新型コロナウイルス感染拡大に伴い、JICA海外協力隊として開発途上国で活動していた仲間たち約1,800名が、3月に世界中から緊急帰国しました。
彼らは本来2年間の活動期間中に、何度もぶつかり挫折しながら、言葉や国境を越えて一つのものをつくりあげていく面白さ、その中で生まれる連帯感、かけがえのない現地の仲間などを得て帰国し、世界の未来を支える頼もしい人材となって次の舞台で輝きます。
しかし今回の1,800名は、荷物も中途半端に現地に残し、それ以上に気持ちの整理もできない中、挨拶ひとつできないまま帰国したのです。「不完全燃焼」の隊員たちが海外で培った能力・体力を、いま必要としている現場。
それは、夏秋キャベツ生産量No.1の「嬬恋村」でした。
自然塾寺子屋は、JICA海外協力隊OBが協力隊経験を生かして、世界の農村と日本の農村をダイレクトにつなぎ、故郷の群馬を活性化しようと2001年に設立しました。以来、協力隊派遣前研修などにも長年携わり、多くの隊員卒業生を輩出し、それぞれのその後の人生もみつめてきました。
協力隊活動は、日本では経験できない体験の連続です。言葉や文化習慣、価値観が大きく異なるコミュニティに飛び込み、何もできない自分と向き合う。何度もぶつかり挫折しながら、少しずつ信頼関係を築いていく。試行錯誤しながら、やがて芽生える地域発展に直接的に貢献できているのではないかという期待と責任感。言葉や国境を越えて一つのものをつくりあげていく面白さ。ともに目標を追っていくなかで生まれる連帯感。「豊かさ」、「便利さ」、「幸せ」に対するものさしの変化。かけがえのない現地の仲間や家族、第二のふるさと。。。
協力隊経験が人生に与えるインパクトの大きさや、その経験を通して世界の未来を支える頼もしい人材となって次の舞台で活躍している数えきれない卒業生の顔を知っているがゆえに、今回、荷物も中途半端に残し、それ以上に気持ちの整理も出来ない中、挨拶ひとつできないまま帰国した多くの隊員の皆さんのことを想うと居ても立っても居られなくなりました。
「青年海外協力隊だけが特別」だとは思っていません。
むしろ、経験の浅い日本の若者が、生きる力みなぎる任地でできることは限られています。
しかし、2年間の任地での奮闘の中で、現地の方々に教えてもらったことが、その後のそれぞれの人生の大きな礎、原動力となっています。
社会貢献を志した若者たちに、この成長の機会を無駄にして欲しくない。ぜひ活動の達成感や使命感、その他いろんな大事なことを感じて欲しいと思い、このプロジェクトを立ちあげ、嬬恋村が受け入れてくれました。
このプログラムでは、国内待機中、または次のステップへすすむ前に、もう一度一つのコミュニティに飛び込み、地域の方々から多くを学び、ともに汗を流し、「第二の任地」のために何ができるか、協力隊員の毎日の挑戦をサポートします。そして、達成感を得て、地に足のついた一回り大きくなった彼らを日本や世界の未来へ輩出します。同時に、今回の彼らの地域への関わりによって見えてくるさまざまな事柄を、今後の群馬の地域振興や隊員の帰国後の社会還元活動の活性化につなげてまいります。
このプロジェクトが波紋のように広がり、全国の協力隊OB・OGの想いが帰国隊員に届き、日本全国、世界の地域のさまざまな活動が加速するよう心から願っています。
そのためにもまずはこのプロジェクトを成功させたいと思います。ぜひこの想いに共感してくださる皆様と繋がらせてください。
参加してくれる隊員や地元の方々と収穫期が終わる10月末まで一緒に汗をかき考動していきます!
どうぞよろしくお願いします。
自然塾寺子屋 理事長 矢島 亮一
このプログラムは、単なるアルバイト紹介による労働力の補填ではなく、協力隊員が援農活動に従事しながら
- 帰国を余儀なくされた協力隊員が、再び一つのコミュニティに飛び込み、「第二の任地」で地域の発展のために汗を流す機会をつくる
- 協力隊活動の振り返りと整理を行い、社会還元の方策を検討し実践する
- 嬬恋村と絆を育み関係人口を拡大しながら、群馬の農村の資源や価値を感じるきっかけとする
- 国内の現場から地域づくりについて学び、国内外の現場を体験したたくましい人材を未来へ輩出する
- 本プログラムを通じて得られる地域と隊員双方の教訓や知見の向上を、今後の地域振興や隊員の帰国後の社会還元活動の活性化につなげる
インターンシッププログラム:2020年5月7日~9日(群馬県出身隊員7名が参加)
本プログラム:第1次隊:2020年5月21日~10月下旬まで (群馬県出身隊員)
第2次隊:2020年6月20日~10月下旬まで (全国から)
第3次隊:随時~10月下旬まで (全国から)
この緊急プログラムの始動にあたり、受入農家さんやJA嬬恋村、嬬恋キャベツ振興事業協同組合、嬬恋村役場、村内の宿泊施設など現地関係機関や群馬県などがプログラムにかかる実費(隊員への食費、宿泊費、交通費、日当、移動車両の借上げ費用)について、それぞれ資金提供いただく体制が整いました。また、JICAにもインターンシッププログラム(事前プログラム)や入村時のオリエンテーション費用、運営事務局の交通費をご協力いただける予定です。
今回のファンドレイジングでは、プロジェクト運営費として、自然塾寺子屋が担っているプロジェクト事務局としての企画調整やプログラム進行管理、時差出勤の隊員の送迎や隊員のモニタリング及びフォローアップ、全体研修会の開催、社会還元手法の指導、地域活動のコーディネート、傷病時・緊急時のサポート、成果の取りまとめや広報活動、5カ月間の事務所設置費用/日々常駐しているスタッフの宿泊費や交通費等の経費に充てさせていただきます。
協力隊の学び舎、地域団体として、全て自己資金で賄えれば良いのですが、コロナ禍、3月より従来の全ての事業がストップしている状況下、今回、自然塾寺子屋設立以来初めて寄付を募ることにしました。
どうかご支援よろしくお願いします。