奥能登珠洲ヤッサー基金

奥能登珠洲ヤッサープロジェクト

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「奥能登珠洲ヤッサープロジェクト」は、奥能登国際芸術祭を通じて珠洲の方々と交流し、今もって珠洲に思いを寄せる大勢の方々の思いを珠洲の復興につなげていく活動です。珠洲での活動とともに、珠洲の現状をお伝えしていきます。 当プロジェクトの目標は以下の通りです。 1. 帰りたいと思っている人が珠洲に帰れるようにすること。 2. 再び人々が訪れるような珠洲にすること。 3. 珠洲に思いを寄せる人々を珠洲につなぎ、珠洲の復興・地域づくりに貢献すること。
2024-01-31 08:00
1月の活動報告
震災後1ヶ月。この間の活動をまとめてご報告します。

1. 今月行ったこと

1月1日の震災発生後、珠洲市役所と連絡をとりあい、芸術祭で縁のあった方々の安否確認や珠洲市の被災状況を確認しました。1月中旬からは現地に入り、珠洲市役所の課題や取組の把握、芸術祭作品・施設の点検や応急的な保全、外部団体とのコーディネートを行いました。

2. 活動報告

▽ 芸術祭で縁のあった方々の安否確認について

市役所職員、サポートスズのスタッフ、地元協力者、サポーターなどの安否を確認し、全員無事でした。ただし、珠洲を離れて避難している方々も多くいらっしゃいます。

​​▽ 芸術祭作品・施設の点検について

1月14日、15日、20日、21日、27日、28日にアートフロントギャラリーのスタッフが現地に入り、芸術祭の作品と施設を点検しました。ただし、正院飯塚集落のひびのこづえ「スズズカ」は避難所として使用されており、若山北山集落の小山真徳「ボトルシップ」は通行止めのため点検できませんでした。詳細な点検結果はレポートをご覧ください。

​​​▽ 芸術祭作品・施設の応急的な保全について

​🔳スズ・シアター・ミュージアムおよび分館

1月28日から2月1日まで、アーティストの南条嘉毅さん、国立歴史民俗博物館の川村清志さん、川邊咲子さん、アートフロントギャラリーのスタッフで、スズ・シアター・ミュージアムおよび分館で作品・民具の点検・保全作業を行いました。

被害として建物内の民具の散乱や窓ガラスの一部に割れがありました。また、スズ・シアター・ミュージアムではグラウンドの崩落により牛嶋均作品「松雲海風艀雲」が崖下に転落し、メドゥ・ガーデンや建物内の作品にも破損がありました。分館では隣地の蔵の倒壊により建物が圧迫され、展示棚も倒壊していました。応急的な保全として壊れた窓を板での塞ぎ、民具・作品の整理・手当を行いました。

🔳さわひらき作品

1月28日、アーティストのさわひらきさんと共に会場の旧日置公民館で作業を行いました。建物の外壁に亀裂が生じ、入り口の柱がズレていた他、会期中物販も行ったコミュニティルームの内壁が崩落し、展示作品も転倒や破損がありました。作品の保全のため、車に積める範囲の平面作品やレリーフ、オブジェなどを運び出しました。

▽ 避難所炊き出し

1月21日、古民家レストラン「典座」の坂本信子さんからの要請で、アートフロントギャラリーのスタッフが三崎町伏見の避難所を中心とした避難者の方々に向けた炊き出しを行いました。ココナツカレー50食を調理し、届けました。

​▽ 外部団体のコーディネート

​🔳 珠洲市の断水対策

一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)からの断水対策のための浄水器提供の申し入れについて、珠洲市役所との調整を行いました。1月6日から、1日に3000人分の水を使用できるようになっています。PEADの理事たちの中には、大地の芸術祭のオフィシャルサポーターもおられます。

🔳 移動スーパーの運行

移動スーパー「とくし丸」による避難所まわりの配給について、珠洲市役所と調整を行いました。1月10日から各避難所に野菜などが届くようになりました。「とくし丸」は大地の芸術祭もサポートするオイシックス・ラ・大地の子会社が運営しています。

🔳 経済同友会の支援

経済同友会による企業版ふるさと納税を使った珠洲市の復興の取組について、スキームも含めて珠洲市との調整を行い、経済同友会企業による珠洲支援の動きが始まりました。経済同友会の副代表をつとめる高島宏平さんは、2017年、2021年、2023年と3回とも奥能登国際芸術祭にお越しになっています。

🔳 坂茂建築設計による避難所間仕切り、仮設住宅

避難所への間仕切り設置、仮設住宅の建設のため、珠洲市と坂茂建築設計の打合せを調整しました。坂茂氏はスズシアターミュージアムに隣接する潮騒レストランの設計者であり、世界中の被災地や難民キャンプで仮設住宅を建設してきた建築家です。1月14日には、飯田町緑が丘中学校の体育館に避難者のための間仕切りが設置されました。また、仮設住宅については敷地面積の不足が問題となっていますので、宮城県女川町で展開されたコンテナ仮設が検討されています。

​​3. 所感

珠洲地域にはおよそ4,000人の方が残られているようですが、避難所では約1,500人(1月31日時点)が暮らしています(ピーク時は8,000人以上)。住宅の半分近くが全損または大規模な損壊をうけていること、物資の補給も含めて、避難者の運営が負担になっていることから、仮設住宅の建設が急ぎ進められています。

仮設住宅は2月中旬から順次完成していきますが、まだまだ足りないようです。みなし仮設は、金沢近辺にも準備されていますが、入りたくないという人も多いようです。金沢近郊の不動産の空きが少なくなっているようです。

ボランティアについては、2月3日から石川県の主催で受け入れがはじまりそうです。ただし、珠洲近辺に宿泊できる受け入れ先がないため、当面は金沢発着となります。現地での活動時間はかなり限られるため、活動は限定的になりそうです。

4. 2月の活動について

水道が通っておらず、ライフラインも安定しないことから、住民の方々にとって、避難先も含め当面の住まい・仕事を考えることが重要になってくるようです。

震災から1か月が経ち、少しでも気を紛らしたいという方も少なくないようです。

作品の片付け、応急手当などを進めつつ、近隣の方々の御用聞きを進め、地元の支援ニーズに応じた活動を継続していきます。

団体情報
奥能登珠洲ヤッサー基金
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