あきらめと貧困の連鎖を断ち切る、子どもたちの夢を支える農業を

(1) 立て続けの台風

11月4日の大型台風以降、さらに2回、台風がセブに近づき、
Taptapでも新たに地滑りが発生したり、農作物がさらに追い討ちをかけられました。

台風が過ぎ去り、被害状況確認のために、周辺の畑を周ると、強風で倒伏してしまったとうもろこしやトマト、多量の雨で腐ってしまった葉物野菜、土砂に飲まれてしまった花々たち、農作物の被害は甚大でした。モデルファームでも、畝が土砂に飲まれ、強い雨風の影響で多くの野菜が収穫出来なくなりました。

台風前は20品目を超える野菜を植えておりましたが、カブやビーツなどの根菜類は風の力によって抜かれ、葉物野菜は葉がちぎれ、多くの野菜が深刻なダメージを受けてしまいました。

しかしそんな状況の中でも、きゅうりや人参、レタスなどは復活し、綺麗な葉や実を付けてくれています。

その植物たちの力強さに日々感動すると共に、もう一つ感動したことがありました。それは、幾度の台風が来ても、決して下を向かず、家の修理や土砂の撤去に勤しむここTaptapの人達の力強さと優しさです。

自分達の家や畑の被害が甚大な中でも私の心配をしてくれ、メッセージをくれたり、台風直後は食べ物を確保することでさえ困難でしたが、果物やスナックをシェアしてくれたり、人と人が助け合い、共に協力して困難に立ち向かっていく事が当たり前の素敵な地域だなと感じています。そして、このプロジェクトの成功もそうですが、私にもっと出来ることはないかと考えさせてくれます。

(2) 100世帯に向けた基礎農業セミナー　大成功！　　

11月22日、100世帯の農家に向けてJICA事業による基礎農業技術の習得のためのセミナーを開催しました。

JICA事業では、このモデルファームでの実証を元に構築した、『Taptapの人々に必要な農業技術』を指導するためのセミナーを3年に渡って実施します。その第1回目となる、基礎農業セミナーを開催しました！

現地協働団体のCAFEIと一緒に、種を植える深さや、正しい株間、有機物を土に戻す重要性など農業の基礎をお伝えさせていただきました。

ここTaptapでは、ネットのアクセスが困難であったり、正しい農業知識を学べる場がない為、口伝や慣習で農業をされている方が多いです。その全てが悪いわけではありませんが、農薬や化学肥料の過剰投与によって、土壌が疲弊し、結果的に収量の低さに表れたり、農薬肥料代で家計を圧迫しているのが現状です。

この状況を打破するべく、土壌のケアの仕方や、農業の基礎の基礎をお伝えさせていただきました。

セミナー後半には、ワークショップを開き、簡易コンポストや、簡易発酵資材の作り方をレクチャーし、誰でも簡単に作れてかつ有用な資材の作り方をお伝えし、化学肥料や農薬依存の脱却の為の第一歩を踏み出しました。

また、最後には、クラウドファンディングでの目標額を超えてご支援いただいた資金の一部を使って、台風による緊急支援として種子配布をさせていただきました。

農家にとって種子は自分、家族自身の命そのものです。皆様のご寄付のおかげで多くの人々が生活を立て直す事ができます。この度、ご寄付、拡散してくださった皆様に、この場を借りてお礼をさせていただきます。本当にありがとうございました！

（３) 来月の展望

今後、12月中にまた新たに畑を開墾し、さらに畑を広げる予定です。
また、今回の台風の様に、気候や病害によって作物が収穫出来ず、月の収入がほぼなくなってしまう事がTaptapを苦しめています。そこで来月、養蜂を始めようと考えています。

収入源をいくつか持ってもらい、無収入になるリスクを分散してもらうのが狙いです。

このモデルファームから、野菜や花もそうですが、新たな挑戦を続け、農家の皆さんにさらなる選択肢を広げていきたいと思っています。

これからも皆様がワクワクするような展開を作っていきたいと考えています。引き続き、応援のほどよろしくお願いします！