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私たち日本アレルギー友の会では、アレルギーによって、苦しみや不安を抱える人たちに対して、講演会や療養相談を通して、前向きに、自分らしい生き方ができるように後押しすることを大切にしています。
クラウドファンディング中は、特別企画として、友の会と関わりのある方々が、どのようにアレルギーを乗り越え、今の自分らしい生き方を掴むことができたのか、生の声とともに紹介していきます。
2回目は、ステロイドを効果的に使ったプロアクティブ療法を試された樋原卓人さんです。
樋原卓人さんのアトピー性皮膚炎体験記
子どもの頃は軽症だったアトピーが、高校2年生の頃から炎症が全身に広がっていき、顔全体もひどく炎症するようになりました。皮膚科に行っても何も話は聞いてもらえず、ただステロイドを出されるだけ。「どうせ効かないんだけどな」と思いながらもただ診察されるばかり。
「医者の出す薬を使っても良くならないということは、もしかして治療法が悪いのでは?」とインターネットで調べ、そこで出会ったのが「脱ステロイド」です。
しかし効果はなく、さらに調べるうちに「プロアクティブ療法」という治療法を知り、独学で試したところ、みるみる炎症が改善されていきました。最終的に、治療8ヶ月目には身体にステロイドを使うことはほぼなくなりました。それ以来、ステロイドは多くて月に一度使うか使わないかというところまで改善しています。
自身の経験から感じている2つのこと
1つ目は「ステロイドはうまく使えばけっして怖い薬ではない」ということです。
最初は「大量のステロイドを使うなんて!」と思ってました。でも、表面の炎症が消えたとしてもステロイドの使用量を減らさず、使い続けることで奥底に眠っている炎症を抑えることが大切なのです。
そしてもう1つは、「日本の医療業界は問題が山積みだな」ということです。
ぼくは、自分で調べてプロアクティブ療法を試して良くなりました。でも本来、「これは医療側から提案されるべき治療法なのでは?」と思っています。いままでかなりの数の皮膚科に通ってきましたが、ステロイドの使用量や使い方を教えてもらった記憶はほとんどありません。
最初からFTUの量を塗ることを教えてもらえれば、脱ステロイドにハマって長い期間アトピーで苦しむことはなかったかもしれません。脱ステロイドを患者が選択するのは医療側にも大きな責任があると感じます。
現在その経験を踏まえ、ぼくは2つのアトピーコミュニティに関わっていて、患者同士での対話を行っています。自分自身も色々な脱ステロイド療法を試した経験があるので、脱ステロイドを信じる方の気持ちはよくわかります。相手を否定せずにゆっくりと話を聞きながら自分の体験を伝えていくことで、何かを持ち帰ってくれる方がひとりでも増えたら良いなと思っています。
「患者・医療・社会」の三つを繋ぐ存在として
私たち日本アレルギー友の会は、「患者・医療・社会」の3つをつなぐ存在として、患者の声やデータを学会や自治体に提言したり、正しく新しい治療法の普及を患者の目線に立って社会に広げていきたいと考えています。
患者中心の医療の実現に向けて、私たちのネットワークの広さを活かしながら、今後は政策提言活動も拡大していく予定です。
樋原さんのアトピー体験記の全文はこちらをご覧ください。
▷http://allergy.gr.jp/archives/2271
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