車いすアメリカンフットボール(車いすアメフト)とは
代表理事の糸賀亨弥が、母校天理大学のアメリカンフットボール部の監督時代、教え子が試合中の事故で体の自由を失い、車いすでの生活を余儀なくされました。その教え子に、もう一度チームメイトと一緒にアメリカンフットボールをさせてやりたいとの思いから独自に開発したスポーツです。
スポーツ車いすは障がいを補うための道具ではなく、スポーツを通してコミュニケーションするための「乗り物」です。初めて乗った人も簡単に操作できます。車いすに乗ることで、自由になれるという不思議な体験をすることになります。車いすアメフトは障がいの有無、年齢、性別に関係なく、誰もが一緒に参加できます。障がいを持つ方の「パラスポーツ」ではなく、誰もが一緒に参加できる「インクルーシブスポーツ」です。 こちらのホームページに活動詳細をまとめています。https://wcfjapan.jimdofree.com...

社会的課題について
私たちは「全員参加型社会の実現」「多様性の推進」という課題を、直感的に学べるスポーツとして学校、企業などで体験会、研修会を行なっています。
車いすアメフトのベースであるアメリカンフットボールは、役割が高度に細分化されたスポーツです。参加者はそれぞれが自分の力を活かせるポジションを担当し、作戦を立ててゲームを進めます。車いすアメフトでは、ルールもその時の参加者に応じて変更します。チームメンバーが力を合わせて取り組み、最善の方法を考えることで、楽しみながら人の持つ力の可能性に気づき、チームワークが自然と生まれます。多様性の本質を体で実感し、理解することができます。
今回ご協力をお願いしたいこと
代表の糸賀亨弥が、2011年に渡米し、それ以来交流を続けてきたアメリカジョージア州に本部を置くAmerican Association of Adapted Sports Programs(✳︎)と、2028年開催のロサンゼルスオリンピックに合わせて、アメリカで「国際親善戦」を実現したいと考えています。2023年に「日本代表チーム」を創設しました。現在、糸賀亨弥が提案、監修して2022年春にオープンした「東大阪ウィルチェアースポーツコート(東大阪花園ラグビー場横)」で定期練習を行なっています。チームの練習用、国内に複数のチームを設立するために必要不可欠な、大切な道具であるスポーツ車いすを20台新しく購入したいと考えています。

(*)American Association of Adapted Sports Programs 障がいのある学生が、スポーツを楽しむことができる環境を作ることを目的に20年前に設立された団体です。学校内にスポーツチーム作りとスポーツ競技会を開催するためのプログラムを提供しています。 https://adaptedsports.org/
寄付金の使い方
スポーツ車いす購入 1台 ¥200,000 × 20台 = ¥4,000,000(税込)
代表者メッセージ
2008年に車いすで行う「アメリカンフットボール」を構想してから17年。2011年に渡米してAmerican Association of Adapted Sports Programsが開発したWheelchair Football(車いすアメリカンフットボール)を実際に見てから14年。老若男女、障がいの有無に関係なく、「ホイールチェアフットボール」の普及活動を通じて沢山の人と関わり、様々な気づきを得ることが出来ました。今回AAASPに所属する学生チームと日本選抜チームが交流戦をおこなうことで、関わる全ての人に新たな「気づき」を得てもらい、更に一歩前に進みたいと考えています。

