活動・団体の紹介
NPO法人SunPanSaは、2022年9月の設立以来、戦禍にあるウクライナの人々に寄り添い、医療・生活などの支援を継続してきました。設立当初、ウクライナでは多くの傷病者が十分なリハビリ治療を受けられていない現状を知り、私たちは他団体と連携し、2023年4月から9月にかけて、ウクライナの傷病者3名と家族2名を三重県松阪市に受け入れ、リハビリ治療と生活支援を実施しました。さらに、深刻な救急車不足への対応として、日本で役目を終えた中古救急車を整備し、これまでに計8台をウクライナへ届けています。救急搬送だけでなく、車内での応急処置・治療を可能にするこれらの車両は、現地医療の重要な支えとなっています。今後は、Ekiden for Peaceというイベントを通して、ウクライナの子どもたちの教育基金設立を目的とした活動をさらに進めていきます。
なぜNPO法人SunPanSaは「Ekiden for Peace」を主催するのか
NPO法人SunPanSaの活動の根幹にあるもの――それは「命」です。
命は生まれ、成長し、成熟し、やがて死に至るまでのかけがえのない時間を歩みます。その過程では、病気という内的要因や事故などの外的要因をはじめ、さまざまな困難に直面します。人類はこうした困難に立ち向かうために文明を発展させてきました。その象徴の一つが医学の進歩です。
同時に、人は生まれながらに社会の一員として生きています。家族という小さな社会から、地域社会、そして国家という大きな社会へとつながりながら人生を送ります。人類は社会における対立や混乱を減らし、解決するために、民主主義や平和主義という理念を築いてきました。
しかし、不平等や権力闘争という根源的な課題の克服はいまだ容易ではありません。政治や経済が優先される状況の中で競争は時に武力衝突へと発展し、「命」が軽視される現実が存在します。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻は、多くの尊い命を奪い、数え切れない人々の人生を一変させました。自国を守るために戦った兵士やボランティアが負傷・死亡し、本来であれば子どもを守り育てるべき大人たちがその役割を果たせない状況が生まれています。
社会や国家が再生し発展していくためには、「世代の継続」が不可欠です。しかし、戦時下および戦後の混乱の中で、ウクライナの子どもたちは十分な教育を受ける機会を失いつつあります。
だからこそ私たちは、子どもたちの教育を支援したいのです。学びの機会を得た子どもたちは、やがて祖国の復興を担い、平和な社会の構築に貢献してくれると信じています。
振り返れば、日本もまた第二次世界大戦後の焼け野原から復興を遂げました。その礎となったのは、戦中・戦後の困難な時代を生き抜き、未来を切り拓いた子どもたちの存在でした。
現在、世界にはパレスチナ、ミャンマー、スーダンなど、多くの地域で命が脅かされている現実があります。私たちは支援の可能性を慎重に検討しましたが、組織の規模と継続性を考慮した結果、まずは支援対象をウクライナに集中することが最も責任ある選択であるとの結論に至りました。
「Ekiden for Peace」は、平和への願いをつなぐ象徴的な取り組みです。一人では届かない想いも、襷をつなぐことで大きな力となります。
走るのは私たちですが、本当に未来へ向かって歩み続けるのは子どもたちです。
命を守り、次の世代へ希望をつなぐために――
NPO法人SunPanSaは「Ekiden for Peace」を主催します。


活動の背景、社会課題について
日本は島国であり、歴史的に他国からの侵略を直接受ける経験は多くありませんでした。一方、ユーラシア大陸の中西部に位置するウクライナおよびポーランドは、陸続きの国境を持ち、長い歴史の中で度重なる侵略や支配を経験してきました。地理や歴史は大きく異なるものの、三国はいずれも豊かな自然に恵まれ、誠実で温和、文化や芸術を大切にする国民性を育んできました。そして、日本は第二次世界大戦後、ウクライナとポーランドはソ連邦解体後、それぞれ強く平和を希求してきました。私たちは、政治・経済の枠を超え、文化・教育・学術分野を中心とした民間レベルの交流を通じて、三国の友情と相互理解を深めたいと考えています。
