活動・団体の紹介
「門出総合農場」
私たちは、豪雪地である柏崎市高柳町の門出(かどいで)集落を拠点に農産物の生産・加工・販売を中心とした個人事業主のチームです。メンバーは現在4名で農業機械や労力、販路などを協力し合いながら活動しています。
門出総合農場のメンバーが関わっている農地は、作業受託の面積も含めると約20ヘクタールあり、中山間地特有の起伏に富んだ地形の各所に点在しています。作っているものはお米・そば・大豆・小麦などです。

「活動の想い」
中山間地の農地を維持することは、農産物収益による生産者の生活維持という側面と共に、水路保全による下流域までの水系維持機能や山の動植物を含む生態系との共存を維持することにも深く関わっており、私たちもそのことを意識しながら耕作をしています。
また、門出総合農場は、農業生産以外にも「農業研修生・農業ボランティアの受け入れ」「就農相談」「地域活性化のための組織への参画」「高柳産小麦のPRとピザを通じた仲間づくり」「高柳の象徴である黒姫山の登山道整備」「雪まつりなど町内イベントの運営組織への参画」等農業以外の活動にも積極的に参画し、高柳全体が盛り上がれるように取り組んでいます。
なお、このプロジェクトにご寄付いただいた方のうち、ご賛同いただける方には今後の門出総合農場からの発信や交流事業に情報を活用させていただきたいと考えています。

活動の背景、社会課題について
「令和7(2025)年3月26日 松代高柳線の道路崩落」
今年の降雪は例年と違い、2月に2度の大雪と3月の急激な気温上昇があり、融雪時の雪崩や土砂崩れが心配されていました。そんなある日、私たちの活動拠点である中部ライスセンターの目の前で道路崩落が起こりました。幸い人的被害はなかったものの、門出集落では一時断水が起こるほどの災害となりました。現在、生活インフラは回復していますが、崩落の規模が大きく、道路の復旧に関しては目処が立っていない状態です。また、山の斜面と鯖石川に挟まれた崩落現場は付近に迂回路がなく、車で5分で行けた隣の集落に行くにも40分以上かけて迂回しなければならない状況です。

「農業機械を運ぶためのキャリアカーが急遽必要に・・・」
私たちが管理している農地は高柳町内各所に点在しているため、作業場所ごとに農業機械を移動させる必要があります。これまでは農業機械を積んだトレーラーをトラクターで牽引して運搬していました。この移動に欠かせない主要道が今回崩落した松代高柳線でした。
道路復旧の目処が立たない中、「農業機械をどのように運ぶか?」が私たちにとって大きな課題となっています。機械運搬が必要なのは春先だけではありません。雪が降り始めるまであらゆる農業機械を使うため、運搬も効率よく行うことが必須です。しかし、迂回路は勾配がきつく、道幅も狭く、移動距離も長いことからトラクターでの牽引はできません。かといって、さらに大きく迂回して30kmを超える一般道をトラクターで移動することも現実的ではありません。
私たちはこれまでと同じようにトレーラーを用いた運搬は当面の間できないと判断し、今回、キャリアカーの導入を決めました。キャリアカーに農業機械を積んで一般道を移動させることで、トラクターで牽引するよりも大幅な時間短縮となります。なお、キャリアカーは新車で買うと多額の費用がかかるため、中古での購入を考えています。
活動内容の詳細、実績について
- お米・そば・大豆・小麦などの生産
- 製粉事業(青豆きなこ、小麦粉)などの一時加工
- 近隣の事業者さんと協力しながらの商品開発・販売(そば乾麺・豆菓子など)
- 妻有ビール(十日町市松代)への麦芽提供
- 近隣のパン屋さんなどへの小麦粉提供
- じょんのび鶏の飼育・販売
- 農の生産性向上「高柳農業振興会ドローン事業」
- 農業研修生・農業ボランティアの受け入れ「Work Rice」「アグリパス高柳」
- 「門出・田代べとプロジェクト」の活動(べとプロだよりの発行など)
- 「べとプロピザ部」として地域イベントに出店
- 「黒姫山を楽しむ会」の活動(登山道整備、山開きイベントなど)



代表者メッセージ
今年から門出総合農場の代表になった矢代耕太です。(左から2番目)
自分は東京の町田生まれ町田育ちです。 父の故郷である門出にいわゆる孫ターンでやってきて今年で10年目になります。
現在、 門出総合農場では自分と自分の師匠と兄弟子、 そして今年から就農した妹弟子の4人で高柳の農の一部を担っています。 師匠と妹弟子はU ターンで新規就農し、 兄弟子はJターンで新規就農しています。 経験した業種も様々で各々の得意なことを持ち寄り、 お互い助け合いながら活動をしています。

