「助けを求めることは、親として失格だと思われるかもしれない…」──頼れる人がいない、子育て家庭を追い込む“孤立”
「助けて」と言えないまま、孤立の中で子どもを育てている家庭があることを知っていますか?
子どもに発達の遅れが見つかり戸惑う家庭、仕事や介護と子育てがある中で誰にも頼れない家庭、夫の転勤で引っ越しを繰り返し、周りに知り合いが一人もいない家庭──。
妊婦さんや小さな子どもを育てる親は、子どもの命と常に一緒で、一日も休みがありません。
地域や家族のつながりが弱まる中、「助けて」と言えず、孤立の中で子育てを頑張り続ける親が増えています。

「どんなに抱っこしても泣き止まない子どもと二人きりで、誰にも頼れず、自分も追い詰められていました。」
(利用者の声)
国の白書や子育て政策でも、「子育て家庭の孤立」は深刻な社会課題として示されており、多くの親は声をあげられず、自分を責め、抱え込む日常を続けているのが現状です。
でも、頼れるところは、必ずあります。
私たちは、そんな親子に「ひとりじゃないよ」と伝えたいのです。
子育ての経験を地域で活かす、家庭訪問型の子育て支援「ホームスタート」
家庭訪問型の子育て支援「ホームスタート」は、研修を受けた子育て経験のある地域のボランティア(ホームビジター)が家庭を訪問し、親の気持ちに寄り添いながら、一緒に子どもと過ごす活動です。
利用は無料で、どなたでも・いつでも安心して申し込むことができます。

子育て経験のある地域のボランティア(ホームビジター)は、週に1回2時間ほど(約2ヶ月、4〜6回)の訪問の中で、「一緒に家事や育児をする」ことを大切にしています。
一緒に子どもと遊び、家事を手伝い、親の話を聴き、外へ出るきっかけをつくったり、ホームスタートは、いわば“近所の世話焼きおばちゃん”のような存在。専門職ではないからこそ、近くに住む友人のような距離感で親に寄り添い、悩みや不安を聞き、家事・育児のサポートをする支援を届けています。

現在、この取り組みは、全国33都道府県・約120地域に広がっています。訪問を通じて生まれるつながりが、地域に安心の輪を広げています。
誰でも使える。だから、さまざまな声が届いています
「ホームスタート」を利用する家庭は、さまざまな背景や状況を抱えています。
仕事や介護と育児の両立が不安、双子や多子で手が足りない、外国にルーツがあり日本の子育て事情がわからない、障害や病気がある、経済的に余裕がない、育休から復帰する時に仕事との両立が心配、地元の子育て支援や買い物事情を知りたい、大人と話す機会が欲しい──。
事情は違っても、共通しているのは「頼れる人が少ない」ということ。
誰でも・いつでも使える仕組みだからこそ、こうした多様な家庭に支援が届いています。



ボランティア(ホームビジター)と一緒に公園に遊びに行ったり、買い物や病院、子育て支援の施設などに同行することで、社会との接点が自然と増えていった家族の例などもたくさんあります。
支援を受けた家庭の90%以上が「孤立感が軽くなった」と回答

ホームスタートを利用した家庭の90%以上が、「孤立感が軽くなった」「子どもの成長や発達の機会につながっている」「気持ちが楽になった」と感じています。
「話を聴いてもらえる」「理解してもらえる」──それだけで、親の心が変わり、家庭の空気が変わります。
この成果は、寄り添う関係が確実に家庭の安心へつながっていることを示しており、その先の子どもの笑顔にもつながります。
誰もが、困ったときに安心して声をあげられる社会へ。
親子に寄り添う支援が、全国どこでも・いつでも・誰にでも届くように、
産前・産後と途切れない支援を続けていくために、今あなたの力が必要です。
あなたのご寄付が、親子の笑顔につながる大切な力になります。
あなたのご寄付でできること
ホームスタートは現在、全国33都道府県の約120地域で活動しています。
しかし、日本には1,700を超える市町村があり、親子に寄り添うことができる地域は、まだ限られています。
支援を必要とする親子に「ホームスタート」を一つでも多くの地域で届け、
今、活動を続けている地域でも、より多くの家庭に寄り添う支援を広げていくためには、
みなさまからの継続的なご支援が必要です。
マンスリーサポーターとして、月1,000円〜(1日約33円)のご寄付は、親子に「安心」と「つながり」を届ける確かな力になります。

