笑下村塾

若者たちが「社会は変えられる」と思える未来を、一緒につくりませんか?

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あなたの寄付で、「社会は変えられる」と行動できる若者を増やします。笑下村塾は、若者が社会を自分ごととして考え、行動できるようになる学びと挑戦の場をつくっています。 「理不尽なルールを変えたいと思っても 『昔からそうだから』 で終わってしまった」 「意見を言っても、大人に聞いてもらえなかった」 そんな経験をした若者は、少なくありません。 でも、立場の違う人同士が話し合い、考え続ける中で、社会は少しずつ動いていきます。 若者にもその経験を届けたいと考えています。 若者には、社会を動かす力があります。 その一歩を支える仕組みを、私たちはつくっています。ぜひ、一緒に未来を支えてください。
2026-02-11 19:07
参加した若者の声|『不登校』という言葉を変えてくださいー高校生・もみじさんはなぜ知事を動かせたのか
笑下村塾のプログラムに参加した若者が、社会との関わりの中で経験した変化。 その一人であるもみじさんの声をご紹介します。 【『不登校』という言葉を変えてくださいーー高校生・もみじさんはなぜ知事を動かせたのか】

若者の政治参加は、投票率だけでは測れません。

群馬県は2026年1月、「不登校」に代わり、新たな名称「UniPath(ユニパス)」を使用する方針を発表しました。不登校に対するネガティブなイメージを変えるため、県の「リバースメンター」制度に参加する高校生の提案を受けて実現したものです。

リバースメンターとは、高校生が知事の相談役となり、現役官僚や専門家のサポートを受けながら、自身の問題意識を政策提言としてまとめ、知事に直接届ける取り組みです。

その中心にいた一人が、不登校支援の提言に取り組んできた高校3年生の外所もみじさんです。自身の経験を出発点に、行政と対話を重ねながら「声を社会に届けるプロセス」と向き合ってきました。

そこから見えてきたのは、「私の声」を「私たちの声」へと変えていく実践でした。


出発点は当事者としての実感

もみじさんは、高校生リバースメンターとして不登校支援に関する提言を行ってきました。出発点は、当事者としての実感です。

「不登校の子どもたちが、気軽に自分の『やりたい』を伸ばせる居場所づくりが大きなテーマです」

提言は大きく三つあります。一つ目は、教育支援センターについて。
「以前は“適応指導教室”という名前で、その名称自体が行きにくさにつながっていると感じていました」
二つ目は、支援情報の在り方です。
「不登校を経験したとき、情報が散乱していて、どこが自分に合っているのか分からなかったんです。県として情報をまとめることで、支援につながると思いました」
三つ目は、「不登校」という言葉そのもの。
「“不”という言葉が入っていることで、学校に行っていないことはダメなんだと、自分自身がすごく苦しんだ経験があります」

「私の声」から「私たちの声」へ

提言の道のりは、決して平坦ではありませんでした。
「以前、担当の方にお話を伺った際、現状では難しいかもしれないという説明を受けました。すでに取り組んでいる施策についても教えていただいたのですが、当事者としては、制度として存在していても、実際に困っている人に届いているかという点では、課題があるように感じていました。
その時、担当の方が『生の声って、なかなか聞くことがない』と言ってくれたんです。だからこそ当事者としてどう語るか、ということはすごく考えていました」

活動を続けるなかで、もみじさんは「伝え方」を見直していきます。
「一人の声だと、どうしても主観になってしまうし、限界があると思いました。だから、他の当事者の人も巻き込んで、一人の意見じゃなくて、複数人の声として整理していったんです。うまくデータを活用して、ひとりの声ではなく、複数人の声としてしっかりまとめていったときに、周りの反応が変わったと感じました」
「自分ごとだったものが、自分ごとのままではあるんですけど、『私たちのこと』として伝えられるようになった、という感覚です」

「行政の人たちが本気で考えている」と実感した瞬間―提言から「実行」へ

教育委員会との対話の中で、印象に残っている場面があります。

「最初、教育委員会の方たちは正直、少し構えた表情でした。でも話を重ねて、私たちの思いを伝えるなかで『じゃあどうやって実現するか』という話に変わっていきました」
「教育委員会として目指している方向性と、自分にも譲れないポイントがあって、お互い合意形成していく中で『これならできる』という形が見えてきたと思います。」

その後、もみじさんは県の教育センターで行われた職員研修にも登壇。
「研修に招いていただいたことが、年齢ではなく一当事者として向き合ってもらえていると感じられて、強く印象に残っています」と振り返ります。

リバースメンタリングを通して、行政に対する捉え方も変わったといいます。
「行政って、近いようで遠い存在だと思っていました。伝えたいことがあっても、伝える手段がないというか。でも、リバースメンタリングでは提言して終わりじゃなくて、実行のフェーズまで一緒に話していく。提言が実施されて記者会見で発表されると、『本当に社会を動かしたんだな』という実感があって、それが印象的でした。その中で、行政の人たちが本気で考えてくださっている姿を間近で見ることもできましたね」

政治参加が育つ条件―「誰よりも先に気づいた声」を、置き去りにしないために

もみじさんはこれまで、年齢による壁もはっきりと感じてきたと話します。

「これまで色々なことに挑戦する中で、年齢制限がいろいろ設けられていて、高校生が意見を言っても、そもそも聞いてもらえない場面もありました。誰よりも先に課題に気づいていても、『子どもだから』という理由で、受け入れられない場面もあるんです」

そんな悔しさを抱えながらも、発信を続けるもみじさん。自身の意見を発信することのハードルについて聞くと、こう語りました。

「意見を言うことが怖いという感覚は正直あります。言うこと自体はいいんですけど、その後の批判や反応が怖い、というか。でもリバースメンタリングを通して、例えば自分の発信がうまく相手に届かなかった経験から、次はどう伝えればいいかを考える。その繰り返しが大切だなと思うようになったんです」
「例えば友達同士でも、『明日どこ行く?』と聞かれても意見が言えなかったりするんですよね。日常から意見を言うこと自体が、結構しにくい世の中だなと思っています。だから、いきなり行政じゃなくて、学校の中とか、もっと小さい枠からでも、自分の意見が反映されていく経験が大事だと思っています。意見を言うことは怖いことじゃない。そう思える環境が必要かなと思います」

私たちは誰しも「政治参加も経済活動もできる存在」

最後に、今の社会や大人に対して思うことを聞くと、もみじさんはこう語りました。

「子どもか大人か、ということで分けて考えるのではなくて、何か課題を感じている一人ひとりがいて、その人たちは年齢や経験値が違っていても、政治参加も経済活動もできる存在なんだと思っています。だから年齢で区切るのではなくて、一人の人として向き合ってもらえたらいいなと思います」

もみじさんの取り組みが示しているのは、大人だけではなく若者も社会の課題を見つめ、自分の経験を言葉にし、同じ立場の声を集め、対話を重ねながら合意形成に関わる主体である、ということです。その積み重ねが行政を動かし、社会の言葉を一つ変えました。

投票率だけでは測れない若者の政治参加のかたちが、確かにここにありました。


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