【Topics】
▶虐待を「被害」と認識するのは難しい?!
▶3keysの運営する「ユースセンター」ってどんな場所?
【この記事のINDEX】
・3keysが実現したい社会
・3keysの主な活動
・寄付の活用方法/今回のマンスリーサポーター募集について
・マンスリーサポーターになっていただいた方への特典

「自己責任」で社会からネグレクトされる子どもたち
虐待や貧困、いじめ、性被害など、子どもたちを取り巻く状況は深刻さを増しています。しかし、現在の日本では「自己責任」という言葉のもと、子どもの成長が親や学校の教員、さらには子ども自身といった個々人の意識や能力に委ねられているのが現状です。3keys代表の森山は、こうした状況を「子どもたちが社会からネグレクトされている」と表現します。
2025年3月の厚労省の発表によると、全国の児童相談所が2023年度に対応した児童虐待相談は22万5509件。統計開始から33年間、過去最多を更新し続けています。
しかし、そのうち児童養護施設などに保護されるのは、年により変動はあるものの、たった2~3%ほど。つまり、虐待相談までつながっても、97~98%の子どもが元の家庭などに戻され、児童相談所の人手不足などの問題もあり、十分なサポートがないまま生活しているケースも多いのです。

<上記グラフはこども家庭庁「令和4年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数」、厚生労働省「令和5年度福祉行政報告例の概況」より3keys作成>
3keysが「思春期世代」の支援に力を入れる理由とは
現在3keysでは、児童養護施設などへの学習支援や大人向けの啓発活動のほか、公的な支援から漏れることの多い「思春期世代」への支援にも力を入れています。
3keysの主な活動は以下のとおりです(詳細は後述)。

昨今、子育て支援に力が入れられるようになっていますが、それらの多くは子どもを育てる親や10歳くらいまでの子どもたちへのもの。「思春期世代」といわれる10代への支援は手薄です。
体も大きくなり、行動範囲も人間関係も広がる10代を、支援が必要な「子ども」と捉えていない方も多いでしょう。しかし、思春期の子どもたちは心も体も不安定で、たとえ虐待や貧困といった問題はなくても、人間関係や勉強、将来、性のことなど、多くの悩みを抱える年ごろです。大人の適切な見守りやサポートが必要ですが、何らかの理由で信頼できる大人が身近にいない子どもたちを支える仕組みは、今の社会に整っているとは言えません。
私たちの運営する10代向け支援サービス検索・相談サイト「Mex(ミークス)」には、悩みを抱えて一人で苦しんでいる子どもたちの声が寄せられます。

思春期の子どもたちはアイデンティティを模索している渦中にあり、その支援には年齢特有の難しさがあります。子どもたちはつらい思いを抱えていても、それを他人に知られたくないと思ったり、相談すべきことかどうかの判断がつかなかったりすることも多いのです。
そのため3keysでは、大人の価値観を過信せず、子どもたちのニーズ・現状に寄り添うことを大切にしながら、頼れる先になるべく、さまざまな「セーフティーネットづくり」を進めています。
現在おこなっている支援を継続しつつ、子どもたちの安心・安全な育ちが社会全体で守るべきものになるように、これからも活動していきたいと考えています。

3keysのはじまりは、代表の森山が学生時代に始めたボランティアでした。
家に近い児童養護施設で学習ボランティアを募集しているのを知り、塾講師のアルバイト経験が役立つのではないかと考えて始めたものの、想像以上の学習の遅れや自己否定感に苛まれている子どもの多さに、週1~2回の支援では足りないことを実感しました。そして、2009年に学生サークル「3keys」を設立し、2011年に法人格となりました。
森山が、学習支援の活動を通して、虐待通告をされてもほとんどの子どもが元の家庭に戻されること、自分の権利を知らず、悩みを抱えても誰にも相談できない子どもが多いことなどを知ったことが、現在のさまざまな活動につながっています。
3keys代表理事・森山誉恵
児童養護施設などへの「学習支援」の提供
施設などで暮らす子どもたちに学習支援をおこなっています。支援している子どもたちは、身体的虐待やネグレクトなどの環境下で幼児期を過ごし、学習意欲や学習基盤となる知識の乏しさから、学校の教科書や市販教材では学習が進まないケースも多くあります。そのため3keysでは、子どもたちの状況に合わせたオリジナル教材を作成し、職員の方に学習ノウハウとともに提供し、定期的なサポートをおこなっています。

