活動・団体の紹介
輪母ネットワークは、「障害児を地域で育てる」を目的として障害のある子どもを持つ母親たちによって、2006年に大阪市内で発足しました。
これまで、母親だけでなく、父親、祖父母、きょうだい、当事者やそのパートナーなど、様々な立場で100家族以上が会員として参加しています。
発達障害・知的障害、精神障害・重度心身障害・医療的ケア・難病など、 輪母ネットワークのメンバー家族が抱える障害や事情は様々ですが、『障害のある子どもと大人とその家族が、地域で子育てしやすく過ごしやすい環境になること』それが、私たちの共通の願いです。
そのためには、障害児者とその家族としてただ支援されるだけでなく、私たちにできることから取り組んでいくことを。それぞれの事情を思い、立場を超えて、同じ場所で共に生きることを。
地域で手を取り合い生きる人々をつなぐ場をめざして、活動を続けています。
活動の背景、社会課題について
近年では医療の発展とともに医療的ケアのもと支援を受けながら地域で暮らす子どもと家族が増えています。また、発達障害に対する社会的認知が進むとともに、早期に診断を受ける機会が増えるなど、障害児者の割合は著しい増加傾向にあり、社会の支援体制も大きく変化しています。
子どもの障害がわかった直後の保護者はそのショックから孤立化しやすく、わが子の将来の見通しが立てられず不安を抱えながら、どこに相談していいかさえわからない孤独な状態から育児をスタートします。また、子どもと向き合う日々の中では、直接支援者に話しにくい悩みも多くあります。
さらに、障害児を育てる家庭の中には、保護者自身が体調を崩し家庭内でドミノ式にケアが必要になることも珍しくありません。
活動内容の詳細、実績について
子どもの支援については、子ども食堂が地域に増えるなど、社会的にも必要性が認知され近年は活発化していますが、保護者への直接支援の必要性が追いついていない状況です。多くの子どもに、成長に必要な暖かい環境を継続して整えるためには、その子ども本人にとって一番身近な存在である家族や保護者の支援が重要だと考えます。
当団体では、「障害児者と家族と支援者と地域をつなぐコミュニティ」という活動理念のもと、以下の活動を通じて障害児者とその家族が地域で過ごしやす環境を作ることを目指しています。
ピアコミュニティ「わははの輪」の運営による当事者及び家族支援事業
障害児者を地域で育てる保護者や家族同士が繋がれるピアの集いの場『わははの輪』を定期開催しています。0歳から15歳までのクラスや15歳から成人のクラス、少人数の個別ピアなどがあります。また、不登校やひきこもりのピア相談も受け付けています。
障害児者の支援者へのサポートを中心とした地域連携事業
支援者同士がつながれる「支援者ピア」の実施をしています。
また、地域の障害児者事業所や行政と障害児者家族のつながりを積極的に後押しするため、事業所の合同見学会や家族向けの研修会の情報などを集めて発信しています。
セミナー実施及び講師派遣による啓発講演事業
障害児者家族が地域で生活するうえで必要な情報を学べるテーマ型研修会を定期的に実施しています。また、依頼に応じて地域や学校、事業所などに人権をテーマにした研修や障害児者防災の研修への講師派遣も行っています。
コミュニティスペース運営事業
大阪市生野区で、いつでもふらっと立ち寄れる常設のコミュニティとして、障害児者と家族と支援者と地域が集う場所『わははハウス』を運営しています。子ども食堂(フードパントリー)やピアの集いの定期開催なども実施しています。
団体メッセージ
当団体は、障害児者家族会がベースとなっており、NPO法人化した現在も当団体は収益化事業をもっておりません。障害児者家族会がグループホームや児童発達支援・放課後等デイサービスなどの障害児者福祉サービスの経営を実施する例は全国的にも珍しくありませんが、当団体ではあえてそれらの事業を実施しないことにしています。
なぜなら、私たちはあくまで障害児者とその家族であり、支援の専門家ではないからです。多くの事業所や医療機関が増えている現在は、様々な福祉や障害児者支援を中心とした各分野のプロとつながることが、最良の選択だと考えています。
しかしながら、福祉や障害児者支援事業と資源は決して社会的に潤沢な状態ではないとも感じています。輪母ネットワークが取り組む活動は、既存の福祉事業では補いきれない家族間のピアとしてのサポートと、当事者とその家族の立場から福祉事業に従事する支援者のバックアップを目指すものです。
また、障害児者を家族に持つ家庭は、経済的に厳しい状況に置かれていることも少なくありません。障害児者と家族と支援者と地域をつなぐ場所として運営している『わははハウス』は、利用する家庭の負担を減らすため、ボランティアと寄付金を中心に運営を続けている状況です。
皆様のご支援の積み重ねが、わははハウスの継続運営と輪母ネットワークの活動を支えています。どうぞご支援をよろしくおねがいします。
寄付金の使い道について
頂いたご支援は、障害児者と家族と支援者と地域をつなぐ場所『わははハウス』の運営,子ども食堂(フードパントリー)の実施,障害児者家族を持つヤングケアラーの支援,障害のある子どもを育てる家族支援、成人障害者の親なきあとなど、障害児者と家族が地域で生活しやすい環境づくりなどさまざまな事業に使用します。
・わははハウスの家賃および光熱費
・支援物品購入費
・スタッフ交通費
・セミナー講師費
・通信費
あたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。