神奈川県立音楽堂は、日本で初めての本格的な公立音楽専用ホールとして1954年に開館しました。
ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに、最高の音響効果をあげるように設計されたホールは、天井・芯材・壁面がすべて木で作られ、開館当時『東洋一の響き』と絶賛されました。
国内外から高い評価を受け、日本の戦後音楽演奏史の一角を担ってきたこのホール独特の響きは、今でも人々に感動をあたえ、一流の音楽鑑賞体験をお届けすると同時に、県民の活動の場として親しまれ続けています。
戦後モダニズム建築の巨匠・前川國男によるデザインは、令和の時代、ますますその存在感を増しています。モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境のための国際組織 “DOCOMOMO Japan” による、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」にも選ばれ、令和3年8月には隣接する県立図書館と合わせて県指定重要文化財に指定されました。
2025-12-24 09:54
ホール客席椅子の背張りを張り替えました
これまでにいただいた寄付金を使って、客席椅子の背張りの張り替えを行いました。
実施概要
- ホール座席の背張り張り替え作業 6席分
- 活用させていただいたご支援の額 272,800円
張り替え前の座席

音楽堂の椅子は、木のホールの音響効果の一部となるよう、背板は天然木でつくられ、長時間の音楽鑑賞にたえるよう座面と背それぞれにクッションがきいた特別仕様のため、一度に客席すべての座席の張り替えをするには多額の費用と時間がかかります。
そのため、長期間の休館をともなう大改修工事の際などに、客席の3分の1ずつまとめて張り替えを行うなどしてきましたが、それでも布の部分に左のような傷みが見られるものが出てきます。
こうしたものは一つ一つ選んで張り替えをする際に、皆様からのご支援を活用させていただいております。
張り替え後

傷んだ背の布がきれいになり、へたっていたクッションもしっかりしました。
2025年12月までに、下記の席番の椅子の背の張り替えをさせていただきました。
4列36番 9列30番 15列1番
15列32番 16列33番 19列32番
音楽堂を訪れた際は、ぜひ座ってみてください。
引き続き、音楽堂では設備や備品をひとつひとつ丁寧にメンテナンスをしながら未来にその価値を継承してまいります。
今後とも、ぜひ音楽堂のご支援をよろしくお願い申し上げます。

