ADRAはウクライナ国内および世界約120か国以上にネットワークを持つ強みを生かし、ウクライナ国内および周辺国において、安全な場所への避難や避難所での温かい食事、寝床、生活必需品や衛生用品、現金給付などの支援のほか、医療施設への医療物資の支援など、現地の状況に応じて、人々に寄り添った支援を実施しています。
2025-10-03 12:46
ウクライナでの心理社会ケア活動~支援を受けた方々の声

ADRA Japanは、ウクライナ国内で心理社会的支援を行っています。戦争による不安やストレスの中で暮らす人々に、専門家によるカウンセリングや、同じ悩みを抱える人たちと話し合えるグループセッションを提供しています。
今回は、実際にグループセッションに参加した二人のお母さんの声をご紹介します。子どもとの関わりについては、平常時でも多くの親が悩みを抱えているものです。ましてや、子どもも親も戦争による大きなストレスの中で生活している状況では、親子関係はいっそう難しくなります。今回ご紹介する二人も、親子関係に悩み、グループセッションに参加してくださいました。
ユリヤ・スタニスラヴォヴァさん(33歳)

ユリヤさんは、夫と子どもたちと共に暮らすフォスターマザーです。里親コミュニティを通じてこの支援を知り、これまでグループセッションに3、4回参加しました。テーマは「育児としつけ」「女性の生活におけるコントロール」「コミュニケーションの境界線」など。
「突然4人の小さな子どもを育てることになり、当初は厳しいルールで縛っていました。でもグループセッションを通じて、ルールは子どもの安全と健康に焦点を当てるべきだと学びました。今では必要以上に縛ることをやめ、子どもたちを理解しながら向き合えるようになりました。」
ヴィクトリア・ヒティウクさん(51歳)

ヴィクトリアさんは、二人の子どもと暮らしています。 近所の管理人からこの支援を紹介され、「愛情表現」「人間関係における境界線」などのグループセッションに参加しました。
「『愛情表現』のグループセッションで、子どもたちが何を求めているのかを改めて考えることができました。息子は言葉で褒められることを、娘は温かいスキンシップを求めていることに気が付きました。今は、子どもたちの境界線を尊重しながら、それぞれに合った方法で愛情を伝えるようにしています。」
このように、裨益者の方々はグループセッションを通じて「子どもの心を理解し、寄り添うこと」の大切さを再確認しています。厳しい状況の中でも子どもに安心感を与え、親子の絆を深めていく。グループセッションは、そのような前向きな変化を支える貴重な機会となっています。
アドラ・ジャパンは今後も、心理社会的サポートを通じて、戦争下でも子どもたちや家族が安心して暮らせるよう支援を続けていきます。