活動・団体の紹介
NPO法人くにたち農園の会は、東京都のほぼ中心に位置する国立市の中でも都市部では貴重な里山環境・田園風景と生態系が残る谷保地域で活動しています。
・年々減少していく都市農地の存続を目指した農地の活用
・コミュニティ農園を拠点とした不登校支援・居場所活動・自然体験活動
を行うNPO法人です。
活動の背景、社会課題について
1. 2023年度の不登校者数(小中学校)は約30万人
文部科学省の調査によると、
2023年度10月時点での小中学校における不登校者数は29万9048人
前年度比で22.1%増加しています。
その一方で、フリースクールや子どもの居場所の整備は
民間やボランティアに頼っている実態があり
まだ十分とは言えません。
当法人が2020年より運営する「フリースペースはたけんぼ」事業には、2026年現在、主に学校に通っていない小中学生約60名が登録し、屋根や壁のない「くにたちはたけんぼ」に広々とした空の下、それぞれが自分のペースで過ごし、学校へ戻る、進学などの選択へとつながっています。
2.激減する東京都の田んぼ 都市農地の現状
田の面積の推移(残存率 / 基準:平成2年)
令和3年の東京都農林水産統計データと、2021年の統計くにたちによると田んぼの面積は1990年から2020年の30年間において東京都で64%、国立市で85%減少しています。
都民の85%が「農業・農地を残したい」と回答
令和7年度第3回インターネット都政モニターアンケート「東京の農業」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/...
また東京都のアンケートでは、「東京の農業・農地を残したいか」という問いに対し回答者全体の85%が「残したいと思う」と回答しています。
3. 日本の若者、“将来がたのしみ”ではない?
2022年に日本財団が6か国の若者(17~19歳)を対象に行った調査では、自身の将来や目標についての質問で、日本が軒並みワースト1位という結果。多くの若者が、将来に不安を抱え、幸福感を得ることが難しい日々を過ごしているといえます。
自身の将来や目標に関する質問で、全ての項目で日本は6カ国中最下位となった。特に「多少のリスクが伴っても、新しいことに沢山挑戦したい」「多少のリスクが伴っても、高い目標を達成したい」は低く、5割を下回ります。
4. 子どもの頃の体験活動が、物事にチャレンジし、困難を乗り越える力を育む
文部科学省のアンケートでは、自然体験が多い子どもの方が、自然体験が少ない子どもよりも自己肯定感が高くなるという結果が示されています。
くにたちはたけんぼの自然体験!、農的な暮らし・動物とのふれあい、人とのつながりの中で、心と身体の育ちに大切な要素がたくさん含まれています。
出典:文部科学省 令和2年度「体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクト」青少年の体験活動の推進に関する調査研究
https://www.mext.go.jp/content/20210908-mxt_chisui01-100003338_1.pdf
活動内容の詳細、実績について
NPO法人くにたち農園の会では、
・都市農地や里山環境を保全・活用する「農園事業」
・0歳〜中学生までを対象にした自然体験活動、不登校支援などの「子育て事業」
を両輪に、双方のメリットを生かし合った事業を展開し、10の事業と5つの事業所を運営しています。
農園事業

「育てる」から「作る」「食べる」までを一貫体験 農体験プログラム
田植え、稲刈り、収穫祭までの田んぼ体験、野菜を育てて、収穫していただく食育農業体験、藍を育てて伝統的な沈殿藍の技法で染める「くにたち藍染」や季節の植物で染める草木染めなど、子ども向けから本格的な技術講習まで網羅した染色体験、綿を育てて収穫し、紡いだ糸での手織り作品制作、お家での「プチ養蚕」とSNSでの情報交換を楽しむ「お蚕フレンズプロジェクト」など、幅広い農体験プログラムを企画しています。

コミュニティ農園「くにたちはたけんぼ」
毎年7000名以上が訪れる「くにたち農園の会」の代名詞といえるコミュニティ農園。
烏骨鶏やウサギ、山羊などの動物を飼育しており、竹のアスレチックや土管などの遊具に加え、隣を流れる府中用水には蛙や魚、ザリガニなど多様ないきものが生息し、農園・子育て両事業の重要拠点として活用しています。
ここでできることは農作業だけではありません。遊びや学びの場、交流の場やビジネスの場として、都市の農地ならではの新しい関わりが見えてきます。

暮らしのアトリエ「藍と土」
育て、染め、耕し、食をつくり、集まる。大人が真剡に学び、楽しむ姿を次世代へ。
暮らしのアトリエ「藍と土」は、畑や田んぼ、地域の資源と人々をつなぐ「地域共生の場」として集いの場を創設していきます。
コミュニティ菜園「みんな畑」と「アトリエ」は、「くにたち藍染」や季節の草木染めの舞台。
畑では藍染の原料となる藍や野菜を育てて、アトリエでは染色だけでなく、梅干しや味噌造り、酵素作りなど、食や暮らしに関わる手仕事のワークショップを多数開催しています。

