活動・団体の紹介
一般社団法人栗東引退競走馬支援協会は、引退した競走馬や競走馬になれなかったサラブレッドたちに、新たな生き方と居場所を届けることを目的に設立されました。
馬たちが再び人とつながり、心豊かに過ごせるよう、リトレーニングを通じて乗馬・セラピー・ふれあい活動などへのセカンドキャリアにつなげています。
活動拠点は滋賀県栗東市にある栗東stable。JRA栗東トレーニングセンターの近くという立地を活かし、地域と連携しながら、「走ることを終えた馬たちの次の未来」を支える仕組みづくりに取り組んでいます。
一頭でも多くの馬に“その先の幸せ”を届けられるよう、日々の暮らしと向き合いながら活動しています。
活動の背景、社会課題について
サラブレッドは「走るため」に生まれ、育てられる存在です。
しかし現実には、みんなが競走馬としてデビューできるわけではありません。レースを走った馬たちも、数年でその役目を終えることになります。
問題は、その“引退後”です。
健康な馬であっても、リトレーニングの環境や次の受け入れ先がなければ、セカンドキャリアへとつなぐことはできません。
怪我を負った馬には、なおさら「時間」と「費用」をかけられる環境が必要であり、それが整わないまま選択肢を失っていく現状もあります。
一方で、馬たちには乗馬・ホースセラピー・ふれあい活動など、競走馬とは違うかたちで人と関わり、豊かな役割を果たす力が備わっています。
にもかかわらず、引退競走馬のリトレーニング施設や受け入れ先は全国的にまだまだ不足しており、安心して次の一歩を踏み出せる仕組みは十分とは言えません。
私たちは、「命をつなぐこと」と「輝く未来をつくること」のどちらも大切にしながら、馬たちの次の物語を支える環境づくりに取り組んでいます。
活動内容の詳細、実績について
主な活動拠点は、代表である私たち夫婦が運営する「栗東stable」。そこで日々、それぞれの性格や体調に応じたトレーニングやケアを行い、個性や体力に合った次の居場所へとつなげる活動を行っています。
2025年4月には、この活動を広げるための資金を募るべくクラウドファンディングを実施し、多くの方から温かい応援が寄せられ、目標金額を大きく上回ることができました。
その成功をきっかけに、協会として初めて1頭の引退競走馬「バーニングペスカ」を迎え入れ、現在はその個性や可能性を見極めながら、次のキャリアへとつなげるリトレーニングを行っています。
栗東stableから送り出したリトレーニング馬は過去2年間で約30頭以上。
一頭ずつ丁寧に向き合い、その馬らしい輝けるセカンドキャリアを築いていけるよう日々取り組んでいます。
代表者メッセージ
はじめまして。栗東引退競走馬支援協会 代表の吉岡麻悠子です。
私は9歳で乗馬と出会い、たくさんのサラブレッド――つまり引退競走馬たちと過ごしてきました。ともに練習を重ね、障害馬術競技にも数多く出場し、全日本大会でよい成績を残すことができたのは、いつもそばにいてくれた引退競走馬のパートナーたちのおかげです。
2023年10月、夫とともに「栗東stable」という小さな乗馬クラブをオープンしました。JRA栗東トレーニングセンターからほど近いこの場所で、活動を続ける中で、私は改めて“引退競走馬の現実”に向き合うことになりました。
私が出会ってきた馬たちは、次のキャリアへと進めたほんの一握りの存在。多くの馬は行き先もなく、役目を終えたあとに見えない存在になってしまう――そんな現状に、胸が締めつけられる思いでした。
「馬のまち」と呼ばれるこの栗東で、私たちにできることは何だろう。
馬たちが競走馬としての役目を終えたあとも、当たり前に“明るい未来”を歩んでいけるように。
そのために、この支援協会を立ち上げました。
一頭でも多くの馬が、自分らしく生きる“次の物語”を始められるように。
これからも、馬と人とが支え合える関係を育てていきたいと思っています。
あたたかな応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
寄付金の使い道について
皆さまからいただいたご寄付は、主に以下の目的で活用させていただきます。
■ 引退競走馬の飼育費(飼料・敷料・水道光熱費など)
■ 健康管理費(獣医診療・予防接種・装蹄費用など)
■ リトレーニングにかかる調教・管理費
■ 次のキャリアにつなげるための情報発信・マッチング活動費
馬1頭の暮らしとリトレーニングには、毎月およそ20万円の費用がかかります。
ご支援は、馬たちが心と体を整え、新たな役割に向けて歩み出すための“力”となります。
一頭でも多くの馬が「明るい未来」を歩めるよう、どうか応援をよろしくお願いいたします。