子どもにとって
居場所は多ければ多いほどその子の安心感につながります。
そして、子どもたちは自分のペースで自分らしく育っていける場があるだけで自ら様々なことに挑戦し、自分の能力を伸ばしていくようになります。
また、集団の中で過ごす中で、子どもたちは時には思い通りにいかないことや 喧嘩も経験し、柔軟なコミュニケーションの取り方や感情のコントロールの仕方を学び、人として成長していきます。
日野里山フリースクールでは、他にも、話し合いでルールを決めたり、自分たちで企画運営を行ってイベントを開催したりする機会もあり、民主的に物事を決め、主体的に行動する力を育んでいます。
そして、地域の中で地域とつながりながら活動することによって、子どもたちは様々な生き方に出会います。
十分な支援がなく孤立する不登校当事者
2021年に、当時小学校1年生だった子どもが不登校になりました。
自身が不登校当事者の親になったことで、社会の中に不登校の子どもが通うことのできる場がほとんどなく、また、不登校当事者へのサポートや理解が圧倒的に不足していることが分かりました。
そして、学びの機会はおろか。人と出会う機会さえ確保することが困難な状況にあり、孤立している当事者がほかにもたくさんいることを知りました。
具体的困難
- 子どもの体を動かす機会や人と出会う機会など様々な機会が減り、学習も遅れていき、生活リズムも崩れてしまう傾向があります。
- 保護者が働き方を変えざるをえず、家庭の経済的な負担が増えます。
- 親子ともに自己肯定感がさがることが多く見られます。
- 親子ともに相談できるところがあまりなく孤立することが増えます。
- 地域の人からの理解がなく、外出すること自体が難しくなってしまいます。
不登校児の現状
不登校のこどもの数は年々増加しており、全国で346,482人(令和5年度)、滋賀県で3385人(令和4年度)、日野町で53人(令和4年度)の不登校児童がいました。
そのうちたったの12%の児童しか、学校外の機関等での相談・指導等や家庭でのICTを活用した学習活動により指導要録上出席扱いを受けておらず、また、約40%の児童は相談や指導すら受けていない状況にあることが分かっています。
(令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査より)
まずは居場所が必要
たまたま学校が合わなかっただけで、魅力や才能にあふれた何の問題もない子どもたちが、学ぶ権利も行使できず、社会から孤立してしまうなんていうのはおかしなことだと思います。
私たちは、「まずは不登校の子どもたちが他の子どもたちと出会い、一緒にご飯を食べられる居場所を作りたい!」と、子ども食堂の活動からスタートしました。
そして少しずつ活動が広がっていく中で、今は不登校の子どもたちが学校の代わりに通う場所、『フリースクール』として活動しています。
日野里山フリースクールの活動
私たちは3つの活動を通して子どもたちとその親を支えたいと思っています。
①フリースクールの活動
平日毎日、9:30~15:30に活動をしています。
基礎学習に加え、自然体験や、料理や裁縫などの生活体験、話し合い、子どもたちによるイベントの企画運営、スポーツ、モノづくりなど、子どもたちが自立していく上で大切だと思うことを取り入れています。
②保護者のサポート
子どもの不登校で悩む保護者の相談を受けたり、保護者同士で悩みをシェアできる保護者会を開催しています。
保護者がしんどいと、子どももしんどいので、保護者が孤立しないことも大切です。
③地域、学校、行政との連携
地域の中で不登校への理解が広がるように講演活動を行ったり、子どもたちが地域の方々とつながっていけるような活動も行っています。
また、学校と連携し、毎月子どもの様子などをレポートで提出することで『出席認定』という形で、子どもたちがフリースクールに来た日は学校でも出席の扱いをしてもらっています。
安心できる居場所で、十分な自信や自己肯定感が育った時、子どもたちは自然と自ら新しい一歩を踏み出します。中には学校に再びチャレンジする子もいれば、バスで通学しだす子、フリースクールの中で様々なことに挑戦する子もいます。
来る前とは別人のように、生き生きとした姿を見せてくれるようになった子どもたちを、これまでに何人も見てきました。
子どもたちの中に、着実に『生きる力』や『自立』が育ってきていることを日々実感しています!
(参加者の声)
〈子ども〉
・学校に行っていた時はこの世から消えたいと思ってたし、いつも泣いたり怒ったりしてた。
フリースクールに来るようになって優しくなった。
・フリースクールがなかったら、泣き叫んで、学校から無理やり帰ろうとしてたと思う。
・フリースクールは安心できる。
・フリースクールで友達ができて良かった。
〈保護者〉
・心の負担が減りました。
・本人のどんな姿も受け入れやすくなりました。
・気持ちが楽になり、私には分からない子どもの様子を聞けることで、 良いところも沢山発見できるようになりました。
・あまり周りとくらべなくなりました。
・子どもが自分以外の誰かと過ごせている、社会と接しているという安心感がありました。
少し離れて過ごす時間は自分の息抜きにもなり精神的にとても助かりました。
寄付金の使い道について
人件費や経費を可能な限り抑えていても、経営は非常に難しい現状があります。
そのため、保護者の方々に参加費のご負担をしていただかざるを得ません。
しかし、教育は本来無償で提供されるべきものであり、不登校になったからと言ってたくさんのお金がかかってしまうのはおかしいと考えています。
また、「自分が学校に行けないせいで家族に迷惑をかけてしまっている。」と子どもが感じてしまうことも決して良くないことです。
家庭環境にかかわらず、必要としている子どもたちが誰でも通えるフリースクールにするためには、保護者さんへの参加費の負担を少しでも下げることが必要不可欠と考えています。
いただいた寄付金は、水道光熱費、通信費、教材費、人件費、活動費など、フリースクールを運営していくためにかかってくる基礎的な費用として活用させていただきます。
その結果、保護者さんの負担額を下げ、少しでも多くの子どもたちが通うことのできる場にしたいと考えています。
どうか、ご理解とご支援をお願いします。
一般社団法人日野里山フリースクール
MAIL hino.satoyama@gmail.com
HP https://hinosatoyama.studio.site/
この寄付は「赤い羽根共同募金」を通してこの事業に活用されます。
この活動は滋賀県共同募金会が実施する「赤い羽根ネットde推し活プロジェクト」として寄付募集をさせていただいております。
このプロジェクトでは、寄付者をいただく方の様々な思いを受け止めることができるよう、「分野」、「活動」、「地域」から”推し”を選んでご寄付いただくことができるしくみです。
滋賀県共同募金会特設サイト 赤い羽根「ネットde推し活プロジェクト」を是非ご覧ください。
※滋賀県共同募金会では、
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、わたしたちの町や暮らしを、少しでも良くしようと、がんばっている人たちを応援する「じぶんの町を良くするしくみ。」として、滋賀県における地域福祉の推進を目的に様々な支援活動を行っています。