生で、金銭的には割と余裕がありましたが、帰ると痣ができ、顔に痣ができたときは転んだと言っていましたが、帰れなくなりました。友人の家を転々として、急に大学に来た時があって。話は聞いたけどもどうしたらいいのかっていうことがありました。サポートセンターの方に相談しましたが、保護者の経済状態がいいため、奨学金を取って家を出ることもできず、アルバイトをしながらだと、大学は続けられず、結局殴られないように父親と生活時間帯をずらして家に帰る生活をしました。本人の体調はボロボロの状態で、補講やカバーアップっていうのも行うこともしました。卒業し、就職もできてこれで多分大丈夫だと思ったんですけど。この後、心を病んでしまい、しばらく連絡が取れなくなってしまったっていうケースが一番困りました。どうしてあげたらいいのかわからないし、どんな制度を使ってもどうにもならないってなったときには、どうしたらいいのだろう。家に余裕があったケースでもう一つは、遠くに実家があって、家賃が払えなくなって、親からの仕送りが止まって授業料だけは振り込まれているっていう状態です。本人から連絡しても親には連絡がつかなくなって、夜のお仕事を始めましたが、学校にほとんど通えなくなってしまいました。こちらも親御さんに連絡が取れないし、授業料は支払われているのでどうすることもできなくて。結局本人は夜間のアルバイトで、始発までの間、休憩室で仮眠をとるような生活をして、昼間、保健室で寝ているっていうようなこともあって。卒業はしましたが、就職活動する余裕もなくて。スーツとか買えるような状態ではなかったので。卒業してから、どうなったのとかはわからない。ぎりぎり続けられたのは、授業料は払ってもらえたからです。授業料の猶予は、ギリギリまで待ってくれますよね。その間に自分でお金を借りて、工面をしたって聞いてます。

(インタビュア)家族は授業料と大学続ける部分の手当てはしているということですね。もちろん、いろいろな課題があるんですけれども、例えば経済的なところで、親からの仕送りや学費の納入ができないような状態で卒業もできないような事例とかあったりしますか。

(A)学費未納の学生さんは本学でも、年間何人か、いらっしゃいます。家庭がすべて親との関係が不調なのかって言ったら、決してそういうわけでもなく。もちろん不調のケースもありますし、不調じゃないケースもありますので、様々です。学費の苦労は親との関係に関係なく苦労されているケースは散見されるかなと思います。

(インタビュア)家族関係とは別で、経済的な部分で親自身がそういう風にできないという場合もあるんですか。

(A)奨学金を親御さん側の生活費にまわさざるを得ない状況で、学費が未納になってしまうということもありますね。

(B)そのようなケースは、結構数もあり、最後の顔合わせでわかって、学科長と担当だけ情報が入るので、知ってる先生もいれば、知らない先生もたくさんいるというのは温度差を感じることが少なくないですね。

(A)センシティブな情報だっていうのもあるので、対応が難しいというのもあります。

(インタビュア)学校側で手立てがあったりしますか。

(A)学費系はごめんなさい。僕が直接対応したことは無いので、学生部の先生方に繋いで、そちらで個別面談してっていうようなところまでしか僕はわからないですね、

(C)うちは学生支援の体制がかなりできている大学なので、大学の相談の窓口に行って、大学が組織的に対応している学生が一定数います。学生の面倒をきちっとみるという意識の教員が多いので、ゼミの先生ごとに抱えているケースというのもそれなりの数あります。

場合によっては、サポートセンターとゼミ担任が協力して対応するという形にして、ある程度枠組みがあり、システム的にはできていますが、それですべての問題に対応できるかというと、そうでもないという状況です。事務方が非常に学生に寄り添って仕事をしてくださる。

学生たちはサポートセンターとゼミ担任と同じくらいの割合で事務に相談します。事務の方が保護者と折衝してくれたりもします。困った学生が接触できるところが三つあるということですよね。だから引っかかりはする。引っかかりやすいが、奨学金が切れて生活費が無いというのに対してどうこうできる仕組みそのものはないので。対応できるケースと対応できないケースに分かれるかなと思います。

