
活動概要
今回のワークショップは「国内の舞台作品のサスティナブルな事例を学び、実践につなげる」を副題として、英国の最新動向レポートから国内の実践事例紹介、そして参加者全員でのグループワークまで、多岐にわたる内容で実施しました。
前回同様、文化施設の職員や劇団を運営するスタッフ、演奏家など、舞台芸術に携わる様々な方に講座にご参加いただきました。
前半は基調レポートと3つの事例紹介を行いました。
基調レポートは、英国に留学中の大島広子氏(イマジネーション・グリーン代表)から、英国の最新動向として、芸術文化団体が助成を受ける際に温室効果ガス排出量の計測・報告が条件の一つとされ、芸術文化活動における環境対策に具体的なアクションが求められてきていることをご紹介いただきました。
1つ目の事例は、KAAT神奈川芸術劇場が2025年2月に上演したKAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2『花と龍』(脚本:齋藤雅文、演出:長塚圭史)における「マテリアル・インベントリー(材料台帳)」作成の試みを紹介しました。
2つ目の事例は、舞台美術家・長峰麻貴氏から、運搬用の木製パレットが、役割を変えながら複数の場所を「旅」したユニークな事例『パレットの旅』をご紹介いただきました。
3つ目の事例は、日本大学芸術学部演劇学科の学生たちが、総合実習公演『ノラ 人形の家』(原作:イプセン、翻案:ステフ・スミス / 2024年9月上演)において、日本で初めてシアター・グリーンブックの「基本(Baseline)」レベルの認証取得に挑んだプロセスをご紹介いただきました。

後半は、「地域の広場で開催される、伝統的な市民参加型ダンス野外公演のサステナブルな実行計画を立てる」をテーマに、環境に配慮しながら実施するイベントの企画を立てるグループワークを行いました。
6つのグループが、それぞれに自由な発想でアイデアを出し合い、創造的で楽しさに満ちたイベントの企画ができあがりました。

ワークショップの詳細は、別にレポートをまとめていますのでぜひご覧ください。
第2回 グリーンシアター・ワークショップのご報告
KAATにおいては、今後も継続的にグリーンシアター・ワークショップを開催してまいります。
活動実績
KAAT人材育成プログラム
グリーンシアター・ワークショップ 〜持続可能な舞台芸術を目指して〜
ファシリテーター:大島広子(舞台美術家、一般社団法人Image Nation Green代表理事)、鈴木奈津子(Image Nation Green)、堀内真人(KAAT神奈川芸術劇場支配人)
日程:2025年3月11日(火)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
参加者:25名
参加者のアンケートから
- バックグラウンドが異なる人とのコミュニケーションが大変有意義な時間と感じました。
- 視野が広がりました。
- 環境負荷や働き方と演劇業界のあり方にずっと疑問を持っていたので、グリーンブックを知った時はここにあったのかという思いでした。