【2023年7月14日追記:ネクストゴール挑戦します】
おかげさまで102人もの方からのご支援をいただき、目標としていた100万円を本日達成することができました。ご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。ミャンマーのスタッフもこのページをチェックしており、皆さまの応援に励まされております。
現地では、まだまだ足りていないものがたくさんあり、次にネクストゴールとして150万円に挑戦し、より多くの医薬品を届けたいと思います。
ぜひ引き続き、ご支援、またこのクラウドファンディングの拡散にご協力をよろしくお願いいたします。
軍事クーデターから2年。増え続ける国内避難民
ミャンマーでは2015年に実施された選挙で民主派政権が圧勝し、民主的な政権が国家運営を担うようになりました。民主主義国として経済成長が期待され、人びとは将来への希望を胸に自由な生活を送っていました。
しかし2021年2月1日、ミャンマー国軍はウィン・ミン大統領、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問らを含む政権幹部らを拘束。全土に非常事態宣言を発出し、政権を掌握しました。
ミャンマー全土で市民による平和的な抗議活動が起こりました。ミャンマーでの市民による抵抗は、市民不服従運動(Civil Disobedience Movement:CDM)と呼ばれています。大勢が参加した抗議デモに加え、医療従事者や教師などの公務員がストライキをし、国軍への抵抗の意を示したのです。この抗議活動に参加した人びと、特に辞職することで抗議した元公務員たちは、CDMerと呼ばれるようになりました。
この非武装の抵抗に対し国軍は、容赦なく銃口を向けました。子どもでも妊婦でも容赦せず、拷問し、殺しています。さらに、抗議活動に直接的に参加した人だけでなく、無差別に市民を殺害しています。今では人びとは防空壕を掘り、飛行機を見たら隠れなければならなくなりました。空爆や砲撃により、多くの命が失われています。2023年5月時点で、少なくとも3,567人が殺害されました。国外に避難した人は5万人を超え、戦闘を逃れ森の中などに避難している国内避難民は150万人にのぼり、今も増え続けています。
CDMerとして抗議活動に参加した人びとは、職を追われ、家を追われ、国軍に見つからないよう隠れながら生活せざるを得なくなりました。しかし働き口がなく、国軍が政権を掌握してから既に2年が経ち、生活は困窮しています。
ミャンマー国軍は、スパイを用いたり突然家に押し入ったりしてCDMerを探し、見つけ出すと逮捕や拷問、死刑、殺害などが待ち受けています。CDMerに協力した人も捕まってしまうため、CDMerを支持したいけれども仕事を失いたくない人は、連帯の意を表明することすらできません。
ミャンマー国軍は法律を改正し(条項505Aの追加)、国軍を批判する投稿をSNSにしただけでも逮捕されるようになったため、情報発信すら難しい状況です。
(左)国軍により燃やされた家 (右)避難する人びと
パルシックのミャンマーでの活動
パルシックは、2022年よりミャンマーでの緊急支援活動を行っています。
日本の皆さまからいただいたご寄付で、ヤンゴンと周辺地域のCDMerおよび国内避難民に対し、食料と医薬品の配付、現金給付支援を行いました。
また、2022年8月からは、国軍の弾圧から逃れてきた多くの国内避難民が暮らしている少数民族地域で、食料や生活物資を配付し、学校に通えない子どもたちへの教育支援を実施しています。
■パルシックのミャンマーでの活動(パルシックホームページへ)
(左)食料配付の様子 (右)仮設の学校で学ぶ子どもたち
今回のプロジェクトについて
無償で避難民に医療を提供する元医療従事者たち
パルシックが活動する少数民族地域には多くのミャンマー人が国軍の暴力から避難してきていますが、病院は一つもありません。
そこでCDMerとして抗議活動に参加した元医療従事者たちが、自身の生活が苦しいにも関わらず、ボランティアで診療をしています。数人でチームを作り、村々へ訪問診療をする人もいれば、自宅で地域の人びとのケアをする人もいます。特に産婦人科医療においては、このようなボランティアの医療従事者が大きな貢献をしています。
しかし、医療従事者自身の生活が厳しいだけでなく、医薬品も十分にありません。そこでパルシックは、ボランティアで人びとのために働く医療従事者たちに報酬(生活費)と医薬品を届けます。
寄付金の使い道について
