シングルマザーズシスターフッドを始めた理由
こんにちは。発起人の吉岡マコです。2020年12月に、22年続けた産後ケアのNPO法人マドレボニータの代表を退き、シングルマザーのセルフケアとエンパワメントの支援に専念するために、この団体を新たに立ち上げました。
その前身の活動は、2020年の春からマドレボニータで始めた「シングルマザーのセルフケア」というオンライン講座です。9か月で176回開催し、のべ1216人が参加しました。パンデミックの中で、期間限定の試みとしてはじまりましたが、予想以上のニーズの高さを実感し、12月まで続けました。
講座の参加者は、死別、非婚、離婚のシングルマザー、お子さんを施設に預けているシングルマザー、離婚に向けて頑張っているプレシングルマザーなどなどバックグラウンドは様々です。お子さんの年齢も、生後2か月の赤ちゃんから、大学生まで幅広い年齢層のかたが集まりました。
日々シングルマザーに出会い、セルフケアの効果や、この講座を通してシングルマザー同士が繋がる効果を実感していく中で、ひとり親支援の専門性の奥深さを実感しました。妊産婦支援のマドレボニータで蓄積してきた知見だけでは十分ではなく、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子さんにも立ち上げの時から相談に乗っていただきました。
ひとり親支援は、妊産婦支援のサブカテゴリーというよりは、メインとして扱われるべき領域であることを実感し、受益者の属性に沿った支援の専門性を極め、その活動に深みと広がりを持たせるために、新しい団体シングルマザーズシスターフッドを立ち上げる決心をしました。
自宅から簡単に参加できる 30分間の「ストレッチと瞑想」の講座は、全国のシングルマザーから歓迎され、これまで545回開催、45都道府県から、のべ3708人が参加しました。(2024年12月末現在)セルフケアやエンパワメントの現場で出会うシングルマザーたちに学びながら、さらなる支援の手法やその知見を蓄積し、日々、その手法を磨いています。
シングルマザーの心身の健康の大切さ
ひとり親への支援は、公から民間まで、さまざまなものがありますが、「精神的・身体的ケア」は本人の自己責任となっています。ひとり親が自分の時間をもつことは贅沢だと罪悪感を抱き、自身を追い詰めてしまっているケースも多く見受けられます。
子育て中の大人が前向きさを保つには、適切な休息や心身のセルフケアが必要ですが、その必要性を理解しても、この困窮した状態において、自身でその機会を作る余裕はありません。
日頃、自分の時間をもつ余裕のないシングルマザーが少しでも自分の身体をケアする時間を持ち、シングルマザー同士が地域を超えてオンラインで交流できることは、身体的な健康と、精神的な安定をもたらします。そのインパクトは子どもに直接影響が及びます。
多様な家族のあり方、多様な生き方が尊重される時代へ
どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心身の健康と、人とのつながりが土台となります。こうした機会をシングルマザーが持てるような支援をおこない、一人でも多くのシングルマザーが健康に暮らし、自分の力を発揮し、その子どもも健やかに育つように、という願いを込めて、活動しています。ぜひ応援していただければ幸いです。
NPO法人シングルマザーズシスターフッド代表 吉岡マコ
ご支援の使い道
シングルマザーズシスターフッドの活動は、皆さまからのご支援で成り立っています。
3,0000円のご寄付を10名の方からいただければ、100組の母子がその恩恵を受けられます。そのほか、シングルマザーがスキルと自信をつけて、より良い就労の機会につなげられるような支援のプログラムの開発や実施にも、使わせていただきます。
参加者の声をご紹介します。
- シングルマザーになって、初めてこのような活動の存在を知りました。自分を主語に大切にということを忘れがちですがすごく大事なことを思い出させてくれたり、こういった機会と巡り会え、すごくいい経験をさせていただいていると感じます。多分これが有料であれば、その機会を利用することは難しく、今回受講料が全額無料で参加させていただけるというのは、本当にありがたく、幸せなことだと感じました。
- 定期的にセルフケアする時間を持てることで心身が整い、生活をよい状態で維持できると感じています。支援していただいたことで、自分にもなにかできないか、という思いが生まれています。
- このセルフケア講座に参加出来ると思う事、それだけでちょっと元気になれる不思議な講座です。実際に参加すると、自分の普段気が付かない身体の声を聞き、同じ立場の方と会話をして心を通わせ、自分の中の小さくなっていた気持ちが元気になり、喜んでくれる様な感覚を覚えます。きっとこの講座を自費で受講し続けるのは、生活を圧迫してしまい難しいのだと思います。自分が元気になる事で、子ども達にも余裕を持って接する事が出来ます。ご支援、本当にありがとうございます。
- この様な機会に恵まれ、大変感謝しております。自身の身分では堂々と育児の現場でコミュニティに参加する資格がない様にさえ思えて当たり前の様に孤立する事ばかり考えておりましたので、この様な場がある事を知っただけでも心の支えとなりました。