■ 目に見える行動変容――「言われてやる」から「自分からやる」へ
保健教育の実践を通して、最も大きな変化として各校から共通して挙げられたのが、児童の行動変容です。
多くの学校で、
・給食やおやつの前に石けんで手洗いをする習慣が定着
・児童が自分から進んで手洗いをする姿が見られるようになりました
・爪切りや身体の清潔管理も、児童自身が意識して行うようになっています
また、
・教室・校庭・トイレの日常的な清掃活動が定着
・教員と児童が毎朝・放課後に一緒に清掃を行う学校も増えました
「言われたからやる」のではなく、
「自分たちで気づいて、動く」姿に変わってきていることが、多くの校長・教員の言葉から伝わってきました。
■ 学校菜園・ごみ管理・口腔衛生――広がる実践の輪
各校では、授業にとどまらない具体的な取り組みも進んでいます。
メティナロの小学校では
・学校菜園を造成し、実際に収穫まで実施
・給水設備を利用して児童が水やりを担当し、
・「食と健康」を体験を通して学ぶ機会が生まれています
また、
・歯ブラシ配布をきっかけに、家庭でも歯みがきを実践する児童が増加
・ごみ箱の設置
さらに、
・一部校では皮膚疾患のスクリーニングを実施し、ヘルスポストと連携した治療・予防指導まで行われています
こうした取り組みが、家庭や地域の清掃活動にも波及している事例も報告されました。
■ それでも残る、現場の大きな課題
一方で、会議では継続のための深刻な課題も率直に共有されました。
・水・トイレ・設備の問題
・老朽化したトイレ
・給水ポンプの故障
・動物の侵入による校庭の被害
といったインフラ面の不備が、日常の衛生活動の大きな制約となっています。
・人員・時間の不足
・教員数の不足
・授業時間の確保が困難
・他教科との兼ね合いによる保健教育時間の制限
といった人的・時間的課題も、すべての学校に共通しています。
■ 保健教育が、他教科と学校運営を変え始めている
今回の議論で特に印象的だったのは、
保健教育の授業で用いている「参加型の手法」が、他教科や学校運営にも応用され始めていることです。
歌やクイズを使った授業は
→ テトゥン語・ポルトガル語・芸術文化にも応用
保健に関する絵や教材は
→ 自然科学・体育にも応用
保健教育が「学校全体を変える入り口」になりつつあることが、現場からはっきりと見えてきました。
■ 教員たちが次に学びたいこと
教員たちから、今後さらに学びたいテーマとして次の声が挙がっています。
・栄養・貧血(Anemia)
・狂犬病(Rabies)
・タバコ・酒(嗜好品と健康)
また、
「全教員が研修を受けられる体制を整えたい」
「学校菜園を継続的に運営するための支援がほしい」
といった、継続への具体的な要望も多く寄せられました。
■ 支援が生み出している「確かな変化」
今回の振り返りを通じて、私たちは改めて実感しました。
保健教育は、児童の行動を変え、学校の環境を変え、家庭や地域にも少しずつ広がっている。
それは決して一時的な変化ではなく、
「自分たちで守る健康」への意識が、確実に根づき始めている証です。
この変化は、ひとえに日頃から支えてくださっている支援者のみなさまのお力によって生まれています。
■ これからに向けて
今後は、
・教員研修の継続
・トイレ・給水など学校インフラの改善
・保健教育マニュアルの整備
・学校菜園・給食環境の強化
など、「学び」と「環境」を両輪で支える取り組みを進めていきます。
引き続き、東ティモールの子どもたちが
「病気になる前に、守れる健康」を身につけていけるよう、どうか温かいご支援をお願いいたします。
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