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ナンミャケーカインさん(京都精華大学特任准教授)から、応援メッセージをいただきました。ナンミャケーカインさんは、ミャンマー出身で、開発経済学、国際労働移動研究の専門家。クーデター後、ミャンマーの民主主義を守るため「自由と平和な表現活動を支援する団体WART(ワート)」を立ち上げたメンバーの一人です。
ロイコーという美しい町に再び訪れることができる日まで
私はミャンマー出身ですが、カレンニー(カヤー)地域に行ったことがありませんでした。念願叶って2020年2月28日にカレンニーの町ロイコーに降り立って、一泊二日の短い訪問をしました。到着してすぐにロイコー技術大学へ向かい、打ち合わせをして、800人以上の学生を前に日本の教育システムや日本留学への心得について話しました。1時間の講演のあと、さらに質疑応答が1時間ほど続き、学生たちの好奇心に感銘を受けたのを今でも覚えています。今、この大学生たちと大学教員はどうしているのでしょうか?
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ロイコー技術大学を訪問(撮影:2020年2月28日)
講演会の後は、ディモーソー地区にある「グェタウンセー」ダムに案内してくれました。可愛いバダウン民族の子どもたちが観光客と一緒に写真を撮ってもらってお金を受け取るという商売をしていました。普段はそういうことにあんまり賛成できない考えですが、子どもたちがあんまりに可愛くて、ただでさえお小遣いを渡したいと思っていましたので、写真撮影をお願いしました。束の間の出来事でしたが、これがこんなにも懐かしい写真に変わるとはその時は思ってもみませんでした。今、この子たちはどうしているのでしょうか?
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「グェタウンセー」ダムでパダウン民族の子どもたちと記念写真(撮影:2020年2月28日)
その日の夜、私立の寮付き高等学校2校の高校生たちにも日本留学についてどのような道があるのか、今どんな準備をして勉学に励んだら良いのか、を話しました。夜で暗い中、目をキラキラ輝かせて話に夢中に聞き入っていた生徒たちが目に焼き付いています。質問も多く出ました。例えば、日本留学のための奨学金はあるか、日本は寒いか、どんな学問が人気か、等々。質問はなかなか途切れることなく、夜9時まで続きました。
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ロイコーの私立高校の生徒から質問を受ける(撮影:2020年2月28日)
翌日、2月29日の早朝にロイコーの有名なパゴダ(仏塔)にお参りに行きました。霧がまだ残るなか山頂から見るロイコーの町。とても平和な町でした。以前は紛争があって立ち入ることがなかなかできなかった地域だったため感慨深く、見とれていました。案内してくれた、地元で日本語学校を創設した若い青年から「ロイコーは発展性に満ちた町で、住み心地もとてもいいからぜひまた来てください」と誘われました。私もぜひまた来るからね、と言いましたが、コロナとクーデターでロイコーに再び訪れることができなくなってしまいました。約束を果たせられるよう、ロイコーが平和になるよう、自分のできることを精一杯やっていきます。
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ロイコーにあるパゴダから見える町の風景(撮影:2020年2月29日)
ぜひ皆様もミャンマー(ロイコー)の子どもや高校生や大学生、そして大学教員や高校教師が安全で平和に暮らせる日が早く戻りますように積極的にご支援していただきたいです。 ロイコーという美しい町が平和な町に早く戻れますように!ご協力をお願いします。
ナンミャケーカインさん、ありがとうございました!パルシックでは、クーデターが起きた2021年からミャンマーに関わりのあるさまざまな方をお招きして、連続オンライン講座を開催しています。ナンミャケーカインさんには、2022年度の第2回に登壇していただきました。