活動・団体の紹介
パストラル・ハープ ミニストリーは、心のケアを必要とする全ての人にハープと歌を届ける活動をしています。2013年設立。
定期的な活動は、ホスピスや緩和ケア病棟、老人ホーム、在宅で療養中の方のお宅ですが、生きづらさを抱える方や依存症の方、不眠症に悩む方の元に個別に伺うこともあります。
パストラル・ハープは、「パストラル・ケア(心のケア)」の分野に属していますが、呼吸の緩和や痛みの軽減、不安解消などの効果があります。ハープは持ち運びが可能で音色が非常に美しく、ベッドサイドなどの身近な距離でその音に包まれると、とても安らかな気持ちになり、抱えていた苦痛を忘れると言います。
特に終末期の方の場合、身体的な痛みは医療でケアすることが出来ますが、死に向かう段階で訪れるいくつもの心の痛みを癒す術の一つとしてパストラル・ハープはとても有効です。
演奏は、2年間で講座(実技と理論)と老人ホームなどでの実習を終え、プログラムを修了した奏者が行います。
活動の背景、社会課題について
誰でも、生きる中で心の痛みと向き合わなければならない瞬間が幾度となく訪れます。特に、終末期の心の痛みは他者との共有も難しく、内なる葛藤を強いられます。そんな時に、パストラルハープの音色は静かに寄り添い、精神的な痛みだけでなく身体的な痛みも和らげます。
医療の高度化と高齢化が進む中、患者さんの孤独は増すばかりです。パストラル・ハープは、患者さんだけでなくそのご家族の心の痛みに寄り添います。
活動内容の詳細、実績について
この数年はコロナ禍で活動が制限されましたが、2024年は制限なく活動することができ、2024年4月〜10月(7カ月間)で延べ114日活動し、セッション対象者は481人でした。
主な活動先:東北大学病院、光ヶ丘スペルマン病院、特別養護老人ホーム成仁杜の里、特別養護老人ホームせんだんの杜、Re HOPE仙台青葉、Re HOPE仙台若林、たんぽぽクリニック 等
この他、2ヶ所(リレーフォーライフ仙台、東京現代美術館)で演奏を行いました。
<寄り添いの場面>
病室には娘さんが同席しておられ、Aさんの呼吸はかけた毛布がかすかに動く穏やかな呼吸でした。演奏中、娘さんが静かに涙を拭いました。演奏が終わると娘さんは「母の最期の時に一緒にいてくださりありがとうございました。」と言ってくださいました。(Aさん 70代女性)
Kさんはこう頭癌の手術後で声が出せませんでした。演奏が終わりしばらくの沈黙の後「イギリスに旅をしていました。私の心はとても安らかでした。」と筆談で話してくださいました。(Kさん 60代男性)
<看護の現場から>
当ホスピスでの演奏活動は、患者さんをディルームにお連れして演奏を聴いていただくというスタイルですが、ハープの演奏は個室訪問が可能という点で、患者さんおひとりお一人に寄り添うケアができると感じています。将来的にはホスピスの患者さんだけではなく、すべての患者さんに対してハープを届けることができればと思います。今後もパストラル・ハープで多くの方々が癒されることを願っています。 (光ヶ丘スペルマン病院緩和ケア病棟看護師Uさん)
代表者メッセージ
私は日本ルーテル大学での「リラ・プレカリア」(3期)を修了し、仙台で2013年に「パストラル・ハープ ミニストリー」を設立しました。そこから一人手探りでしたが、今年は6期生を迎えメンバーも増え、宮城県内各地でこの活動をみなさんにお届けできるようになりました。更に必要とされる方に届けられるよう尽くしていきたいと思っています。ご支援をよろしくお願いいたします。(代表 横山恭子)