(B)授業料の支払いを保留にして貰えるっていうことが、あんまり公式のルールじゃないのかなって思っている部分があって、実はこれ本当にいいのかわかってないから微妙なんですけど。二年生の秋学期になった時に半期分しか納めていなかった学生がいました。12月くらいに学科長を通して150万以上を残りの期間で納めないと卒業ができないことを担当教員にだけ共有されたケースがありました。会計課がおうちの方とやり取りをして、何月までにいくら、何月までにいくらって分割で支払う計画で、それが滞ると電話してくれました。卒業式の当日の朝に、全額が振り込まれてなんとかなりましたが、最後の最後まで本人はそれを知らなかった。卒業発表のときに納めていない部分があるから、卒業発表に名前が無い。その日までには間に合わないけど、卒業式までには大丈夫って、親に言われていたんです。親が消費者金融で借金をして、間に合わせたっていう話を聞いていますが、本人はなんにも知らないと思います。

(インタビュア)生活全般の話っていうのはなかなか難しいかなと思っています。どうですか?

(A)教員が学生の話は聞いていて。ゼミだからとか担任だからっていうのは関係なく、相談しやすい教員のところに学生さんが相談するようなことはありますね。できる、できないという部分はどうしても出てくるかなとは思います。

(インタビュア)家族関係がこじれている学生がいて、親とうまくコミュニケーションが取れない中で、学業不振だったり出席がおぼつかなかったりっていうようなことになると。学校として、保護者に状況説明や保護者を通して大学に行くように働きかけをするべきじゃないかという話と、親との関係がこじれている学生の場合はむしろ追い詰められちゃうっていうようなことがあり得るのかなと。例えばそういうのを他の機関を通して何か対応しているとかあったりするものですか。

(C)基本的にはメンタルでしんどい学生は相談室というところにカウンセラーが何人もいるので。学生たちは相談室で、日常的なカウンセリングをうけています。あとは担当の先生と話をしながら状況を確認しているケースもありますし、ケースによっては精神科ともつながっているので。精神科に通院をさせて、教員も診察に同席してという場合もあります。

医者と大学と学生の間で話をしながら、治療を続けながら、学生生活をどうするかというような対応をするケースもあります。

(インタビュア)親、家族との接点を持ったりする場合はありますか。

(C)家族とは面談をしたり、電話で相談したりすることももちろんあります。ケースバイケースです。家族と話ができるケースはするし、本人が望んでいなかったり、家族を巻き込むことで本人がしんどくなるケースだとそれはしないです。

(A)通院同行をするといったときに、特に親御さんとの関係が不調なケースを想定しています。端的に言えば親御さんからクレームになってしまうだとか、勝手に何させてくれてるんだとか。メンタル系のクリニックってまだまだ誤解が生じやすいところもあるので。

20歳を超えている、成人を超えている、18歳を超えているとはいえ、勝手に大学が動いてけしからんみたいなことにはなったりはしないんですかね?

(C)基本的には学生本人が受診したいっていうから、これに紹介して付き添ったということなので、我々が行きなさいと言って行かせたりしたわけではないので。親御さんからそういう話があった場合は、ご本人がそういう意思を示されたので、紹介して一人じゃ不安だということなので、同行していますというのが基本です。親からクレームがつくというか、クレームがついても別にどうということは無いので、あまり気にせずにいます。ただ一定期間入院が必要なケースや頻繁に不安定状態が高すぎて外に飛び出して大騒ぎしたりするような学生もいます。そうすると救急搬送されたりします。そうすると親のところには、当然連絡が行きます。そうなると逆に親御さんもびっくりするから。遠く離れて学生生活をしている子供の様子を大学と協力しながら見守らなくちゃみたいに意識が変わっていく場合もあり、そう思ってもらえるように話はするので。いずれかの段階で保護者に学生を支える側に立ってもらいます。