中山間地域ではただ作物を作って生活するには厳しい場所です。 田んぼをやるのであれば総延長数十kmの水路の維持整備やイノシシやシカ等の獣害対策、 面積による規模の拡大の限界等様々な制約があります。 しかしそれらを克服するために大事なことが一人で頑張るのではなく、 仲間を作って一緒になって頑張っていくことだと思っています。 そのために我々は農作業だけではなく、 仲間と共に地域全体が盛り上がって高柳地域を守っていけるようにしたいと思っています。

そして我々が目指している農は大きく分けて二つあり、 そのうちの一つが「循環することができる農業」です。 畑田んぼでとれたものは畑に還すことを目標にしています。 お米で言えば精米の際に出た砕けたお米は鶏のエサにして、 出てきた糞はまたもみがらなどと合わせて田んぼや畑に入れます。 そしてそれで採れたものをまた餌にするといった循環を目指しています。 そしてなによりも人も循環することができるようにしたいと思っています。 ドローンなどの最新の農業機械も積極的に取り入れ、 人口が減っていく中でも高柳の農業が維持できるように努めています。 前から使っていたもので使えるものは使いますが、 より効率的、 機能的なものはどんどん新しいものを取り入れて、 皆がなるべく続けていける農業を目指しています。

そして二つ目が「ふるさとの維持」です。 離農により多くの農地が放棄されていく中で少しでも荒れていく農地を減らしていきたいと思っています。 高柳に戻ってくる方、 訪れる方に荒れた農地を見せたくない、 見てほしくない気持ちで、 離農する方から農地を譲り受け、 なるべく荒らさないようにしています。 農地が荒れることで獣害の被害も増えますし、せっかく農村の風景や暮らしを楽しみに訪れてくれる方々に申し訳ないです。
山が荒れることはひいては平場都市部にも影響してくると思っています。 水源地である山間部がきれいに保たれているからこそ下流域の水源が確保され、 農耕や生活ができます。 中山間地域から人がいなくなればイノシシやクマなどの活動範囲も広がり、 より平場に近い位置にも出没することになります。 それらの堰となっているのが中山間の農村部だと思っています。 その農村を守ることが皆の生活につながると思い活動しています。 我々は農で食を守るというおこがましいものではなく、 皆の生活を守るための手段として農があると考えています。そしてこの景色、 この稲田を守ると共にただいまと言われるような「ふるさと」を目指し頑張っています。
今年の4月に門出で2番目に田んぼをたくさんやっていた百姓の先輩が急死されました。自分が門出にやってきてからずいぶんとお世話になり、 かわいがってもらいました。 ただただ残念ですが、 その方の意思を継いで田んぼの一部を急遽引き継ぐこととなりました。

今年門出は用水の破損に道路崩落、重要人物の急死と立て続けに問題が発生しました。
しかしどんなことが起ころうが、 田んぼや畑は待ってくれません。 やれることを確実にやっていくしかありません。 それでも我々の力だけでは限界があります。 用水は行政や業者の方々が尽力してくれてすでに復旧しました。 道路は現在復旧に向けて尽力してもらっていますが、 まだまだ目途はたっていません。 先輩の田んぼは自分たちが一部は引き継ぎ、耕作していきます。 しかし我々の農地は高柳全域に広がっているため、 移動が容易ではないです。そのため皆様の力を借りて少しでも効率よく農地維持を頑張りたいと思います。
一人の力では限界がありますが、 一緒に仲間になって高柳という農村を維持するために力を貸してください。よろしくお願いいたします。
寄付金の使い道について
今回のプロジェクトは県道崩落によって急遽必要となったキャリアカーの購入費用等にあてます。
・中古キャリアカーの購入・・・400万円
・その他、プロジェクトの目的達成に必要な経費
まちづくりファンド『そーぐぅー』のご紹介

このプロジェクトの立ち上げは、まちづくりファンド『そーぐぅー』を活用しています。『そーぐぅー』は、新潟県柏崎市のまちづくり会社である特定非営利活動法人aisaが運営している公共施設『かしわざき市民活動センターまちから』の事業です。そのため、支援金の振込先が『特定非営利活動法人aisa』、現金での受付窓口が『かしわざき市民活動センターまちから』となっております。
選べるご支援方法について
本プロジェクトへのご支援は、下記の方法にて受け付けています。みなさんのご支援をお待ちしております。
【クレジットカード決済】
・VISA、Master Card、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナーズクラブカード、ディスカバーカード
【郵便振替】
・ご記載いただいた住所に、郵便振替の用紙をご送付いたしますので、お近くの郵便局にてお支払い手続きをお願いいたします。
【銀行振込】
・指定の口座に、ご入金いただきます。
【現金での受付窓口】
・かしわざき市民活動センターまちから(945-0066 新潟県柏崎市西本町3-2-8)