ブラジル人講師の雇用を守り、日本に永住するブラジル人高校生の大学進学の基盤をつくりたい。

工場就職しかなかった子ども達も支援があれば大学進学させられる実績！

ブラジルルーツの若者が専門家から日本語を学び、自分が描くキャリアに合った学校や学部、受験方法までを選び、願書提出から入試までを専門家に伴走してもらえる大学進学支援を私たちは2年間実施してきました。

きちんと学ぶ機会を得られることで、手に職をつけられる専門学校に合格したり、国際色豊かな大学で特待生として合格しています。

 こうしてブラジルーツの子どもや若者たちが、安心して日本で学びつづけることができる環境を提供できれば、彼らは日本社会の弱者ではなく、バイリンガルやトリリンガルとして、日本をより豊かにしてくれる活力となります。

このクラウドファンディングで頂いた支援で、なんとか無事にブラジルルーツの高校生たちの卒業を見届けながら進学まで伴走させて頂きたいと思います。

何故ブラジルルーツの若者は弱者として追いやられるのか？

「エスコーラ・ネクター」は2024年で創立30年となりますが、保護者からもらうお月謝のみでやりくりしており、一人親や困窮家庭も多く、学校の経営もそれにより、厳しい状況が続いています。

そもそも、外国人労働者の平均月収は一般労働者全体に比べ7割程度しかなく、外国人家庭の平均収入が低いという現状があります。

そのなかで、一人親や困窮家庭の十分な収入のない不安定な状況は、外国ルーツの子ども達に学びや進路・キャリアなど、様々な影響を与えています。

学校に通うための通学費、制服や学用品をそろえる資金がない等の状況に加え、昼夜働く保護者に代わって幼い兄弟の世話をする為に、学校から足が遠のいたりすることもよくあります。

ブラジル学校エスコーラネクターでも高校進学をあきらめて、働いて家計を支えようとした子どもたちを多く見てきました。

そうして、結局、彼らは保護者と同じように工場などの派遣社員となり、不安定な雇用に留まることが多いです。

そして、未婚のまま10代で親となる外国にルーツの子ども・若者も、私たちの地域では年々、増えてきています。

教育こそ、こうした困窮のサイクルをを断ち切る一つの重要な手段です。

30年近くブラジルルーツの子どもたちの学び場を提供

私たちNPO希望の光は、日本一ブラジル人が多い愛知県で、約30年ブラジルルーツの子どもたちに学びの場を提供しています。

1994年から教育を提供し、子どもたちの拠り所に

1994年からポルトガル語教室として始まり、地域の不就学児や不登校児などの居場所となっていました。公立校に通っても、日本語が分からず、ただ教室に座っているだけの日々を過ごす子どもたちにとって、分かる言葉で学べる環境は彼らの拠り所となっていきました。

そして、数年で帰国するつもりで来日していた子どもたちも多かったことから、帰国後の学びにつながるブラジル本国のカリキュラムに沿った教育を提供するブラジル学校として2001年にブラジル教育省からブラジル国外にある学校として認可をされました。

しかし、設立から30年が経とうとしている今、ブラジル人の定住化が進み、日本で暮らし続ける外国人住民となる子どもたちがほとんどとなっています。

そこで、エスコーラネクターでは日本語の教育を受ける機会を増やし、日本でも暮らし続けるための教育へと変わっていきます。

定住化が進み、公立校を選ぶ家庭や保護者も増えていますが、私たちの地域には勉強が分からなくて、居場所がないと感じている子どもがたくさん暮らしています。

そんな子どもたちにとって”自分でいられる”「学び場」がこの学校なのです。

日本語が分からず、教室でただ座っているだけだったジュリアちゃんが専門学校に入学！

ジュリアちゃんは日本の小中学校に通っていましたが、学校の勉強についていけないまま中学校を卒業して、高校課程からエスコーラネクターに編入してきました。中学校までは国語や理科、社会、算数などの勉強を日本語で理解することできず、教室でただ座っているしかなかったと話してくれました。

ジュリアちゃんは本校に編入してから3年間、分かる言葉で勉強することにより、学校に行くことが楽しくなり、一日も休まずに教科学習と日本語の勉強をがんばることができました！