(A)。今までで一番困ったのが、自分が明らかにおかしいと思っている症状があるのに、カウンセリングや病院にいくことを親にきつく止められていて、行こうとしたら叩かれるとか家から出してもらえなくなるっていう相談でした。どうしたらいいかというと、どうにもならないです。そんなことを言ってくる大学はやめなさいとか。そういうことになってしまって。学校に通えなくなるから、親には言えないけど、病院行きたいみたいなケースです。こっそり行くわけにもいかなくて、困ったことがあります。

(A)事務方のバックアップがあるのは心強いなって思いますね。学生にとっても選択肢が3つあるということですけども、教員にとっても自分以外の選択肢が2つあるっていうところは、学生さんの対応をしてくときに手札があるっていう強さがあって。余裕をもって対応できるなっていうのはお話を伺っていて思いました。それが大学全体の雰囲気としてあるっていうのはいいなあと思いますね。話を聞いているときに、どうコンセンサス取ればいいんだろうかというところは、頭の片隅にどんどん浮かんでくるので。組織的というよりは個別対応の応用編がいっぱいあるっていう感じなので、計算が立たないといいますか、この個別対応はどうしたらいいんだろうっていうところで、まず自分が悩まなければいけないというところがあります。枠組みがしっかりしてるというのは強みだなと思いますし。

(B)進学って贅沢品なのか、それとも学生本人が自活して生きていくために必須の物なのかっていうところが今すごく難しいんじゃないかなと思っていて。生活保護を受けながら、その世帯で大学進学はできないけど、世帯分離をすると進学ができるっていうケースをうちの学校では取り扱ったことがあるのをちょっと知っていて。お金が無理だったら、辞めて自分で働いてから来なさいって思っている先生方も多いなとは思って。その感覚ってまだすごく強いかもしれないです。心身の状態も、いったんお休みして万全になって健康になって、通えるようになってから通いなさいという対応が今まですごく多かったです。

それが大学の方針なのか、たまたま対応した人の上にいた人の方針なのかはなんとも言えないなと思っています。そのセクションを管轄する人によって変わるんじゃないかなって。それってすごい、不安定ですよね。大学の方針があるなら良いんですが、方針が贅沢品だから状況を整えてから来なさいに決まってしまったら、私たちはもう動くこともできないだろうなって思って。なんかグレーゾーンのままでも、いいかなっていう気も今はします。

(インタビュア)全般的な傾向かはわからないですが、大学進学に、社会的養護の経験がある子供たち、あるいは低所得世帯の子供たちに、(学費の)無償化で進学の道が開けてきた中で、学力とセットだったりするというか、成績がある程度ないとその保証が付かない。アルバイトをしながら生活費をなんとか工面してってことと、成績の両立が難しかったり、

家庭環境が複雑でサポートを受けられなくて学費を工面するのが難しいケースがここ数年で増えてきているような、印象はいかがですか。

(A)社会的養護の部分に関しては、奨学金が幾分か給付型で出るようにはなってきましたが、劇的に進学率が上がっているのかといえば、児童養護施設から大学への進学率は20%程度なので。改善はしてきているけど、劇的なものではない。そして、社会的養護出身の学生のデータとして中退率が非常に高い。文科省調べで一般大学生が1.9%のところが17%であったりとか、データの取り方によっては27%であったりとか。データの取り方が一緒じゃないので、単純な比較にはならないんですけれども、やはり中退率が高いというところは出てきています。社会的養護が関わってきた子供たち、学生さんであったとしても、措置解除をされてアフターケアが機能しなかったら実質社会的養護と繋がっていない若者ということになります。単純に社会的養護の出身か否かというところでは測れないかなと思っています。中退を防ぐためのチームというものはある程度必要なのかなと思いますし、そのスキームの応用が社会的養護経験のない学生さんたちにも活用できないのかな、というところが今後の大きな課題になっていくのではないかと思っています。

