活動・団体の紹介
私たちは、児童養護施設や里親家庭など社会的養護のもとで暮らす中高生や、そこから巣立つ若者たちが、自分らしさを大切にしながら人生を歩んでいける社会の実現を目指しています。
アートや文化、ものづくりに関わる人々との出会いや体験を通して、自分を知り、未来の選択肢を広げる機会を届けるとともに、巣立ちの前後で孤立しないためのつながりや居場所づくりに取り組んでいます。

社会課題
日本では現在、約4万5千人のこどもが児童養護施設や里親家庭などの社会的養護のもとで暮らしています。多くの若者は18歳前後で施設や里親家庭を離れ、進学や就職など自立に向けた選択を迫られ、毎年およそ3,000人が社会へ巣立っています。
しかし、その進路や生活にはさまざまな課題が指摘されています。社会的養護のもとで育った若者の大学・短大等への進学率は約30〜35%にとどまり、一般の高校卒業者の大学進学率(約57%)と比べて大きな差があります。また、就職した場合でも、3年以内の離職率は約5割とされ、生活や仕事の悩みを一人で抱え込みやすい状況があると指摘されています。
こうした背景には、進学や就職の選択肢の少なさ、頼れる大人との関係の少なさ、社会や仕事と出会う体験機会の不足などがあり、社会との接点を持ちづらい状況に置かれることも少なくありません。
だからこそ、在所中から多様な大人や文化、仕事と出会う機会をつくることが、将来の選択肢を広げ、自分らしい人生を描いていくうえで重要だと考えています。
(出典:こども家庭庁「児童養護施設入所児童等調査」、文部科学省「学校基本調査」、東京都福祉保健局「社会的養護経験者の実態調査」)
活動の背景
2011年の東日本大震災をきっかけに、ガラス作家の石川昌浩氏が全国の作り手に呼びかけ、器をこどもたちへ届ける活動として始まりました。
全国の作り手のみなさんから届く器を、さまざまな事情を抱えるこどもたちへ手渡す取り組みとして活動を続けてきました。
その後、社会的養護のもとで育ち巣立ちの時期を迎える若者たちの存在を知り、2020年からは「うつわとお洋服のお渡し会」を開催しています。
新生活を前に、自分の器や洋服を自分で選ぶ時間。
それは、これからの暮らしを想像し、自分らしい一歩を踏み出すための小さな準備でもあります。
こうした時間を重ね、参加者との交流を続ける中で、巣立ちの支援はその瞬間だけでなく、在所中から巣立ち後まで続く関わりが必要であることを実感してきました。
その気づきをもとに、現在は「手渡す支援」を原点としながら、出会い・体験・つながりをひらく取り組みへと活動を広げています。
活動内容の詳細、実績について
事業項目 |社会的養護下で育つこどもを支える5つの事業を行います。
■はじまり支援事業「うつわとお洋服のお渡し会」|巣立ちを迎えたこども・若者が、大切につくられた器や洋服などの日用品と出会い、自分で選び、これからの生活を思い描く体験機会。
■スクール事業「自分をひらく教室」|中高生が、様々な分野の講師との体験や対話を通して多様な生き方に出会い、自己理解を深め、未来を描く力を育む取り組み。
■サロン事業「つながりのお茶会」|社会的養護経験者が、困りごとや日常のささいなことを同世代や大人と話すことができ、安心して立ち寄れる小さな交流の場。
■しごと体験事業「みらい発見プログラム」|社会的養護下で育つこども・若者が、クリエイティブな仕事を知り・触れることで、自分らしい将来を選択する力を育む取り組み。
■リサーチ事業「まなざしラボ」|社会的養護下のこどもたちと現場の「今」に耳を傾け、より質の高い支援を実施するためのリサーチプログラム。
代表者メッセージ
私たちは、長年に渡って巣立ちを迎えたこどもたちへ、器やお洋服を手渡す時間を共に過ごし、応援の気持ちを届けてきました。
一方で、私自身、こどもたちと日々向き合う中で、「支援があっても届きにくい"すき間"」が確かにあることも実感してきました。
そのため私たちは、手渡す支援を原点にしながら、出会い・体験・つながりをひらき、必要な支援へつながる道筋を育てていきたいと考えています。
また、居場所づくりとアート・文化の取り組みを二つの柱に、人とのつながりやネットワークを育ててきました。
その強みを活かし、こどもたちの中にある「可能性の種」を育み、その扉を開くお手伝いを丁寧に続けていきます。
こどもたちが自分の人生を軽やかに歩んでいけるように。
私たちらしい、明るい支援の形を目指していきます。
寄付金の使い道について
いただいたご寄付は、「手の長いおじさんプロジェクト」での、社会的養護下のこども・若者たちへの支援活動に使わせていただきます。



