「頼れる人がいない」――その現実に、私たちは16年前に出会いました
はじめまして。
認定NPO法人3keys(スリーキーズ)代表理事の森山誉恵(もりやまたかえ)です。
私たちは「家庭にも学校にも頼れない子どもたち」に、オンラインとオフラインで支援を届けている団体です。

3keysの活動の原点は、私自身が大学生のときに始めた学習支援のボランティアでした。
児童養護施設で出会った子どもたちは、想像以上に学習が遅れており、深い自己否定の感情とともに生きていました。週に1〜2回の関わりではとても足りない──そう痛感したのを、今もはっきりと覚えています。
児童養護施設などへの学習支援は、現在も形を変えて継続していますが、その活動を通して知ったのは、虐待を受けても多くの子どもたちが家庭に戻されること。
さらに、自分の権利を知らず、誰にも相談できないまま悩みを抱え続ける子どもたちが、あまりに多いという現実です。

内閣府の「令和4年版 子供・若者白書」によると、子ども・若者のうちおよそ5人に1人が「相談できる人がどこにもいない」と答えています。

子どもたちの“声なき声”をすくいあげるために
以下は、3keysが運営する10代向けサイト「Mex(ミークス)」に寄せられた、子どもたちの声です。

10代は、多くの悩みを抱える時期です。しかし、自分ではどうすることもできない深刻な悩みを抱えている子どもほど、一人で抱え込んでしまう傾向があります。
その“声なき声”を受けとめ、必要な支援につなげるために、私たちは「Mex(ミークス)」を立ち上げました。
「Mex(ミークス)」とは?
Mex(ミークス)は、2016年に3keysが開設した、10代のための支援サービス検索・相談サイトです。
虐待、貧困、精神的な不調、友人関係、性やお金の悩み……。
困ったときに、頼れる大人が身近にいなくても、子どもたちが自分で支援先や相談窓口を探せる仕組みを整えているほか、相談のハードルがまだ高い子どもたちのためには、悩み解決に役立つ「よみもの」や「動画」を掲載しています

2024年度だけでも約54万人が「Mex(ミークス)」を訪れました。
悩みや不安な気持ちを書き込むための掲示板機能「気持ちをはきだす」には、毎月100件を超える声が寄せられます。
検索の多いキーワードは「心身の不調」「性の悩み」「勉強」「行ける居場所」「暴言・無視・ひいき(家族・親戚)」など。子どもたちが、深刻な悩みを抱えてMex(ミークス)を訪れていることがうかがえ、胸が痛みます。
それでも、Mex(ミークス)を利用した子どもたちからは、
「記事を読んで、私は1人じゃないと思うことができました」
「誰も相談する人がいなくてここに相談しました」
「サイトを見つけて、今回気持ちを吐き出させていただきました。虐待に対するページがいくつもあり、助かりました」
といった声が寄せられています。
Mex(ミークス)は、次のステージへ進もうとしています

深刻な問題を抱えても、身近な大人に助けを求められない子どもたちにとって、インターネットは“命綱”ともいえる存在です。
しかし今、生成AIやSNSの普及により、その“命綱”である情報の届き方が大きく変わろうとしています。そして、Mex(ミークス)も立ち上げから9年目を迎え、時代に合わせて進化させる必要性が高まってきています。


今こそ、Mex(ミークス)のような子どもたちに寄り添ったサイトが、ますます必要になってきています。
より多くの子どもたちに支援を届けたい
今回のクラウドファンディングは、Mex(ミークス)をより多くの子どもたちにアクセスしてもらえるように整備するとともに、子どもたちの“声なき声”を支援につなげていくための挑戦です。

Mex(ミークス)を立ち上げてから9年の間に寄せられた、子どもたちの声や検索データを、北海道大学と連携して分析。支援機関や行政にも共有して、制度の見直しや支援の改善にいかし、誰一人取り残さない社会を目指す取り組みを進めていきます。
子どもたちが、ひとりで苦しまない社会をつくるために
学校にも家にも頼れない
誰にも相談できない
否定されるのが怖い
そんな子どもたちが、自らの力で支援や正しい情報につながれるように。
そして、声を上げられない子の声を、私たちが社会に届けられるように。
Mex(ミークス)は、子どもたちの最後のよりどころであり、安心・安全な成長を支えていくためのインフラです。
「自分は大切にされる存在だ」と、すべての子どもたちが実感できる社会を一緒につくっていきませんか?
あなたの力が、届かない場所にいる子どもたちへ、支援の手を伸ばす大きな一歩になります。
ぜひご支援のほど、よろしくお願いいたします。
<寄付金の使い道について>
サイト改修と子どもたちの声を見える化するために必要な下記全費用5,035,000円のうち、今回のクラウドファンディングでは 2,000,000円の寄付を募りたいと思っております。
■サイト改修:2,285,000円
・調査費
・サイト改修費
・サーバー費用
■北海道大学との共同研究:750,000円
・データ分析委託費用
・分析データの公表(学会参加関連)
■共通:2,000,000円
・人件費
・SNS広告費
<運営主体である3keys(スリーキーズ)について>
Mex(ミークス)の運営をおこなうのは、私たち認定NPO法人3keys(スリーキーズ)です。
認定NPO法人とは、NPO法人のうち、“「一定の基準を満たしている」と所轄庁(都道府県・政令市)が認めた法人”のことです。認定NPO法人はより高い税制優遇を適用するために「より客観的な基準において、高い公益性をもっている」ことを判定された法人で、NPO法人の中でも約2.6%程度となっています。

認定NPO法人3keysへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。
※住民税の寄付金控除については、各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の税務担当課にお問い合わせください。
このプロジェクトは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」の認定プロジェクトです。
「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」では、寄付決済時に発生する決済手数料をソニー銀行が協賛することで、寄付者の想いがこもった大切な寄付金を全額 NPOに届けます。寄付金の社会への還元性を高めることで、寄付文化の浸透および NPOの社会課題解決に向けた活動を支援することが可能です。
▼GIVING for SDGsの詳細サイト
https://congrant.com/jp/corp/sonybank/givingforsdgs.html▼ソニー銀行さまホームページ
https://sonybank.jp/?cid=cf_gfs038_01ソニー銀行様より、以下の応援メッセージをいただきました。
このたびは「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」へのご参加、誠にありがとうございます。2024年8月に続く2回目のご参加となり、喜ばしい限りです。
今回のプロジェクトは、子どもたちのセーフティーネットとなる支援情報ポータルサイト「Mex(ミークス)」に寄せられるデータをより効果的に分析し、悩める子どもたちの声や実態を学会やセミナーなどで共有、社会全体で支援のあり方を再考する機会を創出するという有意義な取組であると考えています。
なお「Mex(ミークス)」は、虐待をはじめ、貧困や勉強、人間関係、性などといった子どもたちの幅広い悩みに対応していることより、SDGs目標である「No1 貧困をなくそう」「No3 すべての人に健康と福祉を」「No4 質の高い教育をみんなに」「No5 ジェンダー平等を達成しよう」「No10 人や国の不平等をなくそう」への実現に貢献できることを願っています。