10代の子どもたちが安心・安全に過ごせる居場所「ユースセンター」を運営
虐待や貧困、親や友人との関係など何らかの問題を抱え、家や学校に落ち着ける居場所がないとしたら、10代の子どもたちがあまりお金をかけず一人で長時間過ごせる場所は、今の社会にはほとんどありません。3keysのユースセンターは「非交流型・非プログラム型」。人との交流や成果を求めることなく、すべての子どもたちに当たり前に与えられるべき安心・安全に過ごせる居場所を提供しています。希望者は食事、シャワー、洗濯なども利用できます。

10代向け支援サービス検索・相談サイト「Mex(ミークス)」の運営
10代向けサイト「Mex(ミークス)」は、相談先や悩み解決のヒントとなるコラムを検索できるウェブサイト。家族との関係に困っている、学校に行きたくない、妊娠したかも、自分の性別がわからないなど、悩みを抱えても信頼できる大人が身近にいないとき、身近な大人にこそ相談しにくいとき、子どもたちが自分で相談先や支援先、正しい情報にアクセスすることができます。

虐待や性被害とは何かを伝える子ども向け啓発動画
「ミーのなやみ」の制作・公開
子どもたちに虐待・性被害・いじめなどについて伝える「ミーのなやみ」という短い動画を作成しYouTubeで公開しています。子どもたちは被害を受けても、それが何なのかを認識することすら難しい場合が多くあります。正しい知識を身に着けることで、必要な一歩を踏み出してほしいという思いを込めています。

「日本の子どもたちの今」を伝えるための大人に向けた啓発活動
子どもの社会課題について知っていただくためのセミナーを開催しているほか、企業・団体向けの講演会、メディアからの取材などを受けています。また、データを元に子どもの虐待や貧困などについて「白書-日本の子どもたちの今」としてまとめ、ホームページで公開しています。
さらに、活動の実績から得た知見やノウハウを伝えることで、子どもたちに必要な支援が届くよう、国や行政に働きかけています。


上記のような活動を継続的に続けていくためには、多くの資金が必要です。いただいたご寄付は、活動の運営費のほか、団体の事務管理費、人件費などに活用させていただきます。
特にオフラインの活動である「ユースセンター」の運営には、家賃や光熱費、子どもたちに提供する食事の材料費、スタッフの人件費などがかかりますが、そのどれもが昨今の物価上昇や人手不足による採用活動の経費高などの影響を受けています。
さらに私たちはこれまでの知見をもとに、10代のニーズに沿った「ユースセンター」のような居場所を、今度は行政主体で広げていきたいと考えており、さまざまな働きかけをおこなっています。

現在の活動を継続しながら、さらなる歩みを進めるためにも、今回あらためてマンスリーサポーターを募集させていただきます。ぜひこの機会に、私たちの活動をご支援いただき、子どもたちを支える仲間になっていただけますようお願いいたします。

1)活動内容や告知などをまとめたメールマガジンを定期的に配信します。(月1回)
2)活動内容や年次報告をまとめた「活動レポート」をお届けします。(年2回程度)

3)寄付した翌年の1月下旬頃に、前年の寄付額をまとめた領収書を発行します。こちらをもって確定申告をしていただくことで、寄付金控除の手続きが可能となります。
4)「マンスリーサポーター」の方限定で、代表理事・森山のメッセージ動画をお届けします。(以下はイメージ画像)