2022年、ロシアによるウクライナ侵攻により、300万人を超える避難民が隣国ポーランドへ流入しました。ポーランドは友好国として避難民を温かく受け入れてきましたが、その社会的・経済的負担は決して小さくありません。私たちは、三重県からもその負担の一端を担い、ウクライナの人々を支えたいと考えました。しかし、遠く情報も限られた日本への避難は、任意団体による呼びかけだけでは不安を払拭できません。そこで、避難民に「信頼できる支援」と「正確な情報」を届けるため、NPO法人として活動することを決意しました。
法人名「SunPanSa」は、ウクライナ・ポーランド・日本それぞれの国花であるひまわり、パンジー、桜の頭文字を組み合わせたものです。三国の友好と平和への願いを象徴する名称のもと、SunPanSaは設立以降、ウクライナ支援活動を継続し、現在も人道的・文化的支援を通じた長期的な連帯を目指して活動しています。
活動内容の詳細、実績について
2022年9月7日の本法人設立後、私たちはウクライナでは多くの傷病者のリハビリ治療が十分に行われていないことを知り、他団体とも協力して、ウクライナ傷病者のリハビリ支援事業を計画し、クラウドファンディング等で資金を調達し、2023年4月10日〜2023年9月11日にかけて3名の傷病者とその家族2名の計5名を三重県松阪市に受け入れて、リハビリ治療と生活支援を施行しました。その後、さらなるウクライナ傷病者の受け入れを検討しましたが、傷病者のリハビリ治療は近隣諸国で受けることが推奨されたことから、この事業は終了することにしました。
一方、ウクライナでは救急車が大幅に不足しており、その支援が求められていることを知りました。現地では、医療器具を装備した救急車は、急病人の救急搬送のみならず、車内での応急処置・治療に使用されることになるので、ウクライナへの医療支援につながるものと期待されています。2022年11月に、ウクライナ支援事業について当法人と事業提携を結んでいる日本ウクライナ友好協会からの情報をもとに、日本で不要となった中古救急車を入手し、ウクライナまで輸送する事業を開始しました。2026年1月までの救急車支援事業の実績は下記となります。
- 1号車 令和5(2023)年2月:紀勢地区広域消防組合 ⇒ オデッサ州 オデッサ市
- 2号車 令和5(2023)年2月:オークション購入 ⇒ オデッサ州 オデッサ市
- 3号車 令和5(2023)年6月:奄美大島消防組合瀬戸内分署 ⇒ へルソン州 へルソン市
- 4号車 令和6(2024)年2月:紀勢地区広域消防組合 ⇒ ハリキュウ州 チェグエフ市 チェグエフ中央病院
- 5号車 令和6(2024)年3月:松阪地区広域消防組合 ⇒ ザポリージャ州 ザポリージャ州立医科大学
- 6号車 令和6(2024)年10月:宗像地区消防本部 ⇒ ザポリージャ州ドニプロトネンスカヤ
- 7号車 令和7(2025)年2月:宇和島市消防本部 ⇒ ザポリージャ州 ザポリージャ州立医科大学
- 8号車 令和8(2026)年1月:紀勢地区広域消防組合
なお、ウクライナから2025年8月28日、悲しいニュースが入ってきました。2024年3月松阪地区広域消防本部が寄付していただいた救急自動車が激戦地ザポリージャ州で破壊されました。救急自動車はザポリージャ州州立医科大学に野戦病院から、他2台の車で負傷者を運ぶ途中、ロシアのドローン攻撃を受けたとのことです。
寄付金の使い道について
ご寄付いただいた資金につきましては、日本国内で役目を終えた中古救急車をウクライナへ輸送するための諸費用に充当するとともに、戦禍の影響を受けているウクライナの子どもたちへの教育支援基金として大切に活用させていただきます。



