活動・団体の紹介
埼玉県で「保護猫カフェねこかつ」を運営しております、一般社団法人ねこかつと申します。私どもは、現在埼玉県内で2つの保護猫カフェ(川越市、さいたま市北区)と1つのシェルター(川越市)を運営する猫の保護団体です。
2つの保護猫カフェとシェルター、預かりボランティアさんのもとで、常時200頭~ 250頭くらいの猫を保護し、年間約500頭の猫を里親さまのもとへ送り出しています。ねこかつを立ち上げから12年目に入り、現在までに約 5000頭の猫を保護して里親さまへ繋げることができました。
活動の背景、社会課題について
日本では、毎年多くの猫が殺処分されています。20年前は約24万頭もの猫が行政で殺処分されていました。動物愛護活動の認知や、保護猫を家族に迎えたいという意識の向上もあり、状況は大幅に改善されていますが、直近(令和5年度)でも約7千頭の猫たちの命が、人間の身勝手な都合で失われています。そして、この行政に収容されて殺処分される猫の数は、行き場のない猫たちの極々一部にすぎません。行政殺処分数の何十倍、何百倍もの猫たちが、生きていくことができず不遇の死を遂げている現状は今も変わりありません。
また、悪徳ブリーダーによる虐待的な飼養管理や過度な繁殖、子猫に大きな負担を強いるペットショップの流通システムなど、ペットビジネスにまつわる問題も見逃せません。こちらも動物愛護法案の改正などで悲惨な現状が明るみになりつつありますが、まだまだ理想とは程遠い状況と言わざるを得ません。
そして、猫を飼育する飼い主のリテラシーも問われています。ねこかつでも多くの猫に関する相談が寄せられますが、ご高齢の方が入院されて猫の行き場所がない、不妊去勢手術を怠って多頭飼育崩壊になってしまったなど、見通しの甘い安易な飼育の結果、猫たちを不幸な目に遭わせてしまった事例が数多くあります。
活動内容の詳細、実績について
そうした行き場のない猫たちを、ねこかつ では毎日のように保護しています。多い時では日に5~6件も相談が寄せられるため、すべてを受けることはできませんが、できる限り相談に応じ、TNRや保護をし、猫たちの命を救うためにスタッフとボランティアさんみんなで協力して活動しています。毎月無料で参加できるTNR勉強会の実施や、捕獲器の貸し出しも行っています。
また、ねこかつは保護だけでなく、保護した猫たちを里親さまへ繋ぐ活動に力を置いてきました。これはひとつひとつの命を助ける活動ももちろん大切ですが、それと同じく保護した猫たちを里親さまへ繋ぐことにより、猫の保護活動が認知され広まり、今の社会をより猫に優しい社会へ変えていく力となると信じているからです。
様々な企業さまのお力添えもあり、現在ねこかつでは、地元不動産会社の住協さまでの譲渡会、大手ホームセンター島忠さまでの毎週末の譲渡会(今では珍しくなくなったホームセンターでの譲渡会も島忠&ねこかつのコラボが日本初でした)、IKEAさまでの譲渡会(世界的に初だそうです)、日本最大級のパナソニック保護犬猫譲渡会、朝日新聞築地本社での保護猫譲渡会、パティシエの鎧塚俊彦さまにお声がけいただいた東京・京橋でのエンジン01保護犬猫譲渡会、大型ショッピングモール・ステラタウンさまでの譲渡会などを行っています。
こうした猫の保護・譲渡の活動を積み重ね、2018年には2店舗目となる大宮日進店をオープン、2019年には保護猫シェルターを開設しました。2024年7月からは、メンタリストDaiGoさんが立ち上げた東京南青山のD-lab Cafè (保護猫カフェ)との協力も始まりました。
近年は、国や環境省の行う動物愛護法改正の議論の場にお呼びいただき発言させていただく機会も増え、2024年4月には大宮で動物愛護シンポジウム「STAND UP FOR ANIMALS」を開催しました。EVAの杉本彩さんや有識者の方をお呼びしたこのシンポジウムは、動物愛護史上おそらく初となる1000名以上の方にご参加いただきました。
そして2025年、クラウドファンディングでご支援を賜り、現在2つ目の保護猫シェルター増設に向けて動いています。より多くの猫たちを不幸な環境から救い出し、年間700頭の保護・譲渡を目指しています。
代表者メッセージ
生まれた時から家aに猫がいる環境でした。子供の頃、公園のすぐ横に住んでいたため、何度も捨て猫に出会い、拾ってくるということがありました。そんな子供時代でしたので、犬や猫が殺処分されていることも小学生の頃にはすでに知っていました。学校の作文に「将来は保健所にいる犬や猫を救いたい」と書いたこともありました。そして、もう20年近くも前のことになりますが、「自分にできることを」とTNR活動をはじめました。
その後、転機になる出来事が起きました。2011年の東日本大震災です。
いてもたってもいられず、地震から約1ヶ月後の4月頭、いまでもお世話になっている神奈川県川崎市の保護団体である犬猫救済の輪さまの呼びかけに応じ、福島県大熊町・双葉町という原発が見える場所まで犬猫のレスキューに入りました。
人がまったくいない町の中を取り残された犬たちが走り回り、お腹を空かせた猫がすぐに捕獲器に入る。その異様な光景はいまでも忘れることができません。
しかし、TNRを中心に活動してきた自分には保護することができない。大きな無力感に襲われました。「自身でも猫たちを保護できる施設を持ちたい」「もっと助けたい」「殺処分なんて1日でもはやく終わらせたい」。
福島でのレスキュー後、仕事をやめ、2013年3月16日に保護できる施設を持つという夢を実現させ、「保護猫カフェねこかつ川越店」をオープンしました。それからあっという間に12年が過ぎ、現在に至ります。たったひとりではじめた活動ですが、今では150名以上のボランティアさまにご協力いただいています。
2013年にひとりで立ち上げた保護猫カフェねこかつは、新聞、テレビ様々なメディアに取材していただき、2019年には「情熱大陸」にもとりあげていただきました。
また2022年にはねこかつの活動を取材していただいた「ねこかつ!ずっとのおうちが救えるいのち」(岩崎書店)が出版されました。
寄付金の使い道について
いただいたご寄付は、保護した猫たちのワクチン代や避妊去勢費といった医療費、フード代、消耗品などに充てさせていただきます。物価高の影響もあり厳しい状況ですが、より多くの猫たちを救い出すため、ねこかつは歩み続けます。いつもお願いばかりで大変心苦しいのですが、ぜひねこかつを応援していただき、そして保護猫たちの未来を見守っていただきたく、温かいご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。