今後の活動もお伝えしていきます
- メールマガジン
活動の様子をお伝えするメールマガジンをお送りいたします。 - 年次報告書
1年間の活動やその成果をまとめた年次報告書をお送りいたします。
ご寄付は、寄付金控除(税制優遇)の対象です
ホームスタート・ジャパンへのご寄付は、寄付金控除(税制優遇)の対象となり、最大50%が戻ってきます。
当団体は2025年5月より東京都の認定を受けた「認定NPO法人」となりました。
ご寄付をいただいた後に、当団体から発行する「寄付金受領証明書(領収書)」を添えて確定申告を行うことにより、税制上の優遇措置を受けることができます。
例:毎月3,000円のご寄付の場合

- 「寄付金受領証明書(領収書)」は、ご寄付をいただいた年の翌年2月上旬頃までに郵送にてお送りいたします。
- 寄付金控除(税制優遇)の詳細については、お住まいの自治体の窓口または国税庁のウェブサイトでご確認ください。
寄付者の声

「育児と仕事の両立」が専門の、企業や現場で多数の妊産婦・両親に接する医師として、「妊娠・出産・育児」は幸せなことであると同時に、家庭・親に大きな変化をもたらすイベントであると話しています。
大きな変化に対応するには、時間とゆとりが必要。しかし日夜赤ちゃんのお世話に追われ、仕事との両立にも直面する現代の両親には、ゆとりがあまりないのかもしれません。
「すべての子どもに幸せな人生のスタートを」
これを両親だけで実現するのは、簡単ではありません。様々な人に、場所に頼ることで、心にゆとりを持って育児をすることができます。
もちろんそこには医療職や保育職などのプロの手も必要ですが、ホームスタートのような「近くで一緒にいれる人」も非常に重要。祖父母・親戚や地域の人の手も減りつつある今、このような社会システムが求められていると感じます。
きちんと仕組みを持ち、多数のスキルアップの機会を設けてホームビジターを育成することは素晴らしいですが、相応のコストもかかります。「どこかの子育て家庭を少し支援する」そんな気持ちでご支援させて頂いています。

私にとっては、ある程度まとまった額の寄付は少しハードルが高かったのですが、本当に無理のない範囲での月々の寄付ならば…と。
こんなささやかな行為も“塵も積もれば山”とばかりに、ホームスタートの活動の輪が拡がっていくことに繋がれば、私もハッピーです。
「今困っているので助けてほしい」という声に、より多くの地域で寄り添いたい

子育ては事前に準備したとしても、実際には、予想外のことがたくさん起こります。子育て経験があってもそうです。子どもには一人一人生まれたときからそれぞれの気質や体力があるし、親もまたそれぞれその時の体力や価値観があり、マッチングもあります。沸き起こる感情に揺さぶられもします。どの親も、喜んだり、嬉しかったり、楽しかったりする一方で、悲しかったり、戸惑ったり、イライラしたり、時にはひどく余裕を無くしたり、疲れて追い詰められたりする、そんな経験をしています。
そんな同じような経験を持つ子育て経験者が、親子を継続的に訪ねて寄り添い伴走する「ホームスタート」。答えがすぐに出なくとも、一緒に悩んで考えて、時には一緒におろおろしたりしてくれる人がいることは心強いもので、考え方にも余裕が持てるものです。それが孤立しないということだと思いますが、使った家族が昨年は3,100家庭、日本で始まってから計2万家庭に近づいています。
ホームスタートの利用は「今困っているので助けてほしい」で始まります。その他の条件は問いません。無料です。そして傾聴と協働で寄り添えば、誰もが少し前に進む自信を取り戻します。それは地域でできる虐待の芽を摘む幅広い予防活動でもあります。地域で少し困った人がいた時、「ここに来てください」ではなく「こちらから出向きます」と言える支援。行政の施策などでは対応するのが難しい「すき間」を埋めることができるのが重要なポイントです。
まだ十分に自分の意見を言葉で言えない時代を生きている子どもたち、大事なその時期を支えるためにその家庭、その親にもっと手を貸し、支えることができる社会であってほしいと願いつつ、ホームスタートがすべての子どもに届くように取り組んでいます。
そして、地域の繋がりは自然には生まれにくい今、この仕組みがもっと多くの地域で根付き、家族が地域社会につながって社会の中で子どもが育っていく、そんな社会の実現を目指しています。今年度、新たに7地域で活動を開始しました。いまホームスタートがあるのは、33都道府県の122地域、訪問ボランティアは約4,000人いらっしゃいますが、もっと活動を広げていくことが重要と考えています。
親子の孤立を防ぎ、寄り添い続けるこの支援を、必要とする家庭へさらに届けるために、どうか応援してくださいませんか?
マンスリーサポーターの皆さまからいただく継続的なご支援によって、より多くの地域で「今困っているので助けてほしい」という声に応える力となります。
すべての子どもに、あたたかな人生のスタートを届ける。その思いを、皆さまと一緒に広げていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。



