シングルマザーズシスターフッドが生まれた背景
私たちはシングルマザーの「心身の健康」と「つながり」を支援する団体です。
活動の始まりはパンデミック真っ只中の2020年4月。産後ケアの認定NPO法人マドレボニータの臨時プログラムとして「シングルマザーのセルフケア講座」を開催したのが始まりでした。
期間限定の特別プログラムとして始まったこの講座ですが、始めてみたら全国からたくさんのシングルマザーの参加があり、そのニーズを強く感じました。
「これは数カ月で終われるものではない…」と悟った発起人の吉岡マコは、当時代表を務めていたマドレボニータの代表を退くことを決意し、2020年12月に事業承継を終え、シングルマザーズシスターフッドという団体を設立し、2021年1月から活動を開始しました。
貧困は氷山の一角
シングルマザーといえば兎角「貧困の問題」が話題になりますが、それは氷山の一角です。貧困問題の解決は重要ですが、そこだけを見ていても根本的な解決はしません。
その氷山の下には、身体的な疲弊、精神的な痛み、不安、社会的孤立、孤独といった問題があります。
しかし、政府のひとり親支援策の4本柱(①子育て・生活支援 ②就業支援 ③養育費確保支援 ④経済的支援)には、そういった問題を解決する支援策はありません。
私たちはこういった、氷山の下に隠れた問題にアプローチしています。特に、親子の生活の基盤となる、「心身の健康」「つながり」にフォーカスして支援をしています。
全国44都道府県から集まったシングルマザー
2020年4月にスタートしたシングルマザーのセルフケア講座は、現在も火曜と木曜のランチタイム、土曜の早朝に定期開催しています。参加者は44都道府県から集まり、延べ人数は3500人を超えました。
「セルフケアとは無縁だった」というシングルマザーが「自分のためにも子どものためにもセルフケアは大事だと実感した」と言って参加してくれています。
2021年からはシングルマザーが「自分らしく働く」ことを支援する「ひとり親TECHエンパワメントプログラム」「シングルマザーズデジタルキャンプ」など、エンパワメントのプログラムも積極的に実施してきました。
問題を貧困に集約しないというポリシーから、支援対象者に所得制限は設けていません。また、行政のひとり親支援からこぼれ落ちてしまっている別居中、調停・裁判中のプレシングルマザーも積極的に支援しています。
代表者メッセージ(吉岡マコより)
真のセルフケアとは自分を甘やかすことではない
「セルフケア」という言葉は昨今よく見かけるようになりましたが、「自分へのご褒美」」「たまには自分を甘やかして」といったニュアンスで無責任に使われているのを目にすることがあります。
しかし、真のセルフケアとは「ご褒美」のような突発的なものではなく、「意志を持った継続的なコミットメント」が必要で、そんなに簡単なものではありません。
困難な状態に陥っている人ほど、そういった取り組みは自分ひとりの力では難しく、そのきっかけやサポートが必要です。
だからこそ、私たちの「シングルマザーのセルフケア講座」は単発イベントではなく、毎週、休まず定期開催しています。30分だけ、ストレッチと瞑想で自分の心身に向き合う時間が、週に3回用意されている。好きなときに、無料で参加できる、そういう場を守り通してきました。
「そんなの参加する人いるのかな?」という疑念を乗り越えて
今年は「セルフケア」の次のステージとして「幸せと健康へのコミットメント」という、より能動的な取り組みに挑戦しています。
2024年、ナイキ・コミュニティ・インパクト・ファンドの助成を受け「シスターフッド・ランニングクラブ」というランニングクラブを立ち上げました。走るという習慣によって、健康な身体とメンタルを鍛えていく「幸せと健康へのコミットメント」を応援する取り組みです。
ランニングクラブのアイデアを話した時、スタッフからの反応は「そんなの参加する人いるのかな?」という消極的なものでした。「そんな暇どこにあるの?」「ただでさえ疲れ切ったシングルマザーが、走るなんてさらに疲れることしたくないのでは?」という反応は、あちこちからもらいました。
でも私は、シングルマザーの力を過小評価したくない、と思っていたし、ここにジョインしたい人は絶対いるはずと信じていました。
「走る」という地道な習慣を実践する25人のメンバー
「走りたくない人を無理にお誘いする会ではない」と断りを入れた上で「走ってみたいな、そういう習慣をつけたいけど、なかなかひとりだと難しい」という人に、グループの力で、走る習慣を続けるサポートができればというコンセプトでこのランニングクラブを立ち上げました。
募集してみたら、全国から28人の申し込みがあり、現在、ランニングコーチにも入って頂いて、25人がLINEのグループチャットでランニングの記録をシェアしあったりしながら、走るという習慣を実践しています。
なんと、その9割がランニング未経験者です。
走ることについて語るときに私たちの語ること
2024年の寄付月間(12月)には、このシスターフッド・ランニングクラブのメンバーから5人のシングルマザーが、「走ることについて語るときに私たちの語ること」をテーマに、エッセイを執筆し、発表します。
一人ひとりが、自分の身体(しんたい)に向き合い、精神(メンタル)に向き合い、走るという行動を通して気づいたこと、感じたことを綴ります。
完成したエッセイはに、ひとつとして同じものはなく、一人ひとりの体験の尊さを感じます。そこには、一人ひとりの個性が光っています。
エッセイを読むという文学体験
エッセイを読むという体験は、誰かの人生を追体験できる、価値ある文学体験です。そのエッセイの向こうには、確実に実在する、同時代を生きる人の姿があります。ごくふつうの人が書いた、でも、唯一無二の作品です。
こうしたエッセイ作品に価値を感じて、そのエッセイを書いた人を応援したいと思ってくださった方、その作品を生み出すきっかけを作り、それを世に出したシングルマザーズシスターフッドという団体の活動を応援したいと思ってくださった方は、ぜひ、私たちのエンパワメントの活動に応援の寄付をいただければ嬉しいです!
1年の終わりを迎え、このキャンペーンが、改めて私たちの幸せと健康について考え行動するきっかけとなれば幸いです。
寄付金の使い道について
寄付金は、シングルマザーのセルフケア講座をはじめ、全国のシングルマザーがオンラインで参加できるプログラムの運営費として使わせていただきます。
心身の健康の問題は、すべての土台でありながら、自己責任とされています。1人でも多くのシングルマザーが心身のセルフケアに取り組み、心身が健康になるようサポートをお願いします。
5000円の寄付が200人から集まると、 セルフケア講座を40回開催・300人のシングルマザーが、ストレッチと瞑想によって自分をケアする時間をとることをサポートすることができます。
寄付額は3000円から100万円まで、お好きな額をご寄付いただければ幸いです。