【ウリハッキョなるもの】

大谷和雄

私には「ウリハッキョ」と呼べる学校があるのだろうか。たしかに子ども時代に通った学校は今もあり、それなりに愛着もある。でも多くの人たちが集まって心から楽しめる「マダン」なるものはない。

　権力からの援助はなく、自分たちの才覚だけで学校を運営しなくてはならないのは大変な苦労だ。しかし、その苦労の中でこそ「ウリハッキョマダン」が生まれ、そこに集まる仲間の連帯が生まれたのだ。だから、そうした苦労のない日本の学校にあたりまえのように通っていた私には「ウリハッキョ」というほどの思い入れはない。でもその代わり、毎年朝鮮学校の「ウリハッキョマダン」に参加している。とにかく楽しいのだ。そして参加者や子どもたちの生き生きした表情に元気をもらっている。

  首相辞任というニュースが流れてきた。しかしそれで朝鮮学校をとりまく状況が劇的に変わることは想像しにくい。一方で「ウリハッキョマダン」は毎年確実に仲間を増やしている。時間はかかるかもしれないが、状況を変えるのは首相辞任ではなく「ウリハッキョマダン」なのだ。

　これまでの実行委員会のみなさんや子どもたちをはじめ、関わってこられた多くの方たちに心から感謝します。今年は集まれなかったけれど、来年はまた、ビールとマッコリの完売に協力するために参加します(^o^)v