私たちについて
一般社団法人ゲヌは、西アフリカ・セネガルで性暴力や女性器切除(FGM)などの被害を受けている女性と子どもの保護を第一目的に活動しています。2020年にアフリカの生地を使ったアパレルブランド「ゲヌトーキョー」として始まり、売上の一部をセネガル・ティエス州での避難所サポートに充ててきました。これらのサポートを更に強固なものにするため、2025年4月に一般社団法人ゲヌを立ち上げました。

セネガルでの女性に対する性暴力について
セネガルはアフリカ諸国の中では非常に治安がよく、人々が優しい素敵な国です。美味しいご飯を囲み、家族や友人と笑い合う日常は平和そのものです。

しかしながら、他の国にもあるように、レイプ、少女の結婚、家庭内暴力などの多くの性被害が存在しています。2017年の保健調査によれば、セネガルでは15歳から49歳の女性の27%が15歳以降に身体的暴力を受けた経験があり、その55%が夫やパートナーの手によるものでした。
また、セネガルでの0歳から14歳の少女における女性器切除(FGM)の実施率は13.9%、15歳から49歳の女性における実施率は23.3%(2017年保健調査)です。女性器切除は、主にアフリカや中東で、約2000年もの間実施されてきた風習であり、女性器切除を行うことにより大人の女性になるという通過儀礼的側面を有しています。しかし、実際には麻酔や鎮痛剤を使用せず、ナイフや鋭い石を用いて女性器の切除が行われるため、施術には大量出血を伴い、様々な感染症を発症したり死者が出たりします。

(図)2017年DHS調査(2025年現在最新のデータ)をもとにイギリスのFGM廃絶活動団体Orchid Projectが作成した、アフリカの15歳から49歳の女性におけるFGM施術率を表した分布図。

(画像)FGM廃絶を訴えるポスター(セネガル・2025年2月)
セネガルの友人たちからは、日常的にセネガルで起きた性暴力について連絡があります。「家宅侵入でレイプを受けた10代の少女がいる」、「夫がアルコール中毒で暴力をふるうので自宅にいられない女性がいる」、「レイプで生まれた子どもが母親のパートナーに恨まれて殺される事件が起きた」、「家族とうまが合わず飛び降り自殺をしようとして病院に運ばれた女の子がいる」...。聞くに堪えない話が日々報告されます。
避難所の立ち上げ
2006年、セネガル人女性のKhady(キャディ)が代表となり、現地NPOラ・パラーブル(La Palabre)が発足しました。キャディはティエス州で生まれ、7歳のときに性器切除を受け、13歳で強制的に親戚と結婚しました。同じような苦しみを女性たちに味わってほしくないという想いから、女性と子どもの人権を守るための活動を精力的を続け、ティエス州で初となる避難所の建設を進めてきました。しかしながら、資金不足で建設は10年以上経っても終わりませんでした。2011年に初めてセネガルでキャディと出会ってから、その様子をもどかしく見ていた私たちは、2020年からサポートに乗り出しました。そして、2023年に日本の外務省から助成金をいただき避難所の建設を完了、翌2024年から小さく運営を開始しました。

避難所には、性被害を受けた女性本人や、その家族、病院、警察などから、絶えず被害者の受け入れを要請する依頼がきている状態です。しかしながら、スタッフの雇用費や運営費が足りず、加えて数か月前に避難所の電気が壊れてしまい、現在女性の受け入れを一時的に停止している状況です。
マンスリーサポートのお願い
私たちはすぐにでも避難所を再スタートをし、女性の受け入れを再開したいと思っています。しかし、女性の受け入れを再開するためには、壊れてしまった避難所の電気の復旧を行うことが急務となります。また、現在避難所に常駐している1名のスタッフに加え、女性スタッフ2名の追加雇用が必要になります。性暴力を受けた女性が安心して寝泊まりできるためには、彼女をサポートするスタッフの24時間体制を作らなければならないためです。
女性たちに適切な医療処置と栄養ある食事、そして何より安らぎを感じられる環境を作り、心身ともに健康な状態で避難所を出て行くまでのプロセスを作りたいと思っています。私たちの想いに共感してくださいましたら、ぜひマンスリーサポーターになっていただけないでしょうか。
どうか皆様のお力を貸していただけると幸いです。

寄付金の使い道について
- 避難所で働くスタッフの雇用費
まずは現在常駐している1名のスタッフと警備員に加え、追加で2名の女性補助スタッフの雇用を目指します。今後、心理カウンセラーや看護師、調理スタッフなどの雇用も必要になると考えています。 - 保護された女性の食事代や医療費
現在は訪問者からの寄付に頼っていますが、十分な食事や医療費にはなっていません。食費は1人1日3食で、およそ1000円がかかります。 - 避難所の施設修繕費
壊れてしまった電気バッテリーの購入に約20万円~25万円が必要になると見積もりを受けている状況ですが、こちらは見積もりが正しいかを精査している段階です。無駄な購入をせず、かつ長く使用できる施設修繕を目指します。 - ガス代、水代、通信費、交通費など、シェルター運営に必要な諸経費
- 一般社団法人の運営に必要な最低限の経費
いただいたご寄付でできることの例



寄付してくださる皆様へ
- 全てのサポーター様へ
マンスリーサポーターにご登録いただきました全ての方へ毎月活動報告をメールでお送りさせていただきます。また、年に1回オンライン上での活動報告会を実施いたします。
- 月額3000円以上のサポーター様へ
月額3000円以上のマンスリーサポーターの方は、「オンライン寄付者会議」にご招待させていただきます。こちらは、サポーターの方からご意見やご質問をいただいたり、私たちからサポーターの方に相談をしたりなど、一般社団法人ゲヌのスタッフとサポーターの皆様がより密になって避難所の運営に取り組んでいけるイメージをしております。オンライン寄付者会議は月1回程度を想定しており、参加は毎回任意です。
他に様々なサポーター特典や企画を考えております。そちらは決まり次第、ご案内させていただきます。
代表理事メッセージ

私が10代の頃、キャディの自叙伝『切除されて』を読み、セネガルの女性たちが直面する深刻な問題を知りました。胸が苦しくなると同時に、キャディが語るセネガルへの深い愛情にも心を動かされました。
私は22歳のとき、初めてセネガルの地を踏みました。暮らしてみてすぐに、「ここは自分のホームだ」と感じました。セネガルの人たちに沢山の愛情を注いでもらい、人間関係の素晴らしさを教えてもらいました。現地でキャディと出会い、彼女が見せてくれたのは、建設途中の避難所でした。その後、資金不足でなかなか完成に至らない現実はとてももどかしいものでした。
2020年、この避難所を日本から支援しようと決意し、活動を始めました。以来、5年間、様々な困難に直面しながらも、多くの方に支えていただいて活動を続けてきました。セネガルから被害女性の報告を受ける度に、この避難所は動かさなければならないと強く思ってきました。
現在、避難所は再スタートに向けて動き出しています。まだまだ乗り越えなければならない課題は多くありますが、支えてくださる皆さまと一緒なら実現できるのではと感じています。
どうか、可能な範囲でサポーターとしてご登録いただけましたら嬉しく思います。
皆さまの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。
一般社団法人ゲヌ 代表理事 宮村暢子