親との関係の不調という部分で、例えば15コマの授業だったら5回欠席したら失格になってしまって、(単位認定)試験も受けられなくなってしまいます。必修科目で3回休んだら本人に連絡を直接取る。4回目になったら親御さんを含めた保証人であったりとか、お家の人に連絡をして、こういう状況なので心配ですよってお声がけしてくださいというようなことをします。5回目で本当にアウトになってしまうので、その間までに学内で(該当の)学生を見つけたら声をかけに行くし、あの授業は、出てるはずだからっていうことだったら教室の前で待って声掛けに行くようなこともしつつ、親御さんにも連絡とってということをやってはいるんですよね。それはどの学生にもやっています。計画的に休む学生もいるので、計画的なので大丈夫です、って言われて、親に連絡しないでくださいよ、とか言われちゃったりもするんだけども。その中で親御さんとの関係が不調であったりだとか、形だけ保証人が必要だから名前だけ貸してますよというようなケースの場合、連絡を取ることによってより不調になってしまうということもあります。ルールとしては、連絡しましょうってなっているので、教員としてはジレンマに悩まされることもあります。学生さんと個人のコミュニケーションがとれていて、いろいろ事情がわかっているとしたら、直接学生さんに言うことでフォローはできます。増えているかどうかという質問に戻ってしまえば、体感的な部分では増えてきているんじゃないのかなという。いわゆるヘリコプターペアレントという、親御さんとしては良かれと思ってやっていることが、学生さんにとってはもうしんどいっていうことになっていたりすることもあると思います。大学の欠席数が増え、ご本人と面談したら、ヤングケアラー状態になっていたというのはあります。あとは精神的な不調を抱えている学生も増えていると思います。

(B)明らかに増えていると思います。短大は2年で終わるので、2年だったらなんとか耐えられるかもしれないぞ、みたいなのが。資格ちゃんと取るところだったらそういう方向に進みたい人しか入ってこないと思うんですけど。短大はここ5年くらい、片親かつ、それが母親っていうケースが多くて、そういう学生の多くが冗談のような額の奨学金を借りているケース。本当に返せるのかっていうね。授業料が足りなくなっているっていうようなケースが、数として増えているというよりは、割合が増えているなという風に感じるケースが多いです。親も多分2年くらいだったらなんとかできるかなって思って。

親に連絡をすると、親は子供に言わないでくださいって言うし。子供も親に連絡したら辞めさせられちゃうから先生言わないでって。学校に来れないなら、辞めざる得ないよねって、話になった時に、私は勉強続けたいんですって。じゃあ学校来ればいいじゃんね。でもこんなんだったら、お母さんに言わなきゃいけないなって脅している感じになって。蓋を開けてみたらその子はちょっと発達障害気味で、コントロールが全然できなくて、親も全然気が付いていなかった、というケースもあって。教員もどこまで口出ししていいかっていうのは、義務教育でもないし、正直つらいところだなと思ってはいます。バランスが取れない学生やコントロールができない学生、さらにそれをコントロールできない親がちょっと増えてるという感覚はあります。

(C)教員経験からして増えたというよりは、もともとそういう人たちがたくさんいたところで仕事をしてきたかなというのが、私自身の経験というところなのですけど。

ただ、大学全体としてはおそらくメンタルの課題を抱えていたり、発達の課題を抱えていたり。不登校経験をして、オルタナティブスクールを経て大学に来た学生の総数というか、割合というのは増えていると思います。あと児童養護施設の出身の学生さんは、出身情報が教員のところに来ないんです。どの学生がどういう出自ですよっていう情報は一切来ないので、私たちも知ることはできないです。ただ、うちの大学は丁寧に学生たちと関わるんで、その中で大体の状況を把握していきます。そういう点でいくと、施設出身の学生はちょっと増えていると思います。積極的に大学進学をさせようというふうに施設の対応としてやっているところもいくつかあるので。そういう大学進学を後押しをしている児童養護施設から来る学生さんの数はやっぱり増えていると思います。今まで学年1人だったのが3人くらいになっているかな、という印象はありますけどね。