応援メッセージ 天理大学 北垣智基 准教授
糸賀さんと出会いは、およそ10年前に遡ります。当初は「車いすを使ってアメフトって、どうやるの?」と疑問を感じました。ところが、糸賀さんが開催される車いすアメフトを体験することで、一気にその魅力に取り憑かれました。
私が感じている車いすアメフトの魅力とは、「みんなで楽しむ」こと、また「誰もが参加できる」ことを大切にされているところです。
参加のハードルは高くありません。まずはそれぞれに、車いすを使って動いてるところから始まります。慣れてくると、鬼ごっこや、ボールを使ったパス&キャッチ、そして攻撃と守備などを体験し、ゲーム(試合)に参加していきます。時に笑い合い、時に真剣になりながら、活動が行われます。
誰もが参加できますが、それぞれに「できること(得意なこと)」や「できないこと(不得意なこと)」があります。障がいの状態等を考慮し、その時々でルールが設けられることもあります。それを参加者全体で共有していきます。その上で、お互いの力を組み合わせ、また補い合いながら、ゴールや勝利を目指します。ここに、自然な形で「相互理解」や「共生」が実現しているように思います。さらには、「誰もが大切にされる世界」が創られているように思います。今後さらに、糸賀さんのチャレンジが発展していくことを期待します。また、関心をもたれた方には、是非いちど参加していただき、車いすアメフトの魅力を体験してみてください!
これまでの活動実績
<2007年> 天理大学アメリカンフットボール部監督就任・秋リーグ:1年生|中村珍晴君(*)が試合中の事故で首から下に麻痺が残る。(*)神戸学院大学大学:客員教員 合同会社Exvision代表
<2008年> 国際親善女子車椅子バスケットボール大会」観戦。「ホイールチェアフットボール」の開発を思いつく。
<2009年> 中村君とご家族をフットボール75周年記念試合「ノートルダムジャパンボウル」に招待(東京ドーム) 日本社会人アメリカンフットボール協会の池野邦彦理事長に「ホイールチェアフットボール」の構想を説明。身体に障がいのある学生を体育の授業や部活動に参加させる活動を行なっているアメリカの組織 American Association of Adapted Sports Programs(AAASP)の資料を見せてくれた。AAASPを訪ねたいという想いが募っていった。
<2011年> 東日本大震災。渡米を決心。初のアトランタ訪問。
<2012年> 天理大学の授業でホイルチェアフットボールを紹介。 サンケイスポーツ写真報道局:竹村明部長がYoutubeに動画をアップ。 川崎市のスポーツイベントに参加。継続中。
<2013年> 二度目の渡米。約3週間の滞在期間中に各チームの練習を見学 天理大学体育学部「障がい者スポーツを学ぶ授業」でミニゲームを体験してもらう。 奈良県下小学校小学校の教職員に向けて講演 私立百合学園(尼崎市)で1年生を対象に授業。
<2014年> 日本で初めてのエキシビジョンマッチを開催。関西学院、大阪府立大学、天理大学アメフト部参加 京都で定期練習開始
<2015年> 大阪健康福祉短期大学との共同研究開始
<2016年> 長野県白馬スポーツ振興協会と車いすスポーツイベントを開始 東大阪市内に東大阪市ウィルチェアースポーツ広場設置
<2017年> 長野県白馬スポーツ振興協会。ユニバーサルツーリズムシンポジウムにパネリストとして参加
<2018年> 三度目の渡米 長期入院が必要な子ども達にために「ホスピタルフットボール(*)」の活動を大阪市立総合医療センターで開始。 (*)長期入院している子ども達が病棟の中で、フラッグフットボールの作戦を作りその作戦を使って、フラッグフットボールチームの子ども達が試合をする活動。 車いすスポーツ専用の屋外コート「東大阪市ウィルチェアースポーツ広場」の運営開始
<2019年> 第一回ホスピタルボウルを天理大学で開催 第74回甲子園ボウルでホスピタルフットボールのエキシビジョンマッチ実施
<2020年> 新型コロナ感染拡大のためホスピタルフットボールの病院内での活動を停止 アメフトのボードゲームの開発を開始
<2021年> 2月5日NPO法人ホスピタルフットボール協会を設立 京都ロータスボウル参加 X3リーグでチャリティ試合を実施
<2022年> アメフトのボードゲーム(ファーストダウンゲーム)を小児病棟と小学生のフラッグフットボールチームに届ける活動をスタート 山口維新スプリングボウル参加 京都ロータスボウル参加 小児がん啓発運動 「スマイル・アクション・イン 大阪」運営
<2023年> 王子カップ参加 課題を持つ子ども達が交流するファーストダウンプロジェクトを開始 山口維新スプリングボウル参加 車いすアメフト日本チーム練習開始 「スマイル・アクション・イン関西」運営 「ファーストダウンボウル」開催
<2024年> 王子カップ参加 山口維新スプリングボウル参加 車いすアメフト日本チーム練習開始 「スマイル・アクション・イン関西」運営 「ファーストダウンボウル」開催 American Association of Adapted Sports Programs主催の褒賞制度で糸賀亨弥が「創設者賞」を受賞。