寒さの中で希望を探す人々に温もりを
1000日。2022年にウクライナ人道危機が深刻化してから、人々が過ごしてきた時間です。町の暖房システムが破壊され、電気の供給も不安定なうえ、地雷の影響で人々は薪を取りに行くこともできません。薪、練炭や固形燃料など寒さをしのぐための支援が不可欠になっている中、ADRAのような人道支援団体の活動が、人々の唯一の希望となっています。
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ウクライナで起きていること
2022年2月より急激に悪化しているウクライナ情勢は、危機の深刻化に歯止めがかからず、多くの方が安心して過ごせる日常を奪われてしまっています。気温が零下にまで下がる極寒の冬が始まっている中、温かく過ごせる場所や食料が足りていません。空爆もウクライナ全土で続いており、一般住宅や民間人の被害も広がっています。電力不足も深刻で、停電、断水、インターネットの切断が発生しています。病院や学校への被害も甚大です。ウクライナ全体で1770万人が支援を必要としている状態で、安全な水や食料、温かい衣類、基本的な生活用品や衛生用品、発電機、燃料、心のケア、病院や学校へ支援など、命をつなぐためあらゆる支援が求められています。
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アドラはウクライナ国内および周辺国において一人ひとりに寄り添う支援を届けています。
ADRAはこれまでウクライナ危機で支援を必要としている方々に水や食料、衛生用品、現金給付、危険な地域からの避難、居場所の提供、病院への医療資材の提供や移動クリニックの運営など、命をつなぐあらゆる支援を届けています。安全な場所を求める家族や、8月までの半年で、支援を届けた方の数は延べ700万人を超え、その数は現在も増え続けています。
【危険な地域からの避難】
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ADRAが迅速にウクライナ国内の複数の地域に支援を届けられるのは、1993年からウクライナ国内での支援活動に取り組んできた28年の実績があるからです。2022年2月22日の時点で、国内4か所の事務所と2つの倉庫、30人のスタッフのほか、全国各地にコーディネーターと数百名を超えるボランティアの方と連携できる関係がすでにあったため、各地の状況をいち早く把握し、支援活動につなげることができました。
国境を越えて避難された方への支援の一例としてスロバキア側国境近くでADRAが運営している一時受け入れセンターの様子。心のケアも視野に入れ、子どもたちが子どもらしく過ごせる空間も確保しています。
ご支援の使い道
アドラ・ジャパンは2022年10月からスロバキアのスタッフとの協力体制をさらに強化し、食糧支援を継続すると共に、ウクライナの方々が厳しい冬を乗り越えられるよう、冬服や寝袋などの支援の準備も開始しました。また同月より、ウクライナ南部のザポリージャ地区内にある34の集落や、北東部のハルキウ地区にて無料バスを走らせています。今日までに1717人がこのバスを活用しておりますが、利用者の多くは女性や年金受給者、あるいは障害を持った方々で、大変喜ばれています。皆さまのご寄付は、ウクライナの方々への物資の配付、避難中の衣食住、危険な地域からの避難、国外への避難、心のケア、医療施設や教育機関への支援などのために、大切に活用させていただきます。
例えば、10,000円のご寄付で避難している方お1人が、1か月命をつなぐのに必要な水や食料、生活用品、衛生用品、医薬品や宿泊費用を賄うことができます。50,000円のご寄付で1家族を1か月支えることができます。皆さまの温かいご支援に感謝いたします。
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※アドラでは、いただいたご寄付の20%を一般管理費としてお預かりし、ご寄付の入金管理や領収証の発行、お問い合わせの対応、活動のご報告等のために大切に活用させていただいております。また一般管理費の一部は、ご寄付が集まりにくい他の支援活動のためにも活用しております。災害被災地や途上国での活動への支出(事業費)と管理費の割合は、2019年度の実績では、事業費が87.7%、管理費が12.3%の割合でした。
「家族から家族へ」のコンセプトのもと実施している「ファミリーパック」。家族4人家族2週間分(2人家族なら1か月分)の食料をウクライナ国外でパッキングし、毎週トラックで国内に運び入れて、必要な家族に迅速に配布しています。1パック当たり約7,000円で用意することができます。温かいご支援をお待ちしております。