(インタビュア)家族関係もありながら、経済的な問題に対して、学校が打つ手がなかなかないのかなと思いますが、そのあたりはいかがですか。

(B)お金の問題は、難しいですよね。お金の余裕がないんだったら休学しなさいって。お金が貯まったら復学しなさいって。何年までは休学できるという話はしますが、じゃあ休学期間どうやってお金を貯めたりするのかなっていう、アドバイスまではほとんどしていないと思っていいます。逆に本人から家にも帰れないし、どうしたらいいですか、って言われたときに、家賃の安いエリアとか、夜に傾きすぎないでできるお給料の高いお仕事とかなんかないのって聞いたり、住み込みのところがないかとかを一緒に探したっていう経験はあります。住み込みのところを見つけて、でも結局戻ってくるほどは貯まらなくて。この仕事で生きていけるってわかったからやめますってなっちゃいました。家と関われない状態になっている学生に休学はさせるけど、その後どうしたらいいか、考えなさいって言うのは簡単ですが、すごく責任が重いから、おいそれと手を出せないことで。

(インタビュア)学科としてとか、学校組織としての対応っていうのはほとんどないのかなと思います。

(B)そこまでは手を出すなっていう雰囲気があるような気がします。

(A)休学のサジェストするときにしんどいなと思うのが、奨学金を借りている場合。

奨学金は基本的に4年間分しか想定していないものが多いので、結局1年分奨学金なしでやらなきゃいけないって言ったら。余計苦しくなっちゃうだけで。やはり戻りづらくなってしまうというのはケースとしてありますし、ただの一回も失敗ができないというところは、矛盾を感じるというか。例えば意図的に一年休学をして、海外に留学するとか、調査をしっかりしないかっていうような学生さんと比較したときに、そういうチャンスすらも得られないのかっていうところはあります。しんどい学生さんだけじゃなく、前向きに学業に取り組んでいるけれど奨学金を借りてきている学生さんが半数近くいるので。これは新たな格差になっていくのではないかと思ったりしています。どんな支援が必要なのかという話で言えば、社会的養護経験のケースに関しては、いかに社会的養護のアフターケアと連携をスムーズにするのかっていうところです。大学側も突然連絡が来ても個人情報なんて言えませんというところで終わってしまうだろうということが想定できます。そうであればそういったスキームを作っちゃいましょうっていうところで。作って連絡が取れるというか、事前に(事情が)わかっているケースに関しては、入学前からコミュニケーションを取るように、学生さんもしっかり間に入れて。施設であれば自立支援担当の職員も一緒に入れて、リービングケアやアフターケアと一緒にやっていきましょう、ということで取り組んでいます。コミュニケーションは取るようにはしています。それでも情報が来ないことがあります。

当事者の方は、社会的養護のことを知らない人に一から説明するのはしんどいですね。まあ、先行研究でもいろいろ出てくるところなので、じゃあそこは僕がアドボカシーするよ、代弁するよ、っていう役割を担ってきました。これって社会的養護の子供たちだけじゃないだろうなと推察していて、家庭環境にしんどさを抱えている方。ギリギリの状態で、生活保護や家庭で世帯分離をして進学してきている方、親との関係が悪い方やヤングケアラーの方。

あらゆる人が一から説明するしんどさというものはきっとあるだろうと思うので、そこを代弁する、そういう機能が学内か学外か、どちらにせよあったほうがいいんじゃないかと思います。

(インタビュア)大学生が家族を頼れないときに、その後ろ盾が生活困窮者支援団体であるとなると、大学側もピンとこないというところもある。

(B)学生がそういうところを利用して通学していることもなかなか想像されないことでもあるのかなと。特に私大だとよりお金がかかるから。そういうところの子は多分来ないだろうと思っていると思います。

(インタビュア)学生の学業を続ける難しさの状況把握は一体どこに当たったらいいですか?

