災害時に取り残される要配慮者
要配慮者とは「高齢者、障がい者、妊婦、子供、生活困窮者、外国人など」を指し、「災害弱者」と呼ばれています。
・高齢のため避難が難しい
・赤ちゃんや病人、障がい者を抱え周囲に気を遣う
・スマートフォンやパソコンがなく、情報が届かない
・生活に余裕がなく、修理をすることができない
など様々な難しい状況を抱えておられ、声を上げることができず、我慢強い方も多いために取り残される方が多くみられます。被災家屋の修理も進まず、健康被害や精神的なダメージにつながることになります。
災害救援レスキューアシストでは、そのような要配慮者の被災者を中心に、一般ボランティアでは活動の難しい「プロボノ」と呼ばれる技術的な活動を行なっています。地震や台風の際の屋根のブルーシート張りや、水害にあった被災家屋の床下の作業、チェーンソーでの倒木伐採、倒壊ブロック塀の撤去、そして重機を利用した瓦礫や土砂の撤去などです。これらは全て、被災者の生活を守るための救援活動となります。
なぜプロボノ支援が必要なのか
台風や地震被害での「一部損壊」は、そのほとんどが屋根の被害になります。
例えば大阪北部地震(平成30年)の場合、大阪府全域で57,586件の一部損壊家屋が報告されています。このほとんどが屋根の被害であり、業者に依頼しても修理に取り掛かるまでに数か月から1年以上待つという状況でした。必然的に家を守るために、被災者が自ら屋根に上りブルーシートで応急処置を行なうことになりましたが、落下事故も多くみられました。自分たちでブルーシートを張ることができない要配慮者は、結果的に取り残されてしまうことになったのです。
雨漏りの始まった屋根は2階の天井を腐らせ、次第に1階の居住部分に侵食していきます。カビが蔓延し健康被害や精神的なダメージを与えます。屋根の修理は高額になるため、業者に依頼せずに我慢をしている要配慮者も多くおられます。屋根の活動を終えると、皆さんは笑顔を取り戻されます。雨漏りの防止、通学路などの倒れそうなブロック塀の撤去、水害の浸水被害から発生するカビから生活を守ることなど、すべては被災者の困りごとを取り除き、安心して生活をしていただくための活動です。
このような方々を取り残すことのないように、継続的な支援活動を行っています。実際に大阪北部地震でも一年も経ってからようやく声をあげられた被災者がおられました。地元の社会福祉協議会と情報を共有しながら、要配慮者を次のステップにつなぐことも視野に入れて活動を行なっています。
またブルーシートは直射日光のため劣化します。そのため一度張って終わりではなく、長期間屋根の修理を行うことができない場合は張替え活動も必要になってきます。大きな被害があった被災地では、状況を見ながら1年~2年の長期に渡り活動を続けています。
私たちはプロの大工職人や屋根職人のアドバイスを受け、技術と安全を向上させることで被災者に寄り添った救援活動を続けています。
ご支援の使い道
被災地の支援活動は、皆さまからのご支援で成り立っています。助成金なども利用していますが、すべての活動を網羅することができません。長期に渡り被災地で活動を行なっていくために、様々な内容に使わせていただきたいと考えています。
・被災地支援に掛かる活動費
(拠点運営費、人件費、謝金、交通費、資機材費、消耗品費、通信費、光熱費、食費など)
・スタッフやボランティアの安全を守るための費用
(NPO保険、活動車の保険・修理点検・車検・維持費など、熱中症・防寒対策、安全管理訓練など)
・被災地支援がスムーズに行えるよう、後方支援のための費用
(事務所運営費、事務スタッフ人件費など)
皆様からの温かいご支援が、被災地でお困りの方の力になります。どうぞよろしくお願いいたします。