ゲストハウスここたまや
昭和の趣あるアパートを改修したゲストハウス。谷保の農家が営んできた築50年以上のアパートを一棟まるごとリフォームして、住宅兼の「民泊」として2019年から運営しています。
一橋大を中心とした学生団体「たまこまち」と協働し、国内・海外からの旅行者に田畑とつながる宿泊・食農体験を提供。
農林水産省「農泊」推進事業、東京都「多摩観光推進協議会」、国立市観光まちづくり協会など、各方面と連携し東京・谷保の魅力を世界へと発信する拠点となっています。
ゲストハウスここたまやを中心に展開されるくにたち農園の会の農泊事業は、
農林水産省が推進し、株式会社JTBが実施・運営する「農泊事業事例集」に、企業の農活動形態・大学と農泊地域との連携の両側面から取り上げられています。
子育て事業
生まれてくる命に知り合うことが嬉しく、楽しみに。国立市谷保は、そんな人との距離が近い地域。この文化は引き継いでいきたい宝物です。温かい地域性を活かしながら、子ども達が自主的に“やってみよう”を育む場が繰り広げられています。0歳から土や空と仲良く、乳幼児期から友達との遊びが学びにつながり、田畑の空間で、新しいチャレンジの奇跡を巻き起こし、「自由さ」や「好き」が育くまれています。

妊婦さん〜乳幼児親子を対象とした「国立市地域子育て支援拠点つちのこひろば」
甲州街道沿いに100年近く前から建つ古民家の大きな和室で、ゆったりとした親子の時間を過ごしています。わらべうたや親子で身体を使ったwsのほか、子育て相談や、各家庭へ主張で相談を受ける「おうちひろば」、特別な医療的ケアを必要とする親子のための「医療ケアっ子の時間」も実施。

幼児期の保育を行う「認定子ども園かえるの森」
保育理念は「わたしらしくのびやかに生きることを支える」
子どもも大人も自然体で、ありのままにその人らしく生きることを大切にする場所です。園舎の周りの原っぱや、公園、谷保天満宮、はたけんぼ、ママ下湧水など、たくさんお散歩へ行き、季節の自然や生き物とも触れ合いを大切にしています。給食はこだわりの自園給食。お散歩先までお弁当配達に行くこともしばしば。

乳幼児親子〜小学生までの自然体験「森のようちえん谷保のそらっこ」
子どもが育つ3つの間、「時間・空間・仲間」。一人ひとりの「間」を大切に、“ 楽しい” を生み出す力を育む自然遊びひろばです。
1歳〜小学校低学年親子対象の「おやこひろば」、年長〜中学生までの「こどもひろば」を展開しています。

不登校支援「フリースペースはたけんぼ」
畑や自然の中で体を動かす“動の学びの場”「はたけんぼコース」、静かに過ごし、ゆっくりと心を整える“静の居場所”「谷保の寺子屋コース」、2つの居場所で活動しています。
時には仲間と。時にはひとりで。手を動かし、体を動かす中で、実体験を伴った喜びや達成感を共有したり、お互いの価値観の違いに気が付いたり。
どちらのコースにおいても、すべての経験を大切にしながら、”学校だけが居場所じゃないよ”のメッセージを伝え続けています。
国立市内全小中学校を始め、近隣市小中学校の出席扱いの実績、複数校あり。東京都による「フリースクール等利用者等支援事業」に採択されています。

放課後時間を畑で自由に過ごす「放課後クラブニコニコ」
はたけんぼ放課後クラブ「ニコニコ」は、はたけんぼ自然の中で、学校、学年が違うさまざまな個性の友だちと共にのびのび過ごす放課後クラブです。
ニコニコでは畑仕事や染め物、木工などのクラフト、用水の生き物探しなど週替わりで様々なプログラムを行なっていますが、プログラムへの参加は子どもたちの意思に任せています。プログラムも、今夢中に遊びも子どもたちの「やりたい」気持ちを大切にしています。
放課後クラブニコニコでは、行政の就学援助を受けている家庭を対象に、費用免除制度を設けています。

国立から飛び出して大自然の中へ「旅する学校」
国立の身近な自然から飛び出し、冬は大きな雪原で思いっきり雪遊び、夏はダイナミックに海を満喫など、各地の大きな自然をフィールドに多様な体験を仲間と一緒に楽しみます。
代表者メッセージ
みんなで分かち合い、助け合う地域を作ろう!
コミュニティ農園「くにたちはたけんぼ」開園より10年以上の時が経ち、いまでは地域に5つの事業所を抱えるNPO法人として活動の幅を拡がってまいりました。
学生の頃より関わりを持ち、自分自身の居場所としての農地・団体が、いまでは毎年累計1万人を超える人が訪れ、多くの方の居場所の一つになっています。開園当初まだ幼かった子どもたちが、いまでは子どもたちを見守り、育てる側へと成長しているのを目の当たりにし、我々の土に根差した地道な歩みが確かなものであったと感じています。
この10年間大事にしてきた活動の根本は変わりません。
土に根差し、目の前にある大切な資源をできる限り守り、分かち合っていくこと。そして、思い切り遊ぶこと。その結果として、今の活動の拡がりがあると思っています。
世の中では、様々な危機が叫ばれ、恐怖や不安が多く渦巻いている中、文字通り地に足を付けて生きること、そして恐れや不安からの分断を選択するのではなく、お互いを尊重し、歩み寄り、助け合あえる地域、そして個人の在り方がこれからの時代に必要においてとても大事なことだと感じています。
是非、助け合える楽しい地域をつくっていきましょう。

理事長 武藤芳暉
寄付金の使い道について
みなさまからのご支援は、
- 都市の農地を活用した子どもの居場所づくり(放課後クラブ参加家庭への費用免除など)
- 農地の保全(田んぼ保全を中心とした農地を維持するための活動の人件費をはじめとする費用)
- 持続的な法人の運営(事務局運営費用)
のために活用していきます。