(B)大学全体の方針がそういう方向になっている大学は、どこかの窓口に行けばわかるところはわかると思います。

(C)メンタル系の学生の統計とか、情報は相当あります。障害学生系の状況とかニーズは把握する。そういう情報も多分沢山あると思います。整っている部分はありますが、今日の話の様なトータルとして学業継続の難しさを抱えている学生みたいなのをターゲットにして情報を集めることはやっていないし、どこでもやってないと思います。

だから今もしやるとすれば、ここにいらっしゃる先生方のようにある程度そういう対応の経験があったり、枠組みを作ろうとしていらっしゃるような先生から、まず話を聞くということでしか最初の情報を集めるのは難しいと思います。結局、大学が組織として現状どこも対応できないわけですよ。だから情報も集められないし、窓口にもなれない。これをうまく機能させようと思ったら、大学の側にカレッジソーシャルワーカーみたいなものを仕組みとして持っているところがいくつかありますから、そういうところだと情報を取れると思うんですよね。情報を聞くことと、それからやっぱりこの仕組みを進めていこうと思うと、大学側に窓口になるような専門職のカレッジソーシャルワーカーみたいなものを正規の職務として配置していくみたいなことがないと多分進みませんよね。

(B)学業継続が難しい理由とか、中退した理由を外部組織が聞いてしまうと、表向きは進路変更とか書いてくるけど、裏に違う事情があったというのは多分拾い上げることができなくて。進路変更の数だけであれば、その数でも十分いいっていうのであればこの数字は全部把握していると思いますが、そういうことじゃないだろうなと思ったので。それはすごく難しいところかな。

(インタビュア)高校の先生も近い話をしていました。だから高校、大学、たぶん専門学校とかも含めて、現場でかかわった先生とかは言っていますが、数字としては出てこない。

(A)中退理由に関しては、それこそ奨学金を借りてきている学生さんにとっては結構センシティブな問題ですよね。単純に学力不振ということになったら、奨学金を返しなさいというお達しが来る可能性があるので、そうならない方向を考えなきゃいけない。

そうなったときに例えば精神的な疾患があるので続けられませんでした、っていうような合理的な理由をあえて出してくる可能性もあると思います。そして非常にバイアスのかかった中退理由が出てきます。例えば経済的困難が実際あったとしても、奨学金を借りてるのに、何故、経済的に困難ですかというようなところは、主たる理由にしづらいというのもあると思います。奨学金を親のパチンコで使い込んだっていうケースだときっと返せってことになっちゃう。社会的養護の方の調査ですが、児童養護施設出身学生の学生支援に関する調査というものを上田先生という方がされていて、これは2020年に取られています。この方は学生支援課学生部宛に調査票を郵送しています。全国の大学、国公立私立に全部お送りしていて。結局653校に郵送したうち、回収が131校。回収率20%です。これくらいを見込んで送ってみるかですね。

(インタビュア)さっきのお話の中で、通常の家庭にいらっしゃる子に比べて、児童養護施設の人たちって、中退率が十倍くらいの数字だったと思うんですよね。その中でアフターフォローの話をされていて、施設を出た後のアフターフォローって結構充実しているのかなと思っていましたが、課題はどんなところですか?

(B)国の調査が、結局その調査が行入りましたが、施設だとか里親さんを通じて今繋がっている人たちにこの調査票を出してくださいっていう調査実態です。繋がっていない人たちはもっといっぱいいます。3年たったら関係が継続できてないという割合、(正確な)数字をちょっと今すぐ思い出せませんが、かなりの割合であります。それはいろんな理由があって、児童養護施設などを僕がインタビュー調査した中でも、もう関わりたくないっていう方もいれば、施設の職員、里親さん双方忙しいから、今いる子供たちの支援の邪魔になりたくない。自分の困難な部分は相談したくない。里親さん出身の子でしたが、やっぱりいい姿を見せたいみたいな。だから困った姿を見せたくないという話をします。施設には感謝しているのだけれども、僕にとっては忘れたい歴史だという方もいらっしゃったりしました。だから良好じゃないから施設に相談できないというわけでもなく、本当に施設との関係が悪くて、もう会いたくないというのもある。プラスして北海道特有の課題として広い訳ですよね。道東方面の施設に入所していた子が、北海道はどうしても進学先が札幌圏に集中しており、みんな移動してくるわけです。今の生活で何か困りましたっていったときに、アフターケアで出身施設に頼りましょうとなっても、そこに行くのに何時間もかかるってなったら丁寧なケアがやりたくてもできないというようなものもあるし。

