日本時間の2025年9月1日未明、アフガニスタン東部でマグニチュード6.0の地震が発生しました。その影響で家を失った人々の避難移住、紛争でアフガニスタンを逃れていた難民の強制帰還が重なり、ジョイセフが活動拠点とするナンガハール州ジャララバード周辺の人口は急増しています。また、近隣の医療施設の閉鎖に伴い、ジョイセフが20年以上運営支援を続けている母子保健クリニックのニーズが急速に増えており、現在毎日300〜400人が訪れています。しかし、対応しているのはわずか9〜10名の保健医療スタッフ。今日も厳しい冬の寒さの中でスタッフたちは毎日懸命に患者さんに向き合い続けています。
アフガニスタンでは、女性は女性医療従事者からしか保健医療を受けることができません。そのためこのクリニックは、妊産婦の産前健診や出産介助、ケガや病気の治療、家庭内暴力に苦しむ方のカウンセリングなど幅広い医療と支援を提供できる、地域で代替のない存在です。貧困によって食事が取れず、栄養不足により免疫力の落ちた女性や子どもが多く、食糧支援を求めてクリニックを訪れる人もいます。
ジョイセフが運営する母子保健クリニックは、今や女性のいのちと健康を守る“最後の砦”となっています。
医薬品・設備・人手ともに不足している上、医薬品の価格も高騰しているため、クリニックの運営を継続し、ニーズに応えていくために、ご支援をお願いします。
2025-12-26 20:13
【アフガニスタン母子保健クリニックより】 ご支援の御礼と現在の状況(12月11日オンライン報告)
ジョイセフ現地連携NGO
アフガン医療連合センター 事務局長
アブドゥル・ワリ・ババカルキルより
日本のみなさまへのご支援の御礼と、現在のクリニックに訪れる女性や子どもたちの様子や、クリニック運営を取り巻く周辺の状況について報告がありました。
日本のみなさま、アフガニスタンの人々のためにあたたかいご支援をありがとうございます。
アフガニスタンの人々を取り巻く状況は、ここ数か月でさらに深刻さを増しています。
政変による情勢の変化により、国内では男女ともに働く機会が極端に限られています。特に女性は、医師などの一部のエッセンシャルワーカーを除き、就労が認められていません。さらに、海外からの保健・教育分野への支援が停止し、現地では必要な支援が十分に届かない状況が続いています。
こうした中、地震での被災による避難移住や、紛争から逃れていた人々の強制帰還が重なり、母子保健クリニックのあるジャララバード周辺では人口が急増しています。
毎日およそ2,000世帯が紛争によって避難していたイランやパキスタンからアフガニスタンへ戻ってきている状況で、特にジャララバードはパキスタン国境に面している地域のため、パキスタンからの避難民で溢れています。
加えて、気候変動の影響で雨がほとんど降らず、深刻な干ばつが続いています。その結果、呼吸器系の疾患が増加し、農作物も育たないため、食糧不足と栄養失調に苦しむ子どもや女性が後を絶ちません。こうした状況の中で、女性と子どもたちに必要な保健医療サービスを守り続けるためには、
・クリニックの医療体制の維持、サービスや設備の質の向上
・価格高騰、不足している医薬品や医療物資の安定的な調達
が急務となっています。
私たちは、医療や教育へのアクセスが難しいアフガニスタンで、医療従事者として責任をもって活動していきます。
日本の皆さんのご支援にスタッフ一同、心から感謝しています。私たちの命を支える活動を止めないために、どうか引き続き日本のみなさまのご支援をお願いいたします。



