シェアの理念
Health for All! すべての人々が健康に暮らせる世界の実現を目指します。
いのちを守る人を育てる国際協力NGO
特定非営利活動法人シェア(国際保健協力市民の会)は、インドシナ難民の支援活動をきっかけに1983年に設立した国際保健NGOです。健康で平和な世界を全ての人と分かち合うために、草の根の立場から行動を起こした医師・看護師・学生が中心となり集まったのが始まりです。
東ティモールで取り組む課題
独立を果たしてから、23年が経過した東ティモール。しかし母子保健はいまだに優先課題の一つとされています。シェアが活動対象としているディリ県メティナロ郡やアタウロ特別県は、山や海に囲まれた僻地であり、妊娠・出産時に必要な保健医療サービスを利用できない母子が約半数にのぼります。
東ティモールは比較的就学率が高く、予防可能な感染症に関する知識の普及においては学校保健の効果が期待される地域です。しかしながら、多くの教員が保健に関する知識を持たず、学校での保健教育が実施されていないのが現状です。ディリ県の中心部にあるドン・アレイソ郡では、思春期を迎えた子どもたちが「性」に関する教育を受けられず、健康的な生活を送るための適切な意思決定が難しい状況にあります。
住民がライフコースを通じて健康に暮らせる環境を整えるためには、リプロダクティブ・ヘルス全般を担う保健医療従事者と、学校で保健教育を担う教員の双方を対象とし地域ぐるみの取り組みが必要です。
プロジェクトの概要:母子保健サービス活性化事業
このプロジェクトでは住民側、医療従事者側、医療従事者を管理する保健行政の三者が課題改善に向けて取り組むことで、母子保健への関心や理解を促進し、母子保健サービスが身近になることを目指しています。そのために住民リーダーや保健ボランティア、教員、医療従事者などの地域の保健人材の育成支援を行います。

プロジェクトの詳細:母子保健サービス活性化事業
①地域住民の母子保健理解向上のための保健教育活動
地域住民の母子保健への理解を高めるための保健教育活動を推進しています。保健ボランティアへの研修や、村長などのリーダー向けワークショップを通じて、母子保健課題への意識を高め、学校での水道設備整備や感染症予防教育を促進しています。
②保健医療従事者の母子保健サービス能力向上
保健医療従事者の母子保健サービスに関する知識、態度、技術の向上を目指し、普通分娩研修の提供や保健センターでの勉強会支援、医療器材の整備を行っています。これにより、母子保健サービスの質が向上し、住民がサービスを利用しやすくなります。
③保健医療サービス管理システムの改善
行政の母子保健サービス提供の管理能力強化を目指し、保健センターや保健省との協力を通じて、管理運営面での課題に対応しています。保健センターの母子保健支援会議立ち上げ、管理者研修、車両供与と維持管理、県保健局や保健省によるモニタリング活動などを支援しています。
プロジェクトの概要:リプロダクティブ・ヘルス事業
プロジェクトでは学校での性教育を通した生徒へのリプロダクティブヘルス情報の提供と、保健センターによる若年妊婦への適切なケアを促進しています。そのために教員や医療従事者などの地域の保健人材の育成支援を行います。
プロジェクトの詳細:リプロダクティブ・ヘルス事業
①中等・高等学校教員向けリプロダクティブヘルス教育研修
東ティモールの学校教育カリキュラムにはリプロダクティブヘルスに関する教育が含まれていますが、実際に教えられる教員が不足しています。私たちは、生徒に必要な情報を伝えるために、教員向けのリプロダクティブヘルス教育研修を提供しています。
②保健医療従事者向け思春期保健サービス研修
思春期の若者が医療施設を利用する際、適切なケアを提供するために信頼関係の構築が鍵となります。私たちは、保健医療従事者の思春期特有のニーズに対応する知識とスキルを向上させる研修を実施しています。
いただいたご寄付のつかいみち
いただいたご支援は、上記2つのプロジェクトのため大切に使わせていただきます。