札幌の地域資源がわからなかったら助言のしようもないという。(例えば)我々が釧路に何がありますかって聞かれても、和商市場くらいの感覚で。支援をしようとしても何もできない。やっぱり自分で何とかしなきゃってなる。措置延長という制度はありますが、(利用割合の調査を)北海道でとっているのかな、わからないですけれども。僕が出会っている当事者たちは少なくとも、もう施設を出たいと。だから、国は今年の4月からの改正で自立援助ホームを長く使えるようにするだとか、出戻りオッケーにするという枠は作っていますが、僕が出会っている当事者たちはどう考えても利用しないだろうなと思います。早く施設から出て自由になりたい、一人暮らしをしたいっていうニーズのある子たちが、施設を継続しましょうとか。大人の感覚で行けばそのほうがいいに決まっていますが、フォローも充実するし。でも当事者になったらやっぱり一人暮らしをしたいよ、とか。今からまた新しい施設に行くのは嫌ですよっていう。そこでまたゼロから関係作るなんてすごく嫌です、ということになる方との出会いのほうが僕は多いので今の枠組みって当事者ニーズを汲んでいるのかなというところは幾分疑問に思っています。枠として聞こえはいいんですけれども。どれだけ利用するのかなというところは疑問で。結局当事者が一人で頑張らなきゃいけない。その中で、知らない人には相談したくない。なぜならゼロからなんで自分が施設に入所することになったのかというトラウマから話さなきゃいけないというのは、非常に心理的な負担も大きいので。多分正直に話さないんだろうな。知ってる人間がいたら話してくれる。知らない人には多分適当に、いいストーリーで話をしていって、そうしたら辻褄が合わなくなって、この子嘘をついてるんじゃないという風に大人側は思ってしまうっていう。負のスパイラルになってしまうんじゃないかなというところは、非常に心配しているところなので、冒頭で(話したように)社会的養護だから大丈夫だよね、ということにはならない。そこで対立を発生させちゃいけないという風に思うところです。

(B)情報だけ機械的にアクセスができて、人間じゃないものに相談ができるというか、頼ることができる情報ソースとか情報源みたいなものがあったら、もしかしたらアクセスもしやすくなるのかもしれない。背景が施設の出身とかじゃなくて、家とトラブってるだけの学生とかでも、事情を説明しなきゃいけないという感覚って多分同じだと思って。そういう情報にアクセスする方法を大学に繋がるように置くことができたらと思います。

(A)被援助指向性っていうのかな、受援力の部分をずっと調べてたんですけども。高校生を対象に困りごとがあるときに誰に相談するかっていうものを複数回答で尋ねた結果、面識のないSNS上の知り合いって答えた人が約2割を占めたというような(結果がありました)。要は日常生活の中で誰かに相談すると、様々な不利益や心理的葛藤が生じるので、知らない人のほうが気楽に話せるというものは、やはり一定数あって。この層が今度は闇バイトであったり、性的搾取であったりとかっていう部分に繋がる可能性もあるっていうここもすごいリスクだなという風には思いますね。そして生成AIが学生さんの中で非常に身近になってきているので、あれがどう作用していくのかっていうのは、今後新しい研究になっていくんじゃないのかな。SNSとはまた違う、第三、第四の選択肢に生成AIがなっていくんだろうと思うので。

(B)最近のCMが悪いですよね。AIだったらもっと答えてくれるんじゃないかと思って、結構うのみにするリスクはいつも見て思ってて。学生には言っていますけど、あれが本当に一般的なものだと思っちゃったら、もしかしたらそれを使うのかもしれないし。ちゃんとしたデータベースにのみ繋がっていればいいのにって思います。誤情報も全部取り込んじゃって答えてくるから怖いですよね。

