こども宅食が今、必要な理由
ー地域から孤立し、SOSが見すごされる親子がいますー
日本では、相対的貧困の状態にある子どもが約200万人いると言われています。しかし、見えている困難は氷山の一角にすぎません。
経済的な困窮に加え、心理的なハードルや周囲の偏見など、さまざまな要因が重なり、苦しい状況にあっても誰にも頼れず孤立してしまう親子がいます。

実際に、多くの家庭が困難を抱えているにもかかわらず、自治体の窓口やフードバンク、こども食堂など、既存の支援をほとんど利用していないことも分かっています。

だからこそ、福祉のあり方そのものを変える必要があります。
複数の問題を抱えた親子が、社会とのつながりをもつことが難しく、「助けて」と言うことができない。どうしたら、この課題を解決できるのか。
待つのではなく「届けに行く」という転換が『こども宅食』です。
こども宅食とは
こども宅食は、地域のボランティアなどが家庭に出向き、直接支援を届けていく「アウトリーチ型の支援」です。
様々な困りごとを抱えた子育て家庭に、定期的な「食のお届け」を実施し、LINEや配送時の対面によるやりとりから、少しずつ「つながり」を育てていきます。
そして、日々のコミュニケーションから、家庭の状況を把握したり、状況が悪化する予兆を見つけ、必要な情報や適切な支援につなげることを目指しています。

利用家庭のストーリー
「心を閉ざしていた高山さんが、親子で輝きを取り戻すまで」
ミナトくんとメイちゃんという二人の小学生のお子さんを持つシングルマザーの高山さん。
元夫からのDV被害を受けて転居し、生活の再建を模索する中で、こども宅食に出会いました。
二人の子どもを抱え、非正規雇用で必死に働く日々。周囲に壁を作り、誰にも頼れずにいました。支援員の菊池さんが食品を届け始めた頃、「すごく暗くて、目も合わなかった」と言います。
しかし、半年、1年と届け続けるうちに、
「寒い中ありがとうございます」と菊池さんを気遣う言葉が出るようになりました。

不登校の状況だった長男のミナトくんにも、大きな変化が起こりました。
支援団体が企画したバスケットボール観戦がきっかけとなり、
「ミナトくんの目の輝きが変わった」と、菊池さんは語っています。
ミナトくんは、バスケをするために学校へ行くようになり、
友達に対しても、積極的に声をかけられるようになったのです。

今では、高山さんは正規の職に就き、
自ら「次に困っている人のために場所を譲りたい」と支援からの卒業を申し出ました。
「いずれは、こども宅食のスタッフとして支援に加わりたい」と語ってくれています。
※ある地方都市における、こども宅食の支援家庭の実話です。名称は全て仮名です。
あなたの寄付でできること
あなたのご寄付から「親子のとなりで伴走する人」を増やす
皆さまからのご寄付は、全国各地で活動するこども宅食実施団体への伴走支援や活動基盤づくり、社会全体への発信・政策提言などに活用されます。

親子を見守る「地域のつながり」を、全ての市町村に
2018年から「こども宅食」の全国普及に取り組んできた結果、こども宅食の実施団体は全国47都道府県まで広がりました。この成果は皆様からのご寄付によって生まれたものです。

しかし、親子が抱える困難は、単に「見守る人を増やす」だけでは解決できません。
一軒一軒の家庭を丁寧に訪問し、支援員が寄り添い、関心を寄せ続け、少しずつ心のドアを開くことで、家庭の前向きな変化を生み出しているのです。
こうした変化は、半年、1年、時には数年をかけて生まれるものであり、継続的なご寄付なくしては、各地の活動を支えることができません。

親子の身近に暮らす人たちが、互いに声をかけあい、
どんな人も『誰かに頼っていいんだ』と、思える。
皆さんとともに目指したいのは、
そんなふうに、こどもたちのとなりに『ぬくもり』がいっぱいに溢れる未来です。
ご寄付いただいた方には、活動の様子を定期的にお届け
します
ご寄付下さった方には、こども宅食を通じて生まれた親子の変化をまとめた、ブックレット「『こども宅食』から生まれた物語」を贈呈します。
また、ご寄付によって、親子にどのような変化が生まれているのか、現場の声を定期的にお届けします。各地で奮闘する支援員の活動や成果を、ぜひ見届けてください。
こども宅食の活動を支え、「孤立を生まない社会」を創る仲間として、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

代表理事 原水より
物価高騰が家庭を直撃しています。苦しい状況を誰にも言えず、周囲からも気づかれず、孤立してしまう親子が増えています。虐待やヤングケアラーの問題は、孤立状況が先鋭化し、表出したものと私たちは考えます。
私たちには、支援を必要な親子に届ける力が、もっともっと、必要です。
「こども宅食」は、誰にも頼れず孤立してしまう親子に、一軒一軒食品を届けます。
食のお届けをきっかけに、地域の人と親子が少しずつつながりを育み、やがて「頼っていいんだ」と思える。そんな社会を目指しています。
私自身、障害のある方々を支える現場からキャリアをスタートしました。支援にたどり着けず苦しむ人を前に、「なぜもっと早く手を差し伸べられなかったのか」と問い続けてきました。だからこそ、「こども宅食」が全国に広がれば、助けを求められずにいる親子を救えると信じています。
その実現のためには、皆さまのご支援が欠かせません。どうか一人でも多くの親子の隣に「ぬくもり」を届けるために、こども宅食応援団の活動を共に支えていただければ幸いです。

代表理事 社会福祉士・保育士
原水 敦