今年の8月には保育士を目指せる専門学校に合格し、来年度は晴れて専門学生となり、自分と同じように日本語で苦労した外国人の子どもたちを支える保育士になろうとしています。

ジュリアちゃんのように「日本語」で勉強することができない子どもたち

全国に13万人以上の外国ルーツの子どもたちが暮らしています。11万人以上が日本の小学校や中学校で学んでいますが、その3人に1人は日本語が分からず、勉強についていけていないのです。

愛知県豊田市には2500人以上の外国人の子どもが暮らしており、外国人学校の数も多く存在します。そのうち、日本の小学校に通っていても、勉強についていけない子どもたちが500人以上います。

小中学校でも多くの生徒が学習言語と生活言語の違いに苦しんでおり、なかなか教科学習がうまくで きない子が多い現状があります。

令和４年度 外国人の子供の就学状況等調査結果 について（令和５年４月）

こうした状況では、日本語が上手く話せない、クラスに馴染めない、等の理由で自己肯定感の低い子どもが沢山います。

そんな子どもたちの受け皿となっているのが私たちのような外国人学校です。

言語・制度・資金の問題で多くの16歳以上のブラジルルーツの若者たちが学べていない！

日本で暮らす外国ルーツの若者たちの国籍別の高校在学率でみるとブラジル国籍の若者が一番学びにアクセスできていないことが分かります。

外国人労働者の平均月収が一般的労働者の7割程度しかないこと、一人親の家庭も多く、外国ルーツの子どもの貧困率が高いことを踏まえ、こうした困窮は子どもたちの進路にも影響していきます。

外国ルーツの若者の高校進学率は日本人より圧倒的に少なく、進学できても高校中退は日本人の7倍以上となっています。さらに大学進学率は日本人の半数にも届きません。非正規雇用の不安定な就職をする者が多く、進路が決まらず、より厳しい状況に追いやられる若者たちもいます。

教育は、それを断ち切る一つの重要な手段ですが、そのためにもブラジルルーツの若者が進学を目指せるような環境や道づくりが不可欠となっています。

こうした状況の中、分かる言葉（母語）で国語、算数、社会などの教科を学び、そして日本語を専門家から学ぶチャンスさえあれば、日本で進学したり、安定した就職をする可能性につながります。

だからこそ、私たちは日本で暮らし続けるブラジル学校の高校を卒業した若者の大学進学を支援してきました。

代表者メッセージ

ページをご覧いただきましてありがとうございます。NPO法人希望の光の山家ヤスエ（Iassue Yamake）と申します。

私自身も幼少期に家族と日本に来て、愛知県豊田市の保見団地で育ったブラジル人です。

子どもの頃からブラジル学校や先生たちなどの多くの大人に支えられて、母語教育を受けながら日本語を学び、日本や世界でとても豊かな経験をさせて頂いています。

そして私は大学院を卒業後、NPO法人希望の光で自分と重なるブラジルルーツの子どもたちの支援に関わるようになりました。現在は代表としてブラジル学校「エスコーラ・ネクター」の運営などをしています。

日本で育つ私たちブラジルルーツの子どもたちは、経済的な理由に左右されることなく、分かる言葉で学べる教育機会と日本語を学べる環境を充実させることで、日本で活躍するという明るい未来を目指して歩みだすことができます。そんな社会づくりを皆さまと一緒にしていきたいと思っています。

そして、ブラジルルーツの子どもたちや若者だけでなく、外国ルーツの子どもたちや若者は、社会の新たな機動力となる可能性にあふれています。

このクラウドファンディングを通じて、日本で暮らすすべての外国ルーツの子どもたちが直面する課題、そして学びにアクセスできる環境づくりをしなければならないという現状が、少しでも多くの皆様に知って頂けると幸いです。

こうした寄付だけでなく、このページのシェアなどでも、どうかみなさまのお力をお借りできないでしょうか。

学びを支えるチームについて

寄付金の使い道について

どうにかブラジルルーツの子どもたちが安心して学校に通い、高校を卒業して、明るい未来へとつなげられるように、このプロジェクトを立ち上げました。いただいたご支援金は子どもたちに教科学習を教えるブラジル人の教員免許を持つ先生たちの人件費や子どもたちの教科書代などに充てさせていただきます。