(A)否定的な結果を懸念するよりも、肯定的な結果が得られることを十分認識していないために相談しないという部分があります。困難を抱えている学生さんと相談をしたときに、どういうポジティブなものがあるのかということを、情報として発信していかないとダメなんだろうなという風には思います。困難を抱えている学生、若者であればあるほど相談は簡単じゃないということで。社会的養護の子供たちなんかは経験の過酷さから声を奪われた状態で、今生活しているので、相談に対する不安感しかないっていう。負の経験をしてきていたら、大人に相談するっていうところが困難になる。これは年齢関係ないと思うんですよね。成人になったから相談しやすくなるということにはならないと思うので。そういった経験があって、どうせ相談してもっていう風になったら、急に、欠席が多いけど、どうしたのって言ったら、いや実は、という風に言われても、我々教員も手立てがなくて苦しくなるっていうのはあるかもしれない。

(B)あそこに相談してよかったとか、解決したっていう話をどこかから聞いていれば、じゃあ私もそうなるのかなって思うけど、そういう話自体も共有しないから。大っぴらには言えない。その情報って繋がっていかないんでしょうね。

(A)抱えている困難が、生活面のことに偏りがあると思うので。お金のことや、アルバイトのことであったりとか、そうなると大学としての支援が難しくなってくることが多くて。キャンパスソーシャルワーカーをしっかり置いておいて、生活のことは地域の中に相談する場があるわけだから、そこがしっかりイニシアチブを取って、そこが大学とスムーズに連携が取れる仕組みを作っていかないといけない。どこかだけが頑張るっていうのはやっぱりもう上手く機能しないと思います。ただ、まだキャンパスソーシャルワーカーを置いてる大学って道内にどれくらいあるのかわからないですけれど、少なくともうちにはいないので。そうじゃない障害を抱えているとか、精神疾患を抱えていてという風になるんであれば、シンプルに障害者の相談事業所がいろいろ地域の窓口になれるはずなんですよね。ソーシャルワーカーと大学がどう連携しようかというところだけ解決したら、きっとある程度スムーズになっていく。生活困難を抱えている学生さんであれば、生活困窮者の支援をしているところがもうすでに地域にあるわけだから、そこがイニシアチブを取っていけたら、そこと大学がどう連携するのか、接続する場所を整えることができれば。要はエンパワーメントを高めた状態で、学生さん本人が描いた学生生活ができるんじゃないのかなと。

(インタビュア)経済的問題だったりすると、途端に(解決策が)なくなるんですよね。そこは、大学生も困窮する場合があるんだっていう認識を世間全体で持っているかっていうか。引っかかっているところですね。

(B)父親と父子家庭の子で、父親には言えないみたいな。最終的には父親に払ってもらったんだけれども、滞納の件をなんとかしたいけど、どうしたらいいか訊かれて、私の手に負えないのでソーシャルワーカーのいるところに行ったんですよね。

そこで法律事務所紹介していただいて。どういう手段をとって、どこに行けば何の相談に乗ってもらえるとか全部紹介してもらって。少し時間がかかるから、やっぱりお父さんに言わなきゃいけない。後でちゃんと補填するからって。お父さんに言えないかっていうのを二、三か月やって。お父さんに一時的に立て替えてもらって、そのあと弁護士に入ってもらってお給料払ってもらった分でちゃんと埋めたっていうのはあって。他にブラックバイトに引っかかって辞められなくなって、鬼のLINEで心を病みそうだからどうしたらいいですかっていうケースも、そっちの方でもお世話になって。しかるべき相談窓口を教えてもらって、親にも話して解決したケースはあります。あそこに行けばブラックバイトのことを解消してもらえるっていう噂が学生には広がって。ただなんでも相談できるから相談しに行く子はメンタルの子が多いです。私もメンタルだって思われるのは、嫌だから堂々といけないからなんとかしてくれって言われて。電話かけて一人の時間に行って。学内に相談できるところがあるというのは違うなというのは思います。今のケースで親が機能しなかったら、終わってたと思います。まだまだ事情を話したから授業料の支払いを待ってくれるわけではないと思います。でも、待てるのだったら、待てる体制にしてほしいとは思いますね。でも難しいですよね。

(A)大学で学びたいと言っている人の学費をなんとかかからないようにできないのかという経済的な部分が解決したら、表に出てくるのが親問題になると思います。このあたりの教育の機会を奪われている。

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