パルシックが現在、緊急支援活動を行っているミャンマーの少数民族地域で、国内避難民に対して無償で医療を提供している元医療従事者30人に、報酬と必要な医薬品を届けます。
医療従事者30人への報酬(各7,000円/月×2か月) | 420,000円 |
医薬品購入費 | 550,000円 |
医療品輸送費 | 30,000円 |
決済手数料(コングラント)* | 0円 |
合計 | 1,000,000円 |
*「GIVING100」は目標金額を達成すると、決済手数料が0%になります。目標金額に届かなかった場合は、決済手数料が3.4%かかります。
これまでに届けた支援
これまで、457人の皆さまから7,315,400円のご寄付(団体を含む)と、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、以下の支援をミャンマーに届けています。
- 279人の市民不服従運動(CDM)に参加して失職した人に現金約6,500円(10万チャット)を配付しました。
- 200人に新型コロナウイルス対策用の家庭用医薬品(マスク、経口補水液、消毒液、ビタミン剤等)を配付しました。
- 747人に食料(米・乾麺・食用油)を、特に妊娠中の女性や障害のある人に優先的に配付しました。
- 隣国タイに逃れたミャンマー人の就労支援を実施しました。
- 国内避難民600世帯に食料と物資(ブランケットとろうそく)を配付しました。
- 家を失った200世帯に、仮設住宅の屋根となるブルーシートを配付しました。
- 子ども1,891人に、文房具(鉛筆、ペン、消しゴム、ノート)を配付しました。
- 13校の仮設学校に教科書などの備品を配付しました。
- CDMに参加して職を失いボランティアで働く50人の教師たちに報酬として現金約6,500円(10万チャット)を配付しました。
- 家を失った40世帯に浄水フィルターを配付しました。
(左)食料を受け取った国内避難民の家族
(中央)文房具を受け取った子どもたち
(右)浄水フィルターの配付
代表理事からのメッセージ
2021年2月にミャンマーでクーデターが起こった際、パルシックとして何ができるのかを知りたいと、日本国内でミャンマー情勢に詳しい方々にお会いし情報を集めるところから始めました。その過程で祖国に想いを馳せ行動する在日ミャンマー人の方々とも出会いました。
私たちが得られる情報を一人でも多くの皆さんにも知ってもらいたいと、こうした方々にご協力いただいて、2021年11月より「ミャンマーを知るオンライン連続講座」をこれまで11回実施してきました。
ミャンマー情勢を政治的に解決していくには長い道のりが予想され、その覚悟で市民が国軍への抵抗を続けています。同じアジアに暮らす市民団体として、政治的働きかけと並行してミャンマーの人びとの民主化への願いに寄り添い続けることが、今わたしたちにできることだと思っています。
ミャンマー情勢に関心を寄せる皆さまからの応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
(パルシック共同代表理事 伊藤淳子)
寄付金控除について
パルシックは認定NPO法人です。パルシックへのご寄付は、確定申告によって所得税、法人税、相続税などの寄付金控除を受けることができます。 地方自治体によっては住民税も控除の対象となります。詳しくはお近くの税務署までお問合せください。
寄付金領収書について
クレジットカード決済でご寄付をいただいた場合、お手続きされた日付ではなく、コングラントから当団体に入金された日(クラウドファンディング終了後の翌々月)が寄付金の入金日となります。そのため領収書の送付が10月以降になりますことをご了承ください。
パルシックとは
パルシックは、これまでアジアで「国民国家の壁を越えて、人と人が直接的に助け合い、支えあう、人間的で対等な関係を築く」ことをミッションとして、困っている人がいたら同じ時代にともに生きる人間として、相互に支え合う、民際協力事業を行ってきました。
東京のほかにも東ティモール、パレスチナ、レバノン、トルコに事務所があります。現地の方たちが農業や加工食品などで生計をたて、経済的自立はもちろん、誇りをもって、生活を送れるためのサポートをしています。
最近では特に、外国の占領や侵略あるいは紛争、自然災害などにより、自立的な発展を阻まれた人びとが暮らしを取り戻すことに協力する活動に力を入れています。
(左)シリア難民の子どもたちへの教育支援
(中央)トルコ・シリア地震被災者支援
(右)東ティモールのコーヒー生産者支援