親と離れて暮らす子どもたち
ウクライナでは、戦争や家庭の事情により10万人以上の子どもたちが親と離ればなれに生活しています。チルドレンハウスと呼ばれる児童養護施設では、いつ来れるかわからない親の迎えを待ちながら、以前よりも多くの子どもたちが肩を寄せ合って暮らしているのが現状です。ADRAは、子どもたちが空腹を満たし、夜は温かく眠れるようにすることはもちろんのこと、少しでも笑顔になれる時間を持てるような活動にも取り組んでいます。
空襲警報に逃げた地下で 男の子が満面の笑みに
ADRA Japanでは、昨年末から「チルドレン・チルドレン」という子どもから子どもにギフトを届ける活動に取り組み、日本の子どもたちからウクライナの子どもたちへ、命をつなぐ衣食住の支援にプラスαの笑顔を届ける活動ができるようになりました。
ウクライナ国内で暮らす子どもたちは、いつも空襲警報に気を付けていなければなりません。国外に避難している場合でも、空襲を経験しているために、地下に逃げられるような場所がないと落ち着けないという子どもも少なくありません。それでも、ぬいぐるみや明るい色のおもちゃ、お菓子を手にするときは、無邪気な子どもに戻ることができます。
去る11月、ドイツの人々からの支援により、チルドレンハウスの1つに子どもたちへのプレゼントを一足早く届けることができました。この訪問のときにちょうど空襲警報が鳴り、子どもたちとともに地下に避難をしなければなりませんでしたが、薄暗い部屋でプレゼントを受け取り、包みを開け、ぬいぐるみを手にした子どもの顔には満面の笑みが広がりました。
このプレゼントを受け取る喜びを、まだプレゼントが届いていないチルドレンハウスの子どもたちにも届けたい。それが今、私たちの切実な願いです。
喜ばれるプレゼントを届けるために
いくらプレゼントとはいえ、もらえれば何でも嬉しいかというとそうではないのが正直なところ。それは子どもたちも一緒です。そこでADRAでは、普段、生活に必要な支援を届けるときに、その施設にどんな子どもが何人いて、何を欲しがっているかを聞き取っています。
子どもたちへのギフトは、年齢や好みによって違うものをADRAスタッフが丁寧に選び、用意をします。ときどき、「日本でプレゼントを買うのでそれを送ってほしい」というお問い合わせをいただくことがありますが、日本から送ると輸送費も時間もかかってしまうことと、現地の子どもたちになじみがないギフトになってしまったり、ほかの子どもとのバランスが難しくなってしまうことがあるので、ADRAでは現金のご寄付を募り、プレゼントは現地調達しています(周辺国での調達を含みます)。
12月4日、ウクライナの隣国スロバキアでのギフト準備に、ウクライナから避難しているウクライナ人のお父さん、お母さん、子どもたちの総勢50名が参加してくれ、クリスマスプレゼントに添えるメッセージカードを手作りしてくれました。
当日は、子どもたちにお菓子や飲み物が提供され、サンタクロースも応援に駆けつけてくれました。
子どもたちに心から喜んでもらいたい。ひとときでも、戦争のつらさを忘れられる時間を過ごしてほしい。その想いで、私たちADRAはプレゼントを届けてまいります。
1,200個のギフトを用意したい
ウクライナには、約700の児童養護施設があります。また周辺国には、避難生活を続ける子どもたちが通う支援センターがあります。そのうち、日本からは、ウクライナにいる子どもたち1,000人と、隣国スロバキアに避難しているウクライナの子どもたち200人、合計1,200人にギフトを届けられるよう、皆さまからのクリスマスギフト募金を募ります。
皆さまのご支援をお待ちしております。