ビルマ/ミャンマーにおいて2021年2月に発生した軍事クーデターにより国内の治安が悪化、NGOによる活動もそれまでと同じレベルでは実施が困難となっています。
地方では、地元の様々な民族を主体としたグループが軍政と対峙し、大小の武力衝突が絶えず、地元住民の多くが山林などで避難生活を送っています。
2017年よりタイ国境に近いカヤー州で地雷犠牲者に義足支援を続けてきたJCBLの活動についても、治安の悪化で地元のパートナー団体であるKNHWO(カレンニー・ヘルスワーカーズ・オーガニゼーション)の工房が閉鎖されたことで、活動をしばらく見合わせてきました。
支援対象者の声はこちら
(https://www.jcbl-ngo.org/project/survivor/artificial_leg/interview2019/)
こうした状況の中、現地コーディネーターよりミャンマー市民の寄付で活動を続けている現地NGO団体「Dove KK」の紹介を受けました(Doveはビルマ語で平和の象徴である「鳩」を意味し、KKはカヤー州と南シャン州を意味する「Kainayi・Kainayar」の頭文字)。
海外からの支援が届かない僻地で、避難生活を送る市民や戦闘や地雷で傷づいた人々を無償で支援する若者の熱意に共感し、このたびJCBLではDKKの活動を支援することを決定しました。
活動内容
① 地雷犠牲者に対する初期治療、義肢及び療養支援
対人地雷は国際法で禁止されているにもかかわらず、国軍は現在も地雷を使用し続けています。犠牲者の多くは山間部に避難する市民で、大怪我をしても適切な処置ができないこともあります。DKKは、こうした人々が避難生活を送る山間地に3カ所の仮設病院を設営し、怪我人の初期処置をするとともに、適切な手術ができる病院への搬送を行っています。
JCBLは、こうした病院運営に関わる様々な物品と搬送費用などを、また、手術後に戻ってきた患者の傷の処置が終わるまでの療養期間の治療費と食料等の生活支援を行います。
② 国内避難民への医療、生活支援(両州でおよそ150ある避難民村が対象)
国軍との戦闘が激しい、カヤー州とシャン州では多くの住民がタイとの国境に近い山間地に大小の避難民村を形成し、限られた食料などを分け合いながら暮らしています。
DKKの医療スタッフは、こうした避難民村を定期的に訪問し、移動診療活動や医薬品、また生活必需品を提供しています。
JCBLは、DKK医療スタッフの移動や必要物資の購入費用を支援します。