
はじめに
10年前の熊本地震で、熊本県は震度7の揺れを二度経験しました。それから10年。熊本は、再び大きな地震に襲われました。今、被災地では、自らも被災しながら地域のために動いている人たちがいます。
物資を運ぶ人。子どもや保護者に寄り添う人。高齢者や障害のある人の困りごとに気づく人。必要な支援と人をつなぐ人。——こうした一人ひとりの動きが、被災地の暮らしを支えています。
このプロジェクトでは、単発で協力する人には活動実費を、継続して役割を担う人には仕事として対価を支払います。
地域の人が、地域を支える仕組みをつくる
子ども、介護、障害、女性・親子、物流、情報整理など、それぞれの分野に経験や専門性を持ち、地域に根差して活動してきた人を、適切な対価を受け取る分野別コーディネーターとして位置づけます。地域の人だからこそ、表に出にくい「声なき声」に気づき、必要な人に必要な支援を届けることができます。そして、支援活動が終わった後にも、活動を通して育まれた人と人とのつながりや、これまで以上に強くなった地域の関係性が残ります。
- 単発で協力する人
交通費、ガソリン代、保険料など、活動に必要な実費を補助します。 - 継続して役割を担う人
短期雇用や業務委託など、実態に合った形で適切な対価を支払います。
ニーズに応じて、支援の形を自己修正する
災害時のニーズは、時間とともに変化します。発災直後は物資の運搬が必要でも、その後は、子どもの居場所づくり、介護・障害分野の支援、生活再建の情報提供、連絡調整、活動記録などが必要になります。
現場の声を聞く → ニーズを把握する → 支援と仕事を設計する → 実施・記録する → 振り返る → 見直す
最初に決めた内容を固定せず、支援内容、仕事内容、人員配置、活動期間、資金の使い方を、現場の変化に応じて見直し続けます。これは、対話を通して状況を捉え、自らの行動を修正していく「自己修正モデル」を、災害支援の現場で実践する取り組みです。
外部支援を、地域に残る力へ
外部から来た支援者は、災害が落ち着けば地域を離れます。一方、地元で暮らす人は、その後も地域に残ります。
だからこそ、地元の人が支援の中心に関わり、地域の中に人と人とのつながりを育てることに意味があります。
外部から届いた知識や資源を、地域に残る人材・仕事・知識・記録・つながりへ。
災害後にも、子育て、福祉、防災、地域活動につながるネットワークを地域に残すことを目指します。
なぜ「支援する人」も支えるのか
災害支援では、被災した方への支援が最優先です。
その一方で、実際に支援を届けるためには、現地で声を聴く人、物資を運ぶ人、支援先との調整を行う人、寄付金を管理する人、活動を記録して社会に伝える人が必要です。
これらの仕事がすべて無償の善意や個人の持ち出しに依存すると、活動を続けることが難しくなります。
支援を担う人が疲弊し、孤立すれば、結果として必要な人に支援が届かなくなります。
だからこそ本プロジェクトでは、被災した方々への直接支援とともに、支援を届けるために必要な活動実費や運営費も、寄付金の使途として明確に位置づけます。
支援を受ける人を支え、その支援を担う人も支える。
この両方がそろうことで、支援は無理なく継続し、必要な場所へめぐっていくと考えています。
日本パブリックリレーションズ学会が、この挑戦を支えます

日本パブリックリレーションズ学会は、クラウドファンディングによる資金調達と学術研究の両面から、この挑戦を支えます。
「支援を担う人にこそ、支援が届かない」。
この見過ごされてきた課題に光を当て、被災地で人を支える人を支える。そして、こうした支援が個人の善意頼みで終わらず、やがて行政や社会の仕組みとして根づいていくよう、実践と研究の両面から社会に働きかけていく——それが、学会がこのプロジェクトに取り組む意味です。
現地では、『NPO法人 SDGs Association 熊本』と連携し、現場の実践を担っていただきます。Relations支援プロジェクトのメンバーは、事務、情報整理、記録、広報などを支援します。
学会は、ニーズの変化に応じて支援の形が、相互コミュニケーションを通じてどのように自己修正されたのかを研究し、今後の災害支援や地域づくりに生かせる知見として社会へ還元します。
会長メッセージ
このたびの熊本での地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
災害時に求められるのは、一方的に支援を届けることではありません。刻々と変化する現地の状況を捉え、声に耳を傾け、必要に応じて自らの判断と行動を修正し続けることです。
同時に、支援を担う人々の善意や自己負担だけに依存する仕組みも、見直さなければなりません。支援する人が疲弊すれば、必要な支援を継続して届けることはできません。
本プロジェクトは、「倫理観」「双方向性コミュニケーション」「自己修正」を基盤とするパブリックリレーションズを、災害支援の現場で実践する取り組みです。被災した人、地域で支援を担う人、専門家、行政、企業、研究者など、多様なステークホルダーをつなぐマルチステークホルダー・リレーションシップマネジメントを実践し、その知見を社会へ還元してまいります。
支援を必要とする人と、支援を担う人。その双方を社会全体で支え、災害後にも地域に力とつながりが残る新たな関係性を、ともに築いていきたいと考えています。
皆さまのご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。

一般社団法人日本パブリックリレーションズ学会
代表理事・会長 井之上 喬
ご寄付の使い道
● 活動する人の交通費、ガソリン代、保険料などの実費補助
● 継続的に活動する人や地域コーディネーターへの人件費・謝金
● 活動記録、情報整理、事務、広報、遠隔支援に必要な費用
● 会計・労務・安全管理など、プロジェクト運営に必要な費用
現場のニーズは変化するため、活動記録と判断の経緯を残しながら、必要な支援へ柔軟に配分します。
最後に
被災した人は、支援を受けるだけの存在ではありません。自分の経験や専門性を生かし、地域を支える力を持つ人でもあります。
このプロジェクトは、その善意だけに頼り続けるのではなく、活動費を支え、継続的な仕事には対価をお支払いします。
そして、外部支援が終わった後も、地域に人と人とのつながりを残していきます。
皆さまからのご寄付は、被災地で支援を動かす人を支え、地域に力を残すための資金になります。
この挑戦に、どうか力を貸してください。




