「よくあること」と片付けられない、子どもの食の悩み
「うちの子、ごはんをなかなか食べてくれない」「好き嫌いが多くて心配」「どうしたらもっと楽しく食べられるのかな」
そんな悩みを抱えているご家族は、実はたくさんいます。
実際、厚生労働省が実施した乳幼児栄養調査によると、2~6歳の子どもを持つご家族の約8割が「現在の子どもの食事について困っていることがある」と回答しています。2歳児では「遊び食べをする」が41.8%と最も多く、3歳以上になると「食べるのに時間がかかる」「偏食する」といった悩みが上位に挙がっています。また、「少食」や「食べることに関心がない」など、さまざまな「食べてくれない」という困りごとが報告されています。
このように、子どもの「食べる」ことに関する家族の悩みは、決して珍しいものではありません。けれども、多くのご家族が日常的に直面し、大きな不安やストレスを生じさせる子育ての課題なのです。

「食べること」は学びと支援が必要な技術です
しかし、多くの方は「食べることは誰でも当たり前にできるもの」と考えがちで、「子どもが食べてくれない」といった悩みは軽く受け止められがちです。深い悩みの場合は、なかなか周囲に理解されず、ご家族が一人で悩みを抱え込んでしまうことも少なくありません。
乳幼児の「食べる」という行為は、生まれながらの本能ではありません。生活を通して学び、技術として身につけていくものです。しかし、この「食べる」という技術をうまく習得できない子どもが増えています。これが家庭内の大きな問題となっています。

実は、こうした偏食や少食といった日常的な困りごとの延長線上に、「小児摂食障害(PFD)」という医療や療育の専門的な支援が必要となる病気が存在します。PFDは、単なる好き嫌いや一時的な食べムラとは異なり、成長や健康に影響を及ぼす深刻なケースもあります。専門家による早期発見と適切な対応が重要です。
はぐもぐの活動
NPO法人はぐもぐは、「食べること」に悩む親子を支える専門職ネットワークであり、ご家族向けの情報提供も行っている団体です。子どもの偏食や少食、小児摂食障害(PFD)など、「食べること」に関する困りごとは、家庭だけで解決するのが難しいことも多いです。時には、保育園や学校に通うのが難しくなったり、ご家族自身が不安や孤独を感じてしまうこともあります。
私たちは、次のような活動を行っています。
- 専門職向けの研修事業:医師、歯科医師、保健師、管理栄養士、保育士などの医療・教育・福祉の専門職に対し、子どもの食についての研修を提供します。これまで医療の教育カリキュラムには、子どもの「食べる技術」に関する学びが十分に含まれておらず、これを補うための研修を行います。
- 情報提供・啓発事業:子どもの食べることに関する正しい情報を得られるよう、乳幼児の食に関する情報サイト「はぐもぐ」を運営し、具体的な対応方法や専門的な支援についての情報を発信します。また、PFDを予防していくための情報発信をしていきます。
- 相談窓口の設置:「子どもが食べない」という悩みに対し、相談窓口を設置し、専門的なアドバイスや支援機関の情報を提供し、精神的負担を軽減することを目指します。
- 啓発活動:PFDに関する講演会やセミナーを開催し、社会全体に認知を広げます。
こうした活動を続けていくため、全国に届けていくためには、みなさんの力が必要です。

代表理事メッセージ
子どもの『食べない』問題は、子育てにおいて大きな課題となっています。
私たちは、子どもが食べないことや小児摂食障害(PFD)への理解と支援の輪を広げることで、子育てがしやすい社会の実現を目指しています。
医療、教育、福祉の専門職と連携し、「すべての子どもが家族と支援の輪に包まれて、安心してその子らしく成長できる社会」を実現していきたいと考えています。
(代表理事 小浦ゆきえ)
みなさんへのお願い
「自分が食べられない子だった」「子どものころ、無理に食べさせられてつらかった」「自分や身近な人が子どもが食べないことで悩んでいた(いる)」――そんな経験はありませんか。
自分と同じ悩みを持つご家族を応援したい、子育て支援に何か役立ちたいと感じてくださる方、ぜひ、マンスリーサポーター(毎月のご寄付)や単発のご寄付で、はぐもぐの活動への応援をお願いいたします。
いただいたご支援は、ご家族の相談や情報発信、専門家の育成など、「子どもたちが安心して食べることを楽しめる社会づくり」のために大切に使わせていただきます。
あなたの応援が、私たちの活動の大きな力になります。
ご参加・ご支援を心